子宮筋腫が見つかり、妊娠前に手術すべきか迷う場合は、「何を改善する手術か」を確認します。出血や貧血・痛みへの治療と、妊娠に向けた治療では、判断の目的が異なります。
妊娠を希望する時期、筋腫の状態、年齢や妊娠を試みた経過、ほかの不妊要因と希望を合わせて考えます。筋腫があるから全員手術、何cmなら必ず危険、と固定するものではありません。
手術を決める前に、五つの点を確認します
| 確認したいこと | 診療で相談すること |
|---|---|
| 子宮内腔を変形させているか | 場所と内腔への影響、追加の評価が必要かを画像等から確認する |
| 症状や貧血がどれくらいあるか | 妊娠への影響とは別に、症状への治療が必要か考える |
| ほかの妊娠しにくい要因はないか | 排卵・卵管・精子等と、年齢や経過を合わせて評価する |
| 手術で何が改善する見込みか | 症状、臨床妊娠、出生や流産等、評価する結果と不確かさを聞く |
| 治療と妊活の順序をどうするか | 手術の負担・回復と妊娠を目指す時間、術後の相談を確認する |
症状と妊娠への影響を分けて聞きます
子宮筋腫は良性の腫瘍で、すべてに治療が必要なわけではありません。一方で、強い月経の出血や痛み、圧迫症状等への対応が必要になる場合があります。
場所や内腔の変化等を超音波、必要に応じてMRIや子宮鏡等で評価します。画像が典型的でない場合等には、ほかの病気も含め医師が確認します。検査の目的と、結果で方針がどう変わるかを聞いてください。島根大学医学部附属病院:治療を検討する筋腫と診断
無症状の筋腫への手術には、分かっていない効果もあります
ASRMの2017年指針は、無症状でも子宮内腔を変形させる筋腫では、妊娠率を改善する目的で核出術を検討できるとしています。一方で、無症状で内腔を変形させない筋腫を、妊娠成績の改善だけのために一律に摘出することは一般に勧めていません。
この指針は、筋腫の種類や手術方法によって根拠の確かさが異なり、臨床妊娠への効果と、出生・流産への効果は同じではないと整理しています。2017年の指針を、すべての方に当てはまる2026年の手術基準とはしません。ASRM:無症状の筋腫と核出術の評価(2017年)
子宮を残すかだけでなく、方法ごとの影響を確認します
妊娠希望がある場合は、そのことを治療の選択前に伝えます。筋腫を取る核出術、子宮の摘出、ほかの処置等では、妊娠や将来の出産に対する影響が同じではありません。NHS:妊娠希望と筋腫治療の注意
手術をする場合は、方法と範囲、期待する利益、入院や回復・合併症等の負担を聞きます。腹部や骨盤の手術で新たな癒着が起こる場合もあり、手術をすれば不妊や妊娠のリスクをすべてなくせるわけではありません。NIDDK:腹部・骨盤の手術と癒着
術後に妊娠を目指す時期と、妊娠後の共有事項を聞きます
核出後に妊活を再開する時期は、子宮の手術の状態や回復等を確認して、術者へ相談します。一律の待機月数を自分で当てはめず、避妊や薬の扱いも確認してください。
妊娠後は手術記録を産科と共有し、子宮の傷に応じた妊娠中の注意・分娩の計画を聞きます。すでに妊娠している方は、筋腫がある妊娠中の確認点も参考に、自己判断で予定外の治療を始めず診療先へ相談してください。
診療で使える質問メモ
- 今の筋腫で、何を改善する目的の治療か
- 手術をする場合としない場合の見通し、不確かなことは何か
- ほかの不妊要因と、治療の順序をどう考えるか
- 経過観察なら次に何を確認し、どの変化で再相談するか
- 手術するなら妊活の再開と、妊娠後の注意をどう共有するか
費用と保険の確認
治療の保険適用と自己負担は、病名・治療内容・適用条件によって異なります。高額療養費も診療月・年齢・所得区分等で上限が変わり、先進医療の技術料など保険外の費用は対象になりません。
治療施設には保険・自費の内訳を、加入先の健康保険には自分の上限と申請方法を確認してください。協会けんぽ:高額療養費の対象・診療月別の上限
出典と確認日
2026年10月30日に島根大学、NHSの筋腫説明、ASRMの2017年指針、NIDDKの癒着の採用節を確認しました。手術の個人適応や具体的な妊活開始日を指定せず、個別の医学監修は行っていません。
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免責事項
この記事は医療情報の提供を目的としたものであり、診断や治療の代わりとなるものではありません。個々の症状や状況に応じた判断は、必ず担当の医師にご相談ください。また、治療効果には個人差があります。

この記事を書いた人
EggLink編集部
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