骨盤臓器脱で使うペッサリーは、腟内に入れて下がった腟壁や子宮などを支え、出てくる感じや重さなどの症状を軽くするための器具です。手術を希望しない場合や手術までの間などにも選択肢になります。ただし、入れたままで受診や管理が不要になる治療ではありません。
形・サイズと、生活に合うかを確かめます
ペッサリーには複数の形や大きさがあります。診察で状態を確認し、安定して支えられるか、痛くないか、排尿できるか、日常生活や性交の希望に合うかを確かめます。一度で合うとは限らず、調整を重ねる場合があります。
2026年公表の英国の臨床指針も、本人の希望、器具の保持と快適さ、自己管理の可否などを踏まえた選択を示しています。「脱の程度が同じなら全員同じ器具」「必ず手術を避けられる」とは決められません。UK Clinical Guideline:ペッサリーの選択と装着
使用前に確認したいこと
| 確認すること | 相談する内容 |
|---|---|
| 治療の目標 | どの症状を軽くしたいか、ほかの治療との選択 |
| 装着した感覚 | 痛み、外れやすさ、歩く・座る・排尿するときの状態 |
| 生活への影響 | 運動や性交、通院・介助など本人の生活と希望 |
| 管理の方法 | 医療機関での交換・診察か、指導を受けた自己管理が可能か |
| 連絡と再診 | 次の予定、出血・痛み・排尿困難や脱落した場合の相談先 |
定期的に外して、腟や器具の状態を確認します
定期確認では、症状が改善したか、出血やおりもの、尿や便の困りごとがないかを聞き、必要な診察で腟壁や器具を確認します。器具の種類、本人の状態、医療機関で管理するか自己管理するかによって、予定は異なります。
英国指針は、通院と自己管理を分け、検査やフォローの間隔の根拠には不確かさがあることも説明しています。他施設の日数を見て、自分の予約を延ばすことは避けてください。受診が難しくなった場合も、放置する前に管理できる方法を相談します。
出血・痛みや排尿の困りごとは、早めに連絡を
おりものが増えることがありますが、悪臭、出血、腟の痛みや違和感、器具が繰り返し外れるなどの変化は確認が必要です。出血をすべて器具の擦れと考えず、ほかの原因がないかも診察で調べます。
強い痛みや尿が出ないなどの場合は、次の定期受診を待たず医療機関へ連絡してください。外れた・位置が気になるときも、指導を受けていない方法で無理に押し戻す・引き抜くことは避けます。Gloucestershire Hospitals:ペッサリー使用中に相談する症状
自己管理やホルモン治療は、個別に相談します
本人が外して洗い、戻す管理ができる種類・状況もありますが、誰でも同じようにできるとは限りません。希望があれば器具の種類、手の動きや生活上の負担、支援の有無を含めて相談し、必要な指導を受けます。自己管理をしても、症状が変わった場合や必要な定期確認の相談は続きます。
粘膜の乾燥や萎縮などに対して、ホルモンを用いた治療などを併用する場合もあります。病歴や出血、使用中の薬を伝えて適応を確認してください。全員に同じ薬・回数を勧めるものではありません。器具が合わない場合は、別のサイズや形、ほかの治療も含めて再検討します。
参考資料と確認日
- UK Clinical Guideline for Best Practice in the Use of Vaginal Pessaries for Pelvic Organ Prolapse(2026年公表、選択・装着・観察の採用節)
- Gloucestershire Hospitals:Vaginal pessary for pelvic organ prolapse
2026年10月28日に採用した節を確認しました。海外の通院・自己管理の日程やホルモン薬の使い方を、日本での本人の指示へ置き換えるものではなく、本記事の個別の医師監修は行っていません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。