トリコモナス症は、腟トリコモナスという原虫による感染症です。おりものの変化、かゆみや痛み、排尿時の違和感等がみられることがありますが、症状がない場合もあります。見た目やにおいだけで診断せず、婦人科・泌尿器科等で検査と治療を相談します。
症状・検査結果と、パートナーへの対応を確認します
| 気になる状況 | 対応・確認すること |
|---|---|
| おりもの・におい・かゆみ、排尿時痛等がある | 症状だけで原因を決めず、診療と必要な検査を受ける |
| 感染が確認された、パートナーが診断された | 症状がなくても医療機関へ相談し、双方の検査・治療を進める |
| 治療の薬を処方された | 薬の種類・使う場所・期間と、妊娠授乳・ほかの薬や飲酒の注意を確認する |
| 妊娠中・その可能性、授乳中である | 処方前に必ず伝える。週数や製品で使える条件が異なるため、自己使用せず医療者に確認する |
| 治療後に症状が残る・再び出た | 自己追加・再使用せず再相談する。再感染等を含め評価し、検査時期を確認する |
無症状の感染もあり、症状だけでは判断できません
WHOは、女性ではおりものやかゆみ・排尿時痛等がみられる場合があり、男性では無症状のことが多い一方、尿道からの分泌や痛み等が出る場合もあると説明しています。泡状や色の変化等、一つの特徴があれば確定、なければ感染なし、とは判断しません。WHO:トリコモナス症の症状・診断・治療
診察では症状や病歴を聞き、分泌物等を調べます。顕微鏡や、施設・検体に応じた抗原・遺伝子検査等が使われます。ほかの性感染症等も確認する必要があるか、結果を聞く方法と次の対応を相談してください。検査法や検体の条件を確認し、陰性の意味も医療者へ聞きます。
国内の実際の薬で、使い方と適用条件を確認します
日本では、例えばメトロニダゾールを含むフラジール内服錠にトリコモナス症の適応があります。腟用の製品もありますが、同じ成分でも投与する場所、量、期間、妊娠・授乳の注意は同じではありません。
飲み薬と腟錠を入れ替えたり、他人の薬を分けたりしないでください。PMDA:フラジール内服錠/PMDA:フラジール腟錠
内服錠の添付文書には妊娠3か月以内の使用について禁忌と例外条件があり、その後も治療の利益と危険性を踏まえて判断することが示されています。授乳への注意も腟用とは異なります。妊娠の可能性・週数、授乳、持病やほかの薬を必ず伝え、実際に使える治療を医師・薬剤師へ確認してください。
内服錠では、投与期間中の飲酒を避ける注意があります。処方された量・期間と併用薬の注意を守り、自己増量・延長をしないでください。服用中に手足のしびれ、歩きにくさや意識等の異常が出た場合は服用を中止して速やかに医療機関へ連絡・受診します。薬ごとの副作用と対応も説明を受けてください。
パートナーも治療し、双方の治療が終わるまで性行為を控えます
トリコモナスは主に性行為で感染し、症状がない場合も感染を広げることがあります。CDCは、再感染を防ぐためパートナーも同時に治療し、双方の治療が完了するまでは性行為をしないよう案内しています。症状が先に軽くなっても、治療が終わったと自己判断しないでください。CDC:検査、治療と再感染を防ぐ対応
相手への伝え方や受診が難しい場合は、診療先へ支援を相談できます。自分の薬を分けて治療を代用せず、それぞれの条件に合う処方を受けます。治療後の再開時期と、その後のコンドーム等の使い方も医療者へ確認します。
症状が残る・再び出る場合は、再評価を受けます
一度治療しても再感染する場合があります。症状が続くときは、前回の薬・使用期間、飲み忘れや副作用、パートナーの受診・治療等を分かる範囲で伝えます。再感染、薬の効き方、ほかの原因等を評価し、必要な再検査や治療を医療者が判断します。
再検査が必要かと適した時期も確認してください。海外の一律の日数や検査予定を、国内の全製品・全検体の指示にするものではありません。妊娠中の感染は出産への影響と関係することがあるため、自己判断で放置せず産科の担当医へ相談します。強い下腹痛や発熱等の体調悪化がある場合も早く連絡してください。
費用と保険の確認
治療の保険適用と自己負担は、病名・治療内容・適用条件によって異なります。高額療養費も診療月・年齢・所得区分等で上限が変わり、先進医療の技術料など保険外の費用は対象になりません。
治療施設には保険・自費の内訳を、加入先の健康保険には自分の上限と申請方法を確認してください。協会けんぽ:高額療養費の対象・診療月別の上限
出典と確認日
2026年10月30日にCDC(2025年1月31日)、WHO(2025年11月21日)、PMDAのフラジール内服錠(2025年9月改訂)と腟錠(2023年7月改訂)の採用節を確認しました。海外の処方を日本の用量へ転用せず、国内の実際の処方と条件を優先します。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。