子宮筋腫の「変性」は、筋腫の組織が変化することです。筋腫へ十分に血液が届かなくなると、組織が傷んで急な強い痛みを起こすことがあります。ただし、筋腫がある人の腹痛がすべて変性によるものとは限りません。痛みだけから自分で診断しないでください。
急に強い下腹部痛が出た、大量に出血している場合は、緊急の診察を受けてください。「以前筋腫と言われたから」と定期検査の日まで待つことは避けます。妊娠中・妊娠の可能性がある場合も、必ずそのことを伝えましょう。
筋腫の大きさだけで、痛みの原因は決まらない
子宮筋腫は、子宮にできる良性の増殖性の病変で、無症状のこともあります。一方、大きさ・場所・数などによって、月経量の増加、痛み、圧迫感、排尿・排便の問題などが起こる場合があります。
変性に伴って痛みが出ることはありますが、「この大きさなら必ず変性する」「痛みがなければ状態は変わっていない」と一つの条件では判断できません。診察では、これまでの画像や症状の変化と、今回の検査を合わせて確認します。
受診を急ぐ症状と、診察で相談したい変化
| 状態 | 対応・伝えること |
|---|---|
| 急に強い痛みが出た・大量出血 | 緊急の診察を求める。筋腫の痛みと自己判断して待たない。 |
| 失神・意識が遠のく、動けない | 119などで救急の対応を求める。出血や痛みと一緒に起きたことも伝える。 |
| 痛みが続く・出血が増える | 婦人科へ相談し、いつから・どのくらいか、発熱などを伴うかも伝える。 |
| 月経が重い・疲れやすい・排尿に困る | 日常への影響、出血の状況、貧血等の評価が必要かを確認する。 |
| 妊娠中・妊娠の可能性がある | 受診先へ最初に伝える。市販薬を含め、痛み止め等を自己判断で追加しない。 |
筋腫以外にも、下腹部痛や出血を起こす病気があります。鎮痛薬で少し軽くなったことだけで、急ぐ病気がないとは判断できません。症状が強い・悪化する場合や不安がある場合は、予定の予約を待たず受診先へ連絡してください。
検査では、何を区別したいのか確認する
症状と診察に加え、超音波検査で筋腫の数・場所・大きさなどを調べます。さらに詳しい画像検査や血液検査等が必要かは、症状や診察・画像の所見に応じて決まります。筋腫の変性が疑われる全員に、ホルモン検査・腫瘍マーカー・組織検査を同じ順序で行うわけではありません。
「画像では何が分かったか」「痛みや出血の別の原因を調べる必要があるか」「次の診察はいつで、どの症状なら先に連絡するか」を聞きましょう。診断がまだ確定していない場合も、その理由と次の確認を説明してもらえます。
変性と説明されたら、必ず手術になる?
変性という言葉だけで、全員が手術や子宮摘出になるわけではありません。症状がない筋腫では治療をせずに経過を見る場合もあり、症状があれば薬や処置・手術を含めて検討します。自分の場合の痛みの原因、出血や貧血、筋腫の状態、治療の必要性を確認してください。
妊娠を希望する場合は、治療を選ぶ前に伝えましょう。治療法によって、その後の妊娠に影響する可能性があります。「筋腫を取れば必ず妊娠できる」「子宮を残せばどの処置でも同じ」と決めず、期待する効果と注意点を具体的に尋ねてください。
薬の種類や量、通院の間隔、活動上の注意も、自分の症状・妊娠の可能性や治療に合わせて確認します。一般的な更年期治療や別の婦人科疾患の説明を、そのまま筋腫変性の治療として当てはめないようにしましょう。
確認した資料
2026年10月24日に確認。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。