生理痛が生活に支障を与える、月経に関連して排便や性交の痛みがある、骨盤の痛みが続くなどの場合は、子宮内膜症について婦人科で相談してください。症状と診察、画像検査などを組み合わせて評価します。一般不妊検査の一式や、一つの採血の数値だけで診断するものではありません。
検査の役割と限界
| 確認・検査 | 分かることと注意点 |
|---|---|
| 症状の経過と診察 | 痛みの場所、月経との関係、生活への影響を確認。診察が正常でも否定はできない |
| 超音波・MRI | 卵巣の内膜症性嚢胞や深い病変などを調べる。すべての病変が見えるとは限らない |
| 採血 | ほかの評価に使う場合もあるが、CA125やAMHだけで内膜症の有無を決めない |
| 腹腔鏡など | 必要に応じて直接の観察や組織の確認を検討。すべての人に最初から必須ではない |
痛みを具体的に伝えることが、評価の出発点です
痛みが起こる日、場所、強さ、月経や排便・排尿・性交との関係、鎮痛薬の使用と効き方を伝えます。仕事や学校を休む、眠れないなど、生活への影響も大切な情報です。記録は説明の助けになりますが、記録だけで診断できるアプリという意味ではありません。
内膜症以外の病気が関係することもあるため、痛みをすべて内膜症と決めつけず評価します。急な強い痛みや失神など切迫した状態は、通常の検査日を待たず医療へ連絡してください。
画像が正常でも、症状が続く場合は相談を続けます
ESHREの2022年指針は、超音波やMRIを診断の評価に使う一方、陰性の画像所見でも、特に表在性の腹膜病変などは否定できないと説明しています。NICEも、診察や超音波が正常でも内膜症を除外せず、症状に応じた紹介や追加確認を検討するよう案内しています。
ESHRE:子宮内膜症の診療指針、NICE:子宮内膜症の診断と紹介
深い病変や卵巣の嚢胞が疑われる場合は、専門的な画像評価などが検討されます。痛みが続くのに画像で異常がない場合も、自己判断で「病気はないから我慢」とせず、次の方針を確認してください。
CA125やAMHを、診断の代わりにしません
NICEは、血清CA125を内膜症の診断に用いないよう示しています。ESHREも、血液などのバイオマーカーによる診断を推奨していません。値が高い・低いだけで、内膜症やがんの有無を自己判定しないでください。
AMHは、卵巣予備能などを考える別の情報であり、「一般的な正常範囲なら内膜症なし」という検査ではありません。何のための採血か、結果をどう判断に使うかを確認しましょう。
腹腔鏡は、目的と負担を話し合って検討します
画像で明らかでなくても症状が続く場合や、試みた治療が適切でない・十分な効果がない場合などには、腹腔鏡による確認が検討されます。病変を観察し、必要に応じて組織を採り、治療を同時に行うこともあります。手術や麻酔の負担を伴うため、全員に一律に行うものではありません。
症状への治療を先に行うか、画像や腹腔鏡でさらに確認するかは、痛み、病変が疑われる場所、妊娠希望、これまでの治療などを踏まえて相談します。妊娠を希望している場合は、治療を決める前に必ず伝えてください。
出典と確認日
2026年10月27日に、ESHRE子宮内膜症指針2022の診断の該当部分と、NICE NG73(2024年11月11日更新)の診断・紹介の採用部分を確認しました。海外の紹介体制や検査日程を日本の一律の手順にしていません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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