子宮全摘後の回復期間は、開腹・腹腔鏡・腟式などの術式、手術の範囲、体調、仕事の内容によって異なります。退院できる日と、仕事・運動・性行為へ戻れる日は同じではありません。退院時に、自分の手術に合った再開の目安を確認しましょう。
子宮全摘は子宮を取り除く手術で、術後に妊娠を維持することはできない
子宮全摘は、子宮の本体と子宮頸部を取り除く手術です。子宮を残して行う筋腫の手術や、子宮内腔の病変だけを取る子宮鏡手術とは異なります。術後に治療や生活改善をすれば子宮で妊娠できる、という意味ではありません。
子宮を摘出すると月経はなくなります。一方、卵巣を残すか、両側の卵巣も摘出するかは別の話です。卵巣摘出による更年期症状や治療の要否についても、手術の範囲と合わせて医師に確認してください。
開腹手術の回復は6〜8週間が一つの参考、全員の復職日ではない
NHSの案内では、開腹での子宮摘出後に十分回復するまで約6〜8週間がかかり、腟式・腹腔鏡では短い場合があると説明しています。これは海外の一般的な目安で、日本の全施設・全患者の入院日数や復職日を決める数字ではありません。
手術の原因、広い範囲の切除、合併症、体力などによっても違います。「退院したから重い物も持てる」と考えず、どの活動をどの順に戻すかを聞きましょう。
| 確認項目 | 診察・退院時に確認すること |
|---|---|
| 仕事 | 座って行う仕事か、重い物を扱う・立ち続ける仕事かを伝え、休業・短時間勤務などを相談する。 |
| 歩行・運動・重い物 | 指示された範囲で少しずつ活動を増やす。回復中の重い物や激しい運動の制限を確認する。 |
| 運転 | 痛みや薬の影響、シートベルト・急停止などの動作が安全にできるかを医師と確認する。 |
| 入浴・性行為 | 傷の治りや出血・分泌物の状態に応じて再開日を確認する。日数だけで判断しない。 |
出血・傷・排尿など、退院後の変化を確認する
術後に少量の腟出血や分泌物が続くことはありますが、多量の出血、血の塊、強いにおいのある分泌物は受診先へ連絡してください。発熱、強くなる痛み、傷の異常、排尿の困りごとなども、予定の診察まで我慢せず相談します。
出血が急に多くなり、強いめまい・失神などを伴う場合は緊急の診察が必要です。意識が遠のく、動けない場合は119へ連絡してください。市販薬で何か月も様子を見ることを、術後の基本対応にしないでください。
薬・次回診察・結果説明を退院前に確認する
- 痛み止めなどの薬の用法と、追加・中止の相談先。
- 傷や病理検査の結果など、次回診察で確認する内容。
- 出血・痛み・発熱が出たときと、夜間・休日の連絡先。
- 仕事や家事で制限が必要な期間と、生活上の支援。
食事や運動は回復を支えるものですが、手術で摘出した子宮を元に戻す治療ではありません。サプリメントや市販薬を加える場合も、使用中の薬と合わせて医師・薬剤師へ確認してください。
体の回復と気持ちの回復を、別々に相談してよい
手術後に疲れや気持ちの落ち込みを感じる場合もあります。自分だけで抱え込まず、医療者や身近な人に必要な支援を伝えてください。復職や家事の再開を、他の人の日数と比べて急ぐ必要はありません。
確認した資料
2026年10月24日に確認。海外の患者情報・診療指針を含みます。自分の手術・治療・薬・検査予定については、担当医の指示を確認してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。