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流産予防に使われる漢方薬一覧|効果と注意点

2026/4/22

流産予防に使われる漢方薬一覧|効果と注意点

流産予防に使われる漢方薬一覧|効果と注意点・科学的根拠

流産予防に漢方薬を使いたいと考える方は多く、実際にいくつかの漢方薬は不育症・切迫流産の補助療法として産婦人科でも処方されています。ただし漢方薬は「補助的な役割」であり、不育症の根本治療(アスピリン・ヘパリン等)の代替にはなりません。この記事では、流産予防に使われる主な漢方薬、その作用と科学的エビデンス、注意点を解説します。

この記事のポイント

  • 流産予防に使われる漢方薬TOP5(当帰芍薬散・芎帰膠艾湯等)と主な適応
  • 漢方薬のエビデンスレベルと「補助療法」としての正しい位置づけ
  • 妊娠中の漢方薬使用における薬機法上の注意と医師への相談の必要性

流産予防に使われる主な漢方薬一覧

産婦人科・不育症外来で流産予防・切迫流産の補助として用いられる主な漢方薬を紹介します。いずれも医師または漢方専門家の指示のもとで使用することが前提です。

主な漢方薬と適応の一覧

漢方薬名

主な適応・目的

主要成分・特徴

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

冷え・貧血傾向・むくみのある方の月経異常・切迫流産補助

当帰・芍薬・川芎・茯苓・白朮・沢瀉。血行改善・利水

芎帰膠艾湯(きゅうきこうがいとう)

妊娠中の出血・切迫流産の止血補助

当帰・芍薬・川芎・地黄・阿膠・艾葉・甘草。止血・補血

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

血の滞り(瘀血)を改善。子宮内膜症・月経痛合併例

桂枝・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬。血行促進

温経湯(うんけいとう)

冷え・乾燥肌・月経不順のある方。黄体機能不全補助

当帰・芍薬・川芎・人参・牡丹皮・呉茱萸・桂枝等。温補

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

気虚(疲れやすい・胃腸虚弱)がある方の体力補強

黄耆・人参・白朮・当帰・柴胡・升麻・陳皮等。補気・昇提

※漢方薬の選択は「証(体質・症状のパターン)」に基づきます。同じ目的でも体質により適する薬が異なります。

漢方薬の科学的エビデンス——現状と限界

流産予防における漢方薬のランダム化比較試験(RCT)は少なく、現時点ではエビデンスレベルは低〜中程度です。ただし一部の研究では補助効果が示されています。

主要な研究・エビデンスの状況

  • 当帰芍薬散:血流改善作用(子宮動脈の血流速度改善)を示したin vivo研究あり。切迫流産患者への観察研究で有効性を示す報告がある
  • 芎帰膠艾湯:切迫流産の出血症状に対する有効性を示す小規模RCTが日本・中国から報告されている
  • 温経湯:排卵障害・黄体機能不全への有効性を示す観察研究がある
  • 全般:大規模RCTは少なく、プラセボ対照試験が不十分。西洋医学の標準治療を補完する位置づけに留まる

日本産科婦人科学会の不育症ガイドラインでは、漢方薬は「補助療法として考慮できるが推奨度は弱い」と位置づけられています。

なぜ漢方薬が流産予防に用いられるのか

漢方医学では、流産・不育症を「腎虚(じんきょ)・血虚(けっきょ)・気滞血瘀(きたいけつお)」などの「証」として捉え、それに対応する処方を選びます。西洋医学的には以下のメカニズムが研究されています。

  • 子宮・卵巣血流の改善:当帰芍薬散の川芎・当帰などが子宮・卵巣の血液循環を改善
  • 抗酸化・抗炎症作用:一部の生薬(黄芩・甘草等)が炎症性サイトカインを調整
  • ホルモン調整:温経湯などが黄体機能の補助・LH/FSHバランスの正常化に働く可能性
  • 免疫調節:補中益気湯などの免疫修飾作用(NK細胞活性調整等)

