流産の確率は、どの妊娠を対象に、どの時期の喪失を数えたかで変わります。年齢別の数字は参考になりますが、そのまま自分の今回の確率とは言えません。妊娠週数や診察結果、これまでの経過と合わせて医療者へ相談しましょう。
年齢別の数値は、対象が明らかな研究の例として読む
BMJに2019年に発表されたノルウェーの研究は、2009〜2013年に登録された42万1201件の妊娠を調べています。人工妊娠中絶の影響を調整した流産リスクの推定値から、全体と年齢群の一部を示します。
| 研究の対象・年齢群 | 人工妊娠中絶の影響を調整した推定値 |
|---|---|
| 調査全体(年齢混合) | 12.8% |
| 25〜29歳 | 9.8% |
| 40〜44歳 | 32.2% |
これは日本の現在の全妊娠や、受精卵すべての割合ではありません。異所性妊娠は対象から除かれ、研究は主に妊娠6週以降、20週未満の喪失を把握しています。専門医療機関にかからなかった早い流産が十分に捉えられていない可能性も、原著で示されています。心拍確認後の人だけの数値ではありません。
「流産率」の分母を確認する
妊娠反応が出た段階、超音波で確認した段階、心拍確認後などでは、対象の条件が異なります。妊娠の全体を分母にした割合と、ある週数まで継続した妊娠の「その後の割合」を、そのまま比べないようにします。
同じ年齢群でも、自然妊娠と治療後の集団、過去の妊娠の経過などが違えば、参考になる情報も変わります。異なる研究を混ぜた表や、年齢だけの数値から自分の経過を確定することはできません。
心拍が確認できた後も、次の診察を確認する
心拍が確認できたことは大切な診察情報ですが、それだけで今後の経過が保証されるわけではありません。一律に「何週なら何%」と当てはめず、今回の超音波で何が確認でき、次にいつ何をみる予定かを担当医に聞きましょう。
心拍の確認時期と再検査の考え方も整理しています。
数字より、いま出ている症状の相談を優先する
出血や腹痛が気になる場合は、受診先へ相談してください。多量の出血、強い腹痛、肩先の痛み、強いめまい・失神などがある場合は、緊急の診察を求めます。意識が遠のく、動けない場合は119へ連絡してください。
低い確率の表を見たことを理由に、相談を遅らせないでください。妊娠の場所がまだ確認されていない場合も、出血や痛みを自分で流産・月経と決めないことが大切です。
流産の原因や、次の治療を数字だけで決めない
流産には胎児の染色体の問題などが関わりますが、原因が分からない場合もあります。年齢や日常の一つの行動だけから原因を決めたり、特定の検査や治療を全員に必要と考えたりすることはできません。
繰り返した場合や、過去の妊娠の経過が心配な場合は、これまでの記録を持って不育症などの評価が必要かを相談できます。検査・治療の必要性や、期待できることと限界を個別に確認してください。
次の妊娠と心の支援も、個別に相談してよい
流産後は、経過観察の予定、妊娠反応の確認、薬物治療の有無、体調や気持ちを踏まえて、妊娠を再び考える時期を担当医へ相談してください。全員が同じ回数の月経を待つという表で決めないようにします。
不安や悲しみがつらいときは、支援を求めて構いません。パートナーとの関わりや、一人でも相談する方法も整理しています。
確認した資料
2026年10月24日に確認。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。