腟の乾燥は、腟や周囲のひりつき、かゆみ、性交時の痛みなどにつながることがあります。更年期だけの問題ではなく、授乳、使用中の薬や治療、洗浄剤による刺激なども関係します。痛みを我慢したり、自分の気持ちの問題と決めつけたりせず、原因と本人に合う対処を相談しましょう。
乾燥以外の変化も、受診時に伝えます
性交後・月経の間・閉経後の出血、普段と異なるおりもの、続く痛みや排尿時の不快感などを、乾燥だけのせいと判断しないでください。症状が日常生活に影響する場合や、対処しても改善しない場合も、婦人科などで相談できます。
初めての症状、いつもと違う症状、発熱や下腹部痛を伴う場合も医療機関へ伝えます。感染や皮膚の病気などでも似た症状が出るため、見た目や年齢だけで原因は決められません。NHS:腟炎のさまざまな原因と受診
相談するときに整理したいこと
| 確認すること | 伝える内容 |
|---|---|
| 症状と時期 | 乾燥・痛み・かゆみが、いつから・どの場面で出るか |
| ほかの変化 | 出血、おりもの、排尿の症状、発熱や下腹部痛 |
| 体や治療の状況 | 月経・閉経、妊娠・授乳、手術やがん治療の経験 |
| 使用しているもの | 薬、保湿剤・潤滑剤、洗浄剤などと、使った後の変化 |
| 本人の希望 | 生活や性交への影響、避妊・妊娠の希望、避けたい治療 |
ホルモンの変化、薬や刺激などを確認します
閉経、妊娠や授乳、卵巣を含む手術やがんの治療など、ホルモンの状態が変わる時期に乾燥が起こる場合があります。ホルモン避妊薬や抗うつ薬など一部の薬が関わる場合もありますが、症状だけで原因と決め、処方薬を自分で中止することは避けてください。
香料のある石けんや腟内洗浄などの刺激、糖尿病やシェーグレン症候群などの病気も、確認する背景に含まれます。性生活での興奮や潤滑の状態も人や場面で異なるため、乾燥や痛みから愛情や性欲の有無を決めつける必要はありません。NHS:腟の乾燥の原因
保湿と潤滑は、目的を分けて選びます
腟用の保湿剤は日常の乾燥への対処、潤滑剤は性交時などの摩擦を減らす目的で使われます。腟に使用できる製品か、どこへどう使うか、避妊具との併用に問題がないかを、製品の説明や薬剤師に確認してください。一般の肌用クリームや香料の強い製品を、腟内へ自己流で使わないようにします。
使用して刺激が出る場合や改善しない場合は相談します。痛い性交を無理に続けることを対策にせず、パートナーと負担のない方法を話せるときは話し合ってください。洗いすぎや腟の中を洗うことを、乾燥の治療として勧めるものではありません。
ホルモン治療は、本人の状況から相談します
ホルモンの変化による乾燥では、医師がホルモンを用いた治療などを検討する場合があります。ただし全員に同じ治療が適するわけではありません。がんなどの病歴、原因が未確認の出血、妊娠・授乳の状況、使用中の薬も伝えてください。
海外の案内に掲載された製剤や使用方法が、そのまま日本で本人に適するとは限りません。治療の目的、使う場所・方法、期待する変化、効果が乏しいときや新しい出血が出たときの相談先を確認します。
参考資料と確認日
2026年10月28日に採用した節を照合しました。処方の変更や個人の診断を指示するものではなく、本記事の個別の医師監修は行っていません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。