遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)は、BRCA1・BRCA2などに関する専門的な評価が必要な遺伝性腫瘍です。がんのなりやすさに関係しますが、原因となる遺伝子の変化があっても必ずがんになるわけではありません。自分や家族のことが心配な場合は、遺伝カウンセリングで相談できます。
相談前に整理すると役立つ情報
| 情報 | 分かる範囲で用意すること |
|---|---|
| 本人の経過 | がんの種類、診断された年齢、治療や今後の予定 |
| 家族の経過 | 血縁者のがんの種類・発症年齢。分からないことは不明のまま伝える |
| 過去の遺伝子検査 | 本人・家族が検査を受けたか、提供できる検査結果の有無 |
| 相談したいこと | 検査を受けるか、結果の意味、今後の検診や治療、家族への伝え方 |
BRCAの結果は、乳がんそのものの診断と区別します
BRCA1とBRCA2は、がん抑制遺伝子の一種です。HBOCでは、これらの生まれつきの病的な変化が、乳がんや卵巣がんなどのリスクに関わります。男性の乳がんや前立腺がんなどとの関係もあります。どの変化が見つかったかを専門家と確認してください。国立がん研究センター:遺伝性腫瘍・HBOC
「遺伝子に変化がある」と言われたことだけで、現在がんがある、将来必ず発症するとは決まりません。また、家族にがんの人がいることだけでHBOCと確定するわけでもありません。症状やしこりなどがある場合の診察・画像検査も別に必要です。
検査を決める前から、遺伝カウンセリングを利用できます
遺伝カウンセリングは、検査の意味や受けるかどうか、本人・家族への影響を専門家と相談する場です。検査を受けると決めていなくても、漠然とした心配から相談して構いません。
本人や家族のがんの種類・診断年齢、過去の検査を分かる範囲で伝えます。分からない家族歴を推測で埋める必要はありません。検査で何が分かり、分からないことは何か、結果の説明とその後の相談をどこで受けるかを確認します。
結果に応じて、検診や治療の選択を考えます
HBOCと診断された場合は、本人の経過などに応じて乳房などの検診、治療やリスク低減のための手術を相談することがあります。検査陽性なら全員が直ちに同じ手術という意味ではありません。メリット・デメリット、妊娠や出産の希望、生活への影響も含めて説明を受けます。
血縁者への影響や、誰にどう伝えるかについても相談できます。結果だけで家族全員の検査を自己手配したり、必要な診療を省いたりしないでください。一般不妊検査のAMH・FSHや精液の基準値でHBOCを判定するものではありません。
検査とカウンセリングの保険・費用を分けて確認します
保険が使える条件や必要書類は、検査の目的や本人・家族の状況などによって異なります。愛知県がんセンターは、2026年6月から、保険診療でHBOCと確定した人の一定の血縁者で、結果や関係を示す資料を提供できるなどの条件を満たす場合の保険検査を案内しています。
がんの未発症者は全員自費とも、家族歴だけで全員保険とも決めつけず確認してください。愛知県がんセンター:HBOCが疑われる方の受診案内
検査、カウンセリング、診察、必要な検診などの費用を確認します。施設ごとの申込方法や紹介状の条件も違います。不妊検査の一式費用や古い保険条件を、そのまま当てはめないでください。
出典と確認日
2026年10月27日に国立がん研究センターのHBOC・遺伝カウンセリングの採用節と、愛知県がんセンターの2026年6月からの受診案内を確認しました。全国すべての施設の費用や検査条件を監査したものではありません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。