子宮頸がんの多くには、HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染が関係します。ただし、HPVに感染した人が必ずがんになるわけではありません。症状のない時期の検診と、出血などの症状があるときの診療を分けて考えることが大切です。
症状・検診結果から、次の行動を選びます
| 状況 | 次の行動 |
|---|---|
| 月経以外・性交時・閉経後の出血などがある | 次の検診や数周期の記録を待たず、婦人科へ相談する |
| 検診で要精密検査と通知された | 症状がなくても、指定された精密検査を受ける |
| 症状がなく、経過観察中でもない | 対象年齢・方法・受診間隔を確認して検診を受ける |
| 大量の出血でふらつく、失神するなど | 119を含め、直ちに医療につながる |
HPV陽性と、がんの確定は異なります
国立がん研究センターは、HPV感染の多くが自然に検出されなくなる一方、長期の感染から前がん病変を経てがんが発生する場合があると説明しています。陽性だけでがんと決めず、結果に応じた検査とフォローを受けます。
感染が検出されなくなる場合があることと、確定したがんを放置してよいことは別です。生活改善やホルモン剤・漢方・市販の鎮痛薬だけで対処せず、病変の状態を医療機関で確認してください。国立がん研究センター:HPVと検診
前がん病変や早い段階では、症状がないことがあります
がん情報サービスは、前がん病変のCINやAISでは症状がないと説明しています。進行すると、月経以外や性交時の出血、おりものの変化などがみられる場合があります。痛みがない、出血が少ないという理由だけで検査不要とは決めません。
不正出血などがある場合は、検診の対象年齢や前回の結果にかかわらず診療の相談が必要です。症状を2〜3周期記録する、市販薬で数か月試す、といった待機は設けません。記録を取る場合も受診を遅らせないでください。がん情報サービス:子宮頸がんの症状
検診の方法で、対象と次の検査が違います
がん情報サービスは、細胞診は20歳以上で2年に一度と案内しています。厚生労働省の要件を満たす一部の自治体では、HPV検査単独法も実施されています。HPV検査単独法の対象は厚生労働省指針で30歳以上で、同資料が参照するマニュアルでは30〜60歳です。
精検不要の陰性なら5年に一度ですが、陽性などの結果では別の対応になります。
全員が毎年同じ検診を受ければよい、HPV検査は結果に関係なく5年間不要、という説明ではありません。自治体の導入状況と対象年齢、結果通知の指示を確認してください。治療・経過観察中の人は、通常の住民検診へ自己判断で置き換えず、担当医の指示に従います。
要精密検査では、子宮頸部を詳しく調べます
細胞診の精密検査には、コルポスコープ(腟拡大鏡)や組織診などを、結果に応じて組み合わせます。超音波やホルモン採血、腫瘍マーカーだけで、子宮頸がん検診や病変の確定診断の代わりとはしません。
検査名、いつ受けるか、結果をいつ聞くかを確認します。不安や痛みへの心配、妊娠の可能性などは事前に伝えてください。要精密検査はがんの確定ではありませんが、症状がないからと次の検診まで放置しません。
HPVワクチンと検診を組み合わせて考えます
HPVワクチンは、いくつかの種類のHPV感染を防いで子宮頸がんを予防します。ただし、すべての感染を防ぐものでも、感染済みのHPVを排除する治療でもありません。接種済みでも検診は必要です。接種の対象・費用・日程は自治体や医療機関に確認してください。
診断後の治療と、将来の妊娠希望
治療は病期や組織型、本人の状態・希望などを踏まえ、手術・放射線治療・薬物療法などを検討します。妊娠を希望する場合は、治療開始前に、将来の妊娠への影響と選択肢を相談してください。妊孕性を残す治療は全員に適するわけではなく、再発や妊娠時のリスクなどの説明も必要です。がん情報サービス:治療と妊娠・出産
出典と確認日
2026年10月27日に国立がん研究センターがん情報サービスの症状・検診・精密検査・予防・治療の採用節を確認しました。個人の診断や治療方針を決める記事ではありません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。