子宮内癒着は、子宮の内側に瘢痕組織ができて、内腔の一部などがくっつく状態です。流産手術後に月経が戻らない、以前より少ないなどの変化があれば、手術した医療機関や婦人科へ相談してください。症状だけで癒着と決めず、ほかの原因も確認します。
強い症状と、月経の変化を分けて相談します
| 気になっていること | 連絡・相談する内容 |
|---|---|
| 手術後に出血が多い、強い腹痛、急な体調悪化がある | 癒着かどうかの判断より先に、医療へ連絡する。強い症状は救急へ |
| 発熱、悪臭のあるおりもの、悪化する痛みがある | 感染や術後の問題などの評価が必要なため、早く連絡する |
| 月経が戻らない・量が以前より減った | 処置日、月経や薬の状況を伝えて婦人科へ相談する |
| 周期的な下腹部痛や妊娠への不安がある | 症状、処置歴、妊娠希望を伝え、必要な評価を相談する |
| 癒着の治療を受けた後である | 再評価の時期と方法、予定前の連絡条件、妊活再開を確認する |
月経量が「以前の3分の1」になるまで、あるいは術後3か月になるまで待つという意味ではありません。術後に気になる変化があれば相談できます。急な症状は癒着だけで説明せず、残存組織や感染なども含めた評価が必要です。RCOG:流産後・手術後に連絡する症状
癒着の有無と、症状・妊娠への影響を確認します
子宮内癒着は、子宮の手術などの後に生じることがあります。月経がなくなる、不妊や流産が繰り返されるといった症状が関連する場合もありますが、これらの症状には別の原因もあります。MedlinePlusも、手術後に月経が戻らない場合の相談を案内しています。MedlinePlus:Asherman症候群
癒着があるだけで無症状の場合と、月経・痛み・妊娠に関わる症状がある場合では、判断が異なります。すべての流産手術で癒着が起きる、月経の変化があれば必ず癒着という説明ではありません。
子宮鏡など、検査の目的を聞きます
AAGL・ESGEの2017年診療指針は、利用可能な場合、子宮鏡を癒着の診断に最も正確な方法として位置づけています。子宮の中を直接見て、癒着の場所や範囲、内膜の状態を評価できます。
状況によって子宮卵管造影や生理食塩水を使う超音波検査なども検討されます。AAGL・ESGE 2017:子宮内癒着の診断に関する推奨
どの検査から行うか、検査で何がわかり、結果によって対応がどう変わるかを確認してください。月経の回復、薬や妊娠の可能性なども含めて評価します。全員が超音波・造影・子宮鏡を順番に一式受けるという意味ではありません。
症状と妊娠希望に合わせて、治療と再評価を決めます
症状のある癒着では、子宮鏡で見ながら剥離する治療が検討されます。再癒着を減らすための処置やホルモン薬等も、状態に応じて医師が判断します。同指針は治療後の子宮内腔の再評価を推奨しています。
器具の留置期間、薬の量や期間、再評価や次の妊娠を考える時期は個別に確認します。抗菌薬を全員が同じように必要とするとは限らず、自分で用意して服用しないでください。処方されている薬を自己中止する案内でもありません。同指針:症状のある癒着の手術・再癒着予防・術後評価
癒着が取れること、月経が改善すること、妊娠すること、出産に至ることは、それぞれ違う結果です。癒着の程度、治療の難しさ、ほかの不妊要因なども関わり、一律の妊娠成功率や出産を約束できません。追加の治療が必要になる場合もあります。MedlinePlus:治療後の見通しと合併症
費用と次の予定を確認しておきます
予定する検査・手術・麻酔・薬・再診の内容、保険の扱い、追加費用があり得るかを受診先へ確認します。受ける方法と診療の条件に合わせて、自分の負担を確認しましょう。
「次回はいつ、どの検査で確認するか」「その前に連絡する症状」「性交や妊活の再開条件」を聞いておくと、術後の予定を組む材料になります。固定の4〜6か月を全員の再開期限にはしません。不安が強い場合は、地域の流産・死産後の相談支援も利用できます。こども家庭庁:流産・死産後の相談支援
出典と確認日
2026年10月30日にAAGL・ESGEの2017年指針の診断・治療・術後評価の採用節、MedlinePlusの2026年5月29日確認版、RCOGとこども家庭庁の採用節を照合しました。2017年指針を2026年新版と呼ぶものではなく、引用研究全文や個別の医師監修は未実施です。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。