腟の入り口付近にしこりや腫れができ、強く痛む場合は婦人科等へ相談してください。バルトリン腺の分泌液の出口が詰まると嚢胞ができることがあり、感染して膿がたまった状態を膿瘍と呼びます。ただし、すべての外陰部のしこりが同じ原因ではなく、診察で確認することが大切です。
短時間で大きくなる・痛みが強まる、膿が出る、発熱や体調の悪さ、赤く熱をもつ腫れがある場合は、早く診療につながってください。自分で針を刺す、押しつぶす等の処置はしないでください。
症状の強さと経過を伝え、受診を相談します
| 気になる状況 | 対応・確認すること |
|---|---|
| 急に腫れが大きくなる、強い痛み・熱感・発熱等がある | 感染した膿瘍等の評価が必要。早急に診療先へ連絡・受診する |
| 歩く・座ることがつらい、膿やにおいのある液が出る | 痛みと経過を伝えて受診する。自分で排膿しようとしない |
| 痛みは少ないが、新しいしこりがある | 婦人科等で原因を確認する。見た目だけで嚢胞と決めない |
| 薬や処置を受けても改善しない、繰り返す | 前回の診断・治療と症状の経過を伝え、再評価と次の方法を相談する |
| 処置後に痛み・腫れ・出血等が悪化した | 予定の再診日だけを待たず診療先へ連絡し、必要な診察を受ける |
意識や呼吸等に切迫した問題がある場合は119へ連絡してください。NHS:バルトリン腺嚢胞・膿瘍の症状と受診
嚢胞と、感染した膿瘍では対応が異なります
バルトリン腺は腟の入り口の左右にあり、細い管を通して分泌液を出します。出口が詰まると液がたまって嚢胞となり、痛みが少ないこともあります。感染した膿瘍では、赤み・熱感・強い痛み、膿や発熱等がみられることがあります。
原因がはっきりしないしこり等では、ほかの病変との区別のため追加の評価を行う場合もあります。年齢、いつからあるか、腫れや痛みの変化、同じ場所で繰り返すか等を伝えます。性感染症が関係することもありますが、しこりだけで感染経路や原因菌を決めることはできません。
診察で、薬・排膿等の必要性を確認します
診療では外陰部を観察し、必要に応じ感染等を調べます。診察の不安、痛み、同席者への希望があれば伝えてください。妊娠の可能性、持病、使用している薬、過去の処置も共有します。
感染がなく症状が少ない嚢胞等では経過をみる場合があります。一方、感染・痛み、腫れの状態、反復等に合わせ、抗菌薬や膿を出す処置等を検討します。外見や直径だけで、全員同じ薬・同じ手術と決めるものではありません。
排膿する方法と、再び詰まりにくくする方法を相談します
必要な場合は切開して内容を出し、排出する道を保つ管を入れる方法や、開口部が閉じにくいよう縫う開窓術等を検討します。UCLHは、局所麻酔で管を入れる処置や、麻酔下で行う開窓術等の選択肢を説明しています。
国内で受けられる方法と、症状に合う方針は診療先へ確認してください。UCLH:嚢胞・膿瘍の治療の選択肢
方法によって痛みや出血等の負担、麻酔、通院・再診が異なります。再発する場合もあるため、一度の処置で今後必ず繰り返さなくなる、とは保証できません。反復時は腺の切除等も含めて個別に検討されますが、自己判断で同じ処置を求めず、利点・負担と代替案を確認します。
自宅での対処は、必要な診療を遅らせずに行います
NHSは、診断された嚢胞の不快感に対する温かい湯等の対処を紹介していますが、膿瘍を疑う強い症状を数日我慢するための指示ではありません。温めることや痛み止めの可否は、妊娠・持病・薬も含め医師や薬剤師等へ確認してください。
無理に圧迫・穿刺して膿を出そうとしないでください。自然に液が出て痛みが軽くなった場合も、腫れ・痛み・発熱等が残る、再び悪化する場合は相談します。処置後の洗い方、入浴・性交等の再開、管を入れた場合の管理と受診予定は、実際の説明に従います。
費用と保険の確認
治療の保険適用と自己負担は、病名・治療内容・適用条件によって異なります。高額療養費も診療月・年齢・所得区分等で上限が変わり、先進医療の技術料など保険外の費用は対象になりません。
治療施設には保険・自費の内訳を、加入先の健康保険には自分の上限と申請方法を確認してください。協会けんぽ:高額療養費の対象・診療月別の上限
出典と確認日
2026年10月30日にNHS(2025年4月23日レビュー)とUCLH(2026年8月27日更新)の採用節を確認しました。海外施設の入院・通院日程、処置時間や方法を、日本の全員の標準手順にはしていません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。