子宮筋腫を取り除く手術(筋腫核出術)の後に、妊娠を希望できる場合はあります。ただし、手術をすれば全員が妊娠しやすくなるわけではなく、再開できる時期や出産時の管理も同じではありません。手術の内容と本人の回復を確認し、手術を担当した医師と生殖医療・産科の担当者へ希望を伝えましょう。
筋腫を取る手術と、子宮を取る手術を区別します
筋腫核出術は筋腫を取り除き、子宮を残す手術です。子宮鏡で子宮の内側から行う方法と、腹腔鏡や開腹などで行う方法があり、筋腫の場所・大きさ・数などで検討します。子宮全摘術とは異なり、どちらの手術を受けたかが大切です。
手術後の妊娠の見通しは、年齢、ほかの不妊要因、残る筋腫や子宮内の状態などにも関わります。腹部の傷が小さいことや、体調が戻ったことだけで、子宮が妊娠に耐えられる時期まで判断しないでください。
妊娠を考える前に確認したいこと
| 確認すること | 担当医へ聞く内容 |
|---|---|
| 手術の内容 | 術式、切除した場所・数、子宮内腔への影響、手術記録の受け取り方 |
| 再開の時期 | 自分の手術・回復状況でいつから妊娠を試みてよいか、確認検査が必要か |
| 不妊の評価 | 手術で改善が期待できる点と限界、ほかに調べることや治療の計画 |
| 妊娠した後 | 産科へ共有する手術情報、妊娠中の管理と出産方法の相談 |
| 症状の変化 | 月経や痛みの変化、残る筋腫・再発や癒着を確認する必要があるか |
手術の妊娠への効果は、筋腫の場所と目的で異なります
ASRMの2017年指針では、子宮内腔の形に影響する筋腫などについて、手術で妊娠率の改善を目指すことが検討されます。一方、症状がなく内腔を変形させない筋腫を、不妊の成績を上げる目的だけで一律に手術することは勧めていません。
また、臨床妊娠に関する結果と、流産を減らす・出生に至ることの証拠は区別されています。筋腫を取った人の妊娠率を、本人の保証にはできません。手術前の理由と術後に分かったことをもとに、次の方針を相談しましょう。ASRM:無症状の筋腫と妊娠・流産への手術効果の限界(2017年)
「何か月経ったら全員が安全」とは決めません
筋腫を取り除いた後は、子宮の傷が治るための時間が必要になります。Leeds Teaching Hospitals NHSの案内にも一定期間妊娠を避ける説明がありますが、施設の一つの日数を、すべての術式・切除範囲や本人へそのまま当てはめるものではありません。
術後の診察で、妊娠を試みる許可と、その前に必要な確認を聞いてください。回復中の性交・運動・仕事の再開や避妊も、自分の退院時の指示を確認します。年齢や不妊の経過が気になる場合も伝え、傷の回復と妊娠に向けた計画を一緒に相談しましょう。
妊娠したら、産科へ手術歴を伝えます
子宮の内側まで手術が及んだ場合などには、子宮壁が弱くなることへの注意や、予定帝王切開の相談が必要となることがあります。全員が同じ出産方法になるわけではなく、手術の内容をもとに産科で判断します。手術した医療機関と違う場所で妊婦健診・出産を受ける場合は、紹介状や手術情報を共有してください。
術後に子宮内の癒着が問題になる場合や、筋腫が再び見つかる場合もあります。月経が極端に少なくなった、痛みや出血が変わったなどの経過も相談します。妊娠中の出血や腹痛は予定の健診を待たず産科へ連絡し、突然の強い痛みや呼吸の異常などでは緊急の診察を求めてください。
参考資料と確認日
- Leeds Teaching Hospitals NHS:筋腫・筋腫核出術、妊娠再開と出産の相談
- ASRM:Removal of myomas in asymptomatic patients(2017年)
2026年10月28日に採用した節を確認しました。2017年指針の範囲と限界を踏まえた情報で、本人への妊娠許可・手術の推奨や本記事の個別の医師監修を行うものではありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。