子宮内膜増殖症は、子宮の内側を覆う内膜が増え過ぎる病気です。超音波で「内膜が厚い」と言われただけでは、増殖症やがんの診断が確定したわけではありません。必要に応じて内膜の組織を調べ、細胞や構造に異型があるかなどを確認します。
「異型があるか」「すでに子宮体がんがないか」で、治療や経過観察の考え方が変わります。単に良性だから放置できる、または全員が直ちに手術をする、という一律の説明では判断できません。
異型のない増殖症と、子宮内膜異型増殖症の違い
異型とは、細胞や組織の構造が通常とは異なる状態を指します。子宮内膜異型増殖症は、将来の子宮体がんの発生リスクが高く、すでに一部にがんがある場合もあるため、子宮体がんの前がん病変とされています。
一方、異型のない増殖症では、経過を見る場合や薬物療法を行う場合があります。検査結果の正式な病名を確認し、自分がどの状態として説明されているかを担当医へ尋ねてください。
不正出血や閉経後の出血は、婦人科へ相談する
月経が多い・長い、月経と月経の間に出血する、閉経後に出血するといった症状が見られることがあります。症状がなく、別の目的の検査で内膜の変化を指摘される場合もあります。
閉経後の出血は、少量・一度だけでも診察で確認してください。すべてが増殖症やがんによるものではありませんが、出血の色や量だけで原因は確定できません。2〜3周期分の記録をためるまで待つ必要はありません。
組織検査は、何を調べるためですか
超音波では内膜の厚さや状態を見ます。増殖症が疑われる場合などには、内膜の一部を採り、顕微鏡で調べる組織検査を行います。子宮鏡で子宮の中を見ながら組織を採る場合もあります。
痛みや不安がある場合は、事前に伝えてください。必要な検査、痛みへの対応、結果を聞く日を確認します。最初の検体で十分に判断できない場合は、症状や画像などに応じて、追加検査を相談することがあります。
治療と経過観察は、異型の有無・症状・妊娠希望で検討する
異型のない増殖症では、状況により経過観察や黄体ホルモン剤などの治療が検討され、組織検査などで経過を確認します。出血が減ることと、内膜の状態が改善したと確認できたことは同じではありません。自分で薬や再検査を中止しないでください。
子宮内膜異型増殖症について、国立がん研究センターは一般に子宮全摘出術を行うと説明しています。ただし、一定の条件で妊孕性を温存する治療を検討する場合があります。妊娠の希望がある方は治療前に伝え、がんがないか、どの治療・検査が必要かを専門医に相談します。
妊娠したいとき・ほかのホルモン剤を使っているとき
妊娠を考えている場合は、組織の状態を確認してから、いつ妊娠を目指せるかを担当医と決めてください。出血が止まったことだけで治療が終わったと判断しないようにします。
更年期のホルモン補充療法や、乳がん治療のタモキシフェンなどを使っている場合も、製品名を伝えます。増殖症が気になっても、婦人科や処方元への相談なしに薬を中止・変更しないでください。
結果説明で確かめる4点
- 正式な病名と、異型の有無、がんの確認がどこまで済んでいるか。
- 経過観察・薬物療法・手術の目的と、自分に勧められる理由。
- 再検査の時期と方法、症状が変わったときの連絡先。
- 妊娠の希望、服用中の薬、通院や仕事の負担をどう調整するか。
参照した医療情報
2026年10月23日確認。海外資料の薬の承認範囲、具体的な治療期間や再検査間隔を、日本の全員に共通する指示としては案内していません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。