妊娠中の漢方薬使用における注意点

「天然成分だから安全」という認識は誤りです。妊娠中に使用する漢方薬には慎重投与または禁忌とされる生薬が含まれるものがあります。

妊娠中に注意が必要な主な生薬

生薬

注意点

含まれる処方例

桃仁(とうにん)

子宮収縮促進作用の可能性

桂枝茯苓丸等

牡丹皮(ぼたんぴ)

子宮収縮促進・抗凝血作用

桂枝茯苓丸・大黄牡丹皮湯等

大黄(だいおう)

子宮収縮・下剤効果。妊娠中は基本的に禁忌

防風通聖散・大黄甘草湯等

附子(ぶし)

アコニチン含有。過剰摂取で中毒リスク

附子理中湯・真武湯等

麝香(じゃこう)

子宮収縮促進。妊娠中禁忌

一部の漢方薬・香り成分

市販の漢方薬を妊娠中に自己判断で服用しないでください。必ず担当医または漢方専門医に相談してから使用してください。

漢方薬の入手方法——医療機関 vs 市販

流産予防目的の漢方薬は、医療機関(産婦人科・漢方専門外来)での処方が最も安全です。

入手方法の比較

入手経路

メリット

デメリット

医療機関(処方薬)

証に基づく処方・保険適用・安全性が確認された製剤

受診の手間

漢方専門薬局・薬剤師相談

体質に応じた相談が可能

費用が高め(自費)・保険外

市販薬(ドラッグストア)

手軽に入手可能

妊娠への安全性確認が必要・自己判断のリスク大

よくある質問(FAQ)

Q1. 漢方薬だけで流産を予防できますか?

漢方薬単独で流産を確実に予防することは現在のエビデンスでは示されていません。抗リン脂質抗体症候群にはアスピリン+ヘパリン療法が標準治療であり、漢方薬はあくまで補助的な位置づけです。

Q2. 当帰芍薬散は妊娠前から飲んでいいですか?

妊娠前の月経不順・冷え改善目的で当帰芍薬散を服用することは比較的一般的です。妊娠後も切迫流産の補助として継続する場合がありますが、担当医に確認してください。

Q3. 漢方薬は西洋薬と併用できますか?

多くの場合は可能ですが、一部の漢方薬と西洋薬に相互作用がある場合があります(例:甘草を含む漢方薬と利尿剤の組み合わせ)。担当医に服用中のすべての薬を伝えてください。

Q4. 流産後に漢方薬で体を整えることはできますか?

流産後の回復期に、当帰芍薬散や補中益気湯などが体力回復・月経周期の正常化に使われることがあります。次の妊娠に向けた体質改善目的として漢方専門医または産婦人科で相談してください。

Q5. 漢方薬は何週まで服用できますか?

処方内容によって異なります。芎帰膠艾湯などの止血目的の薬は切迫流産が落ち着くまで、当帰芍薬散は出産後まで継続するケースもあります。服用期間は担当医と都度確認してください。

まとめ

流産予防に使われる漢方薬(当帰芍薬散・芎帰膠艾湯・温経湯等)は、血流改善・ホルモン調整・免疫調節を通じた補助的効果が期待されますが、大規模RCTによるエビデンスは限定的です。不育症の標準治療(アスピリン・ヘパリン療法)の代替にはならず、補助療法として位置づけられます。

妊娠中の漢方薬使用は一部の生薬が禁忌となるため、必ず担当医または漢方専門医の指示のもとで使用してください。「天然だから安全」という自己判断は危険です。

次のアクション

  • 漢方薬の使用は担当医または漢方専門医に相談してから始める
  • 不育症の原因検索(アスピリン・ヘパリン療法の適応評価)を優先する
  • 市販の漢方薬を妊娠中に自己判断で服用しない

免責事項
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としています。個別の症状・治療方針については必ず担当医にご相談ください。本記事に基づく行動の結果について、当サイトは責任を負いかねます。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/22更新:2026/5/2