甲状腺の働きを調べる検査では、まず血液中のTSHを測り、必要に応じてFT4などを組み合わせます。女性の検査がすべて不妊検査というわけではなく、症状、病歴、妊娠の有無や治療経過によって、調べる項目と目的が変わります。
検査項目ごとの役割
| 検査 | 主に確認すること |
|---|---|
| TSH | 甲状腺へホルモンを作るよう指示する、脳下垂体のホルモン |
| FT4 | 血液中の、たんぱく質に結合していない甲状腺ホルモン |
| T3 | 甲状腺機能亢進症などが疑われるときに追加する場合がある |
| 甲状腺の抗体 | バセドウ病や橋本病など、原因を調べる手掛かり |
| 超音波 | しこりなど、甲状腺の形や構造を確認する |
米国NIDDKは、最初にTSHを調べることが多く、結果が通常の範囲外なら原因を調べるため追加の検査が必要になると説明しています。全員が表の項目をすべて調べるわけではありません。NIDDK:甲状腺の採血と画像検査
TSHだけ、数値一つだけで自己診断しません
一般にTSHが高いと甲状腺の働きが低い可能性、低いと働きが過剰な可能性を考えます。ただし例外もあり、FT4などと組み合わせて判断します。米国甲状腺学会(ATA)は、TSHが低くFT4も低い場合には、脳下垂体の問題による機能低下もあり得ると説明しています。
結果票の基準範囲、単位、ほかの項目、症状や服薬状況を一緒に確認してください。女性全員や妊娠を希望する人全員に、一つの数値範囲だけを当てはめて診断・治療を決めるものではありません。過去の結果がある場合は持参し、再検査が必要かを相談します。ATA:TSHとFT4の組み合わせと結果の見方
妊娠中・妊娠を希望する場合は必ず伝えます
妊娠によるホルモンの変化は、甲状腺検査の解釈にも関わります。妊娠していることや可能性、妊娠を希望していること、出産後であることは、検査を依頼する医師へ伝えてください。甲状腺の病気や治療歴がある場合も共有します。
妊娠中の検査や治療は、本人と赤ちゃんの状態を踏まえて調整します。症状が妊娠によるものか、甲状腺に関わるものかは自己判断せず、産科と甲状腺を診療する医師へ相談してください。NIDDK:妊娠と甲状腺の病気
ピルやサプリメントも、検査前に伝えます
ピルなどのエストロゲンや妊娠は、ホルモンと結合するたんぱく質を増やし、総T4などの値に影響します。FT4と総T4は同じ測定ではないため、検査名を確かめます。
ビオチンを含むサプリメントは、一部の検査結果を実際と異なって見せる場合があります。製品名・含有量・最後に飲んだ時刻を伝え、検査前の対応を医療者へ確認してください。処方薬は結果をよく見せるために自分で中止・増減せず、服用方法を医師へ聞きます。
超音波と採血は、確かめる対象が異なります
採血は甲状腺の働きや原因の評価、超音波はしこりなどの構造の評価に使います。採血の数値だけでしこりの性質がすべて分かる、超音波だけでホルモンの働きが分かる、というものではありません。追加の検査を提案されたら、何を確かめるのかを聞いてください。
受診前と結果説明で確認したいこと
症状の始まった時期、病歴、妊娠・出産の状況、薬とサプリ、過去の結果を準備すると相談に役立ちます。食事や朝の薬など当日の指示は、同時に行う検査によっても異なるため予約先に確認します。結果がいつ分かるか、治療や再検査が必要か、費用に追加項目を含むかも聞きます。
出典と確認日
2026年10月28日、NIDDKの甲状腺検査・妊娠と甲状腺、ATAの甲状腺機能検査の関連節を確認しました。個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。