生理の周期や量が変わる原因の一つに、甲状腺の機能異常があります。冷え、むくみ、疲れやすさ、体重の変化、動悸などが重なる場合には、婦人科だけでなく内科・内分泌内科での確認が必要になることもあります。ただし、生理不順だけで甲状腺の病気と決まるわけではありません。
相談に持っていく情報
| 確認すること | 伝えたい内容 |
|---|---|
| 月経と妊娠の可能性 | 最終月経、周期・量の変化、出血、妊娠の可能性や希望 |
| 体全体の症状 | 冷え、むくみ、便秘、動悸、震え、体重変化、首の腫れなど |
| これまでの検査 | TSH・FT4などの結果、単位と基準範囲、検査日 |
| 使用しているもの | 処方薬・市販薬、サプリ、ヨウ素を多く含む製品、治療歴 |
甲状腺の機能が低下したとき・過剰になったとき
甲状腺ホルモンは、代謝や心臓などの働きに関わります。機能が低下すると、冷え、むくみ、便秘、疲れやすさ、体重増加などとともに、月経の乱れや月経過多がみられることがあります。橋本病は原因の一つですが、橋本病でも甲状腺機能が正常な人はいます。日本内分泌学会:橋本病
甲状腺ホルモンが過剰な状態では、動悸、息切れ、手の震え、汗が多い、体重が減るなどの症状がみられます。更年期やストレスだけと決めつけず、首の腫れなども含めて受診時に伝えてください。厚生労働省:甲状腺の病気
TSHだけでなく、甲状腺ホルモンと合わせて判断します
TSHは甲状腺を刺激するホルモンで、FT4やFT3は血液中の甲状腺ホルモンを評価する項目です。必要に応じて抗体や超音波なども確認し、症状と検査の組み合わせから原因を調べます。日本甲状腺学会:甲状腺疾患診断ガイドライン2024
たとえば、甲状腺自体が原因の機能低下症ではFT4低値とTSH高値が診断の情報になります。一方、下垂体などが関係する機能低下症では、FT4が低くてもTSHが低値〜基準範囲内のことがあります。「TSHが一つの数字に入っているから、すべて正常」とは判断できません。
検査方法や状況に応じた基準範囲と、治療で目指す値は同じとは限りません。妊娠しているか、抗体や持病、治療歴なども確認するため、インターネットの固定したTSH範囲だけで薬の要否を決めないでください。AMHや一般不妊検査の数値で、甲状腺の病気がまとめて判定できるわけでもありません。
婦人科と内科で、原因と治療を確認します
生理不順には甲状腺以外の原因もあるため、月経や出血についての婦人科の評価と、必要な甲状腺の検査を相談します。検査の数値だけを調整すれば、必ず月経が整い妊娠できるという保証はありません。
橋本病でも、機能が正常な場合と機能低下がある場合では対応が異なります。薬や経過観察、食事上の注意は、原因と検査に応じて決めます。ヨウ素や「ホルモンに良い」とされるサプリを、自己判断で増やして治療の代わりにしないでください。
妊娠希望・妊娠が分かった場合の連絡
甲状腺の治療を受けている場合は、妊娠を希望する段階から主治医へ伝え、妊娠が分かったときの連絡と薬の指示を確認しておきます。妊娠中は検査や薬の調整が必要になる場合があります。事前に具体的な指示がある場合はそれに従い、決められていない増量・中止を自己流で行わないでください。
月経の変化に加えて強い動悸や息切れ、急な首の腫れなどがある場合も、放置せず医療機関へ相談します。出血が多い、胸痛や強い呼吸困難など切迫した状態では、通常の検査予約を待たず救急へ連絡してください。
出典と確認日
2026年10月27日に、厚生労働省、日本内分泌学会の症状・橋本病の採用部分と、日本甲状腺学会の診断ガイドライン2024(2024年11月21日改定)の該当部分を確認しました。個別の妊娠中の目標値・増量指示を一律に示していません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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