B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)による肝臓の病気です。感染した人の血液や精液などの体液が、粘膜や傷口などを通って体内に入ることで感染し、性行為も感染経路の一つです。症状がない人から感染する場合もあります。
感染している可能性のある相手との性行為や、血液が粘膜・傷口に触れたなど、心配な接触があった場合は、検査で分かる時期まで待たず速やかに医療機関へ相談してください。接種歴や接触の状況によって、早く検討すべき予防処置があります。
状況に合わせて、検査と予防を相談します
| いま確認したいこと | 医療者へ伝える内容 |
|---|---|
| 接触後の対応 | いつ、どのような接触があったか、相手の情報 |
| 感染・免疫の状態 | 過去のHBs抗原・抗体などの検査結果 |
| ワクチン | 接種した日・回数と、接種後の検査歴 |
| 妊娠希望・妊娠中 | 産婦人科と肝臓の担当医で確認する検査・予防 |
性行為のほか、血液・母子感染の経路があります
血液、精液、腟分泌液などを介し、性行為、血液への接触、出産時の母子感染などで広がります。感染経路を性行為だけに限ったり、結果だけで誰からいつ感染したかを決めつけたりしないようにします。東京都:B型肝炎の感染経路と症状
一方、通常の会話、握手や抱擁、食器の共用などの日常的な接触で広がる病気ではありません。血液が付くおそれのあるかみそりや歯ブラシなどは共用を避けます。生活上の接触を一律に恐れるのではなく、必要な予防を医療者へ確認しましょう。CDC:B型肝炎の広がり方
症状がないことだけでは、感染を否定できません
感染しても症状が出ない場合があります。急性の肝炎では、だるさ、食欲の低下、吐き気、濃い尿、皮膚や白目が黄色くなる黄疸などが出ることがあります。慢性化しても気づかないまま進行し、肝硬変や肝がんにつながる場合があります。
黄疸や強いだるさなどがある場合は早く診察を受け、意識が悪いなど重い状態なら救急での対応を求めてください。症状が軽い・ないことを、検査や診察を省く理由にはできません。
HBs抗原とHBs抗体は、同じ意味ではありません
HBs抗原は現在の感染を評価するための項目、HBs抗体はワクチンや過去の感染による免疫の状態を考える項目です。HBc抗体などを組み合わせる場合もあります。「B型肝炎の検査をした」というだけでなく、何を測り、結果をどう解釈するか確認してください。
米国CDCは、HBs抗原・HBs抗体・総HBc抗体を組み合わせた評価を説明しています。必要な検査は本人の目的、接種歴、過去の結果や接触の状況に応じて医師と相談します。一つの抗体の値だけで、自己判断で感染や予防の必要性を決めないでください。CDC:血液検査の項目と結果の解釈
接触後の予防は、検査の待機期間と分けて考えます
HBVに感染した可能性のある接触後は、ワクチンや免疫グロブリンなどの予防処置が必要かを、早い段階で判断する必要があります。何を行うかは、接触の内容、相手の感染状態、本人の接種歴や免疫の確認状況などで異なります。
接触直後の陰性だけで安心したり、「検査は数か月後」と聞いて相談自体を先延ばしにしたりせず、まず連絡してください。検査を受ける時期と再検査の必要性も、その際に確認します。CDC:接触後の予防とパートナーへの対応
パートナーの検査・ワクチンと、本人の診療を続けます
ワクチンは感染予防に役立ちますが、すでに感染している人のウイルスを取り除く治療ではありません。感染が分かった場合は、肝臓の状態やウイルス量などを調べ、治療や定期的な確認が必要か専門医と相談します。自己判断で薬を始めたり中止したりしないでください。
パートナーも検査やワクチンの必要性を確認します。免疫が確認されていない場合などは、コンドームによる予防も含めて相談してください。妊娠を考えている・妊娠中の場合は産婦人科にも伝え、母子感染の予防を含め、本人と赤ちゃんに必要な対応を確認します。接種の公費条件や費用は居住地・医療機関へ確認します。
参考資料
2026年10月28日に資料を確認しました。症状、接触、検査・接種歴をもとに医療機関へ相談してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。