骨粗鬆症は、骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。日本整形外科学会は、閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や加齢と関係すると説明しています。痛みがなくても骨の状態が変化している場合があるため、骨折してからだけでなく、更年期の体の変化と一緒に骨の健康を相談できます。
検診の相談と、痛みや骨折への対応を分けます
| 気になる状況 | 対応・確認すること |
|---|---|
| 閉経前後になり、骨の健康が気になる | これまでの骨折・病気や薬、体格等を伝え、検診や必要な評価を相談する |
| 身長が縮んだ、背中が丸くなった、腰背部が痛い | 年齢のせいと決めず、整形外科等へ相談する |
| 転倒後に強く痛む、立てない・動けない | 骨折等の評価のため早く受診する。予防の運動で様子をみない |
| 骨密度検診で低いと言われた | 測定法・部位・結果票を確認し、診断のための評価につなぐ |
| カルシウムやビタミンD等のサプリを増やしたい | 食事・持病・薬も含め、必要性と量を医師や薬剤師等へ相談する |
痛みがないことだけで、骨が丈夫とは判断できません
日本整形外科学会は、骨粗鬆症自体には痛みがないことが多く、軽い転倒等で骨折しやすくなると説明しています。骨折は背骨、手首、太ももの付け根等に起こることがあります。痛みが出た後に背中が丸くなったり、身長が縮んだりした場合も相談してください。日本整形外科学会:骨粗鬆症の症状・原因と予防
骨折の起こりやすさは骨密度だけでなく、年齢、過去の骨折、体格、病気、薬、喫煙・飲酒等の条件にも関わります。ステロイド等を使っている場合や、骨に関わる病気・治療歴がある場合は、自己判断で薬を中止せず診療先へ伝えます。
骨密度の検診と、診断・治療の判断は同じではありません
骨粗鬆症財団は、診断のためには医療機関で評価し、骨折の有無や骨量の低下等を検討して、薬による治療を始めるかを医師が判断すると説明しています。必要に応じ、画像や血液・尿等の検査も診療に使われます。すべてを全員同じ一式で行うものではありません。骨粗鬆症財団:骨粗鬆症の検査
DXA(デキサ)法はX線で骨密度を測る検査で、腰椎や大腿骨近位部等が評価に使われます。かかとの超音波(QUS)は検診で使われることがありますが、同財団は骨粗鬆症の診断や治療効果の判定に用いるものではないと説明しています。検診の値を、そのまま診断や薬の効果の合否にしないでください。
結果票にある測定法・部位、数値の意味、以前の検査との比較ができるか、必要な次の評価を確認します。検診で低かった場合は医療機関へつなぎ、症状や骨折歴がある場合は検診の予定を待たず相談します。
食事は、エネルギーと栄養のバランスを整えます
骨の健康を支えるため、食事全体からエネルギー、たんぱく質、カルシウム等を確保します。特定の栄養素だけに偏らず、体格や持病、普段の食事に合わせて考えます。体重を無理に減らす食事制限にも注意し、食べられない・体重が減る場合等は相談してください。
厚生労働省の2025年版食事摂取基準の骨粗鬆症の章は、十分なカルシウム摂取が骨量の維持に必要である一方、摂取量を増やせば骨折を確実に防げるという単純な関係ではないことも説明しています。
ビタミンDの補充による骨折リスク低下も、研究結果を踏まえた個別の判断が必要です。厚生労働省:食事摂取基準2025年版・骨粗鬆症(PDF)
不足が気になる場合は、今の食事や薬を伝え、必要な評価や補充の有無を相談します。食品・サプリ・処方薬を重ねて自己増量せず、腎臓の病気等で食事指導がある場合も実際の条件を確認してください。食事やサプリだけで必要な診療・治療を代用するものではありません。
体を動かすことと、転倒しにくい生活を組み合わせます
日本整形外科学会は、予防として運動、転倒への注意、禁煙や飲酒を控えること等を挙げています。運動は体力、痛みや骨折歴、持病等に合わせて選び、不安がある場合は医療者へ方法を確認します。強い痛みがあるときや転倒直後に、無理に運動を始めないでください。
家の中のつまずきやすい物を減らす、足元や夜間の照明を確認する等、転びにくい環境も考えます。ふらつきや視力、使っている薬等が気になる場合も、医療者へ相談できます。
治療が必要な場合は、生活の対策と一緒に続けます
診療では骨折のリスクや病気・薬等を踏まえて、治療の必要性と方法を検討します。薬を使う場合は、期待できる効果と副作用、使い方、歯科診療等も含めて伝えること、次の検査・受診時期を確認してください。自己判断で開始・中止・変更せず、困った症状や通院の負担は診療先へ伝えます。
検診や診療の費用・補助、対象、検査の間隔は受ける内容と条件で確認します。一つの数値や検診結果だけで治療を決めず、骨折を防ぎ生活を保つための方針を医療者と相談しましょう。
出典と確認日
2026年10月30日に日本整形外科学会、骨粗鬆症財団、厚生労働省の2025年版食事摂取基準の採用節を確認しました。全診療ガイドラインの読了ではなく、個別の診断・検査・治療は医療者へご相談ください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。