骨盤臓器脱は、子宮・膀胱・直腸等を支える組織や筋肉が弱まり、臓器が下がって腟にふくらみ等が出る状態です。子宮が下がる子宮脱はその一つで、子宮を摘出した後にも腟の上部等が下がることがあります。
腟に何かが下がる・挟まる感じ、ふくらみ、排尿や排便の困りごと等があれば、婦人科や泌尿器科等へ相談してください。尿漏れだけで診断したり、見た目だけで治療を決めたりせず、症状と診察を合わせて確認します。日本泌尿器科学会:何かが下がってきた
症状と、生活への影響を伝えます
| 気になること | 確認・相談すること |
|---|---|
| 腟のふくらみ・下がる感じ、重さがある | いつ・どんな動作で困るか、見えるふくらみや症状の変化を伝える |
| 尿が出にくい・残る感じ、頻尿や尿漏れがある | 排尿の状態を伝え、残尿等の評価が必要か相談する |
| 便秘や排便しにくさ、性交の不快感がある | 便通や痛み、生活への影響を伝えて原因を確認する |
| 尿が出ない、強い下腹部痛がある | セルフケアや通常予約を待たず、直ちに診療につなぐ |
| ペッサリー使用中に出血・おりもの等が変わった | 放置せず診療先へ連絡し、装着状態や腟の状態を確認する |
排尿できないときは、直ちに診療を受けます
NIDDKは、尿が出ない、強い腹痛がある場合は直ちに医療者へ相談するよう説明しています。骨盤臓器脱は尿の通りを妨げる原因の一つですが、ほかの原因もあるため、脱があるからいつもの症状と決めつけないでください。NIDDK:尿閉の症状と早急な受診
出血や痛み等の新たな変化も診療先へ伝えます。ふくらみを自分で強く押し戻したり、未確認の器具を入れたりして対処せず、必要な評価と安全な対応を確認してください。
診察で臓器と下がり方、排尿の状態等を確認します
出産・手術等の病歴、症状が出る状況と困りごとを聞き、診察で骨盤臓器脱の種類や程度を評価します。必要に応じて排尿の検査、超音波での残尿測定等を行います。全員に同じ検査一式が必要なわけではありません。
診察に不安がある場合は、何を調べるか、同席や配慮を相談できるかを事前に聞いてください。程度を表す数字だけでなく、本人の生活への負担や妊娠希望、全身の状態等を合わせて方針を考えます。NHS:症状・診察・治療の選択
骨盤底筋訓練や生活の調整を考える場合があります
症状がない、生活上あまり困らない場合等は、すぐに手術をせず経過をみる選択もあります。骨盤底筋訓練は症状の改善を目指す方法ですが、進行した脱まで必ず元に戻すものではありません。やり方と負担を医療者等に確認します。
便秘や強いいきみ、慢性的な咳、体重や負担の大きい活動等についても必要に応じて対応します。無理な運動や食事制限を一律に行うのではなく、症状や持病に合う方法を相談してください。
ペッサリーは、合うものを選び継続して確認します
腟内に入れて臓器を支えるペッサリーを使う場合があります。種類や大きさを合わせ、装着後の症状、排尿や腟の状態を確認します。落下、びらんや出血・おりものの増加等が起きることもあります。
診察・交換や清潔の保ち方は、使用するものと本人の状況によって確認します。自分で取り扱う場合は指導に沿い、合わない・痛む等の場合は自己調整を続けず連絡してください。全員に同じ交換間隔を指定するものではありません。
手術は、症状・病変と希望に合う方法を相談します
症状が強い、生活に支障がある場合等には手術を検討します。臓器や程度に応じて、メッシュを用いない方法、腟側からの手術、腹腔鏡等で固定する方法等があり、適応やリスクは同じではありません。
子宮を残すか、今後の妊娠希望、排尿・排便や性生活、これまでの手術と全身の状態等を伝えてください。再発や合併症の可能性、期待できる症状の改善、入院・回復と経過観察も聞き、本人と医療者で方針を決めます。
費用と保険の確認
治療の保険適用と自己負担は、病名・治療内容・適用条件によって異なります。高額療養費も診療月・年齢・所得区分等で上限が変わり、先進医療の技術料など保険外の費用は対象になりません。
治療施設には保険・自費の内訳を、加入先の健康保険には自分の上限と申請方法を確認してください。協会けんぽ:高額療養費の対象・診療月別の上限
出典と確認日
2026年10月30日に日本泌尿器科学会、NHS(2025年7月レビュー)とNIDDK(2019年12月レビュー)の採用節を確認しました。海外の手術運用を国内の一律の規制にはしていません。個別の医学監修や特定術式の効果保証は行っていません。
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免責事項
この記事は医療情報の提供を目的としたものであり、診断や治療の代わりとなるものではありません。個々の症状や状況に応じた判断は、必ず担当の医師にご相談ください。また、治療効果には個人差があります。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。