流産後の仕事復帰は、法律上必要な休業と、自分の心身・仕事内容に応じた調整を確認して決めます。早期流産なら全員1週間、手術後なら全員2週間という一律の日数では決まりません。出血や痛み、治療後の診察予定に加え、立ち仕事・通勤・夜勤などの負担を担当医へ伝えてください。
妊娠4か月以降の流産・死産では、働く方は産後休業の対象です。体調がよい場合も、本人の気持ちだけで直ちに復職できるわけではありません。
妊娠4か月以降は、原則8週間の産後休業
厚生労働省は、妊娠4か月以降の流産・死産を経験した女性労働者について、事業主は原則8週間就業させてはならないと案内しています。例外は、産後6週間を経過した後に、本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務に就く場合です。
「妊娠12〜22週なら3〜4週間で復職」という予定を一律に立てないでください。自分の妊娠期間が制度の対象になるか、必要な書類は何かを、医療機関と職場の人事・労務担当に確認します。
週数にかかわらず、流産後1年以内は母性健康管理措置の対象
産後休業の対象となる時期より前の流産でも、必要な休業や配慮を相談できます。厚生労働省は、流産・死産後1年以内の女性労働者は、妊娠週数を問わず母性健康管理措置の対象としています。
健康診査などを受ける時間の確保や、医師等の指導に沿った休業・勤務調整などを職場へ申し出ます。医師から受けた指導は、母健連絡カードで伝えることができます。カードがないことだけを理由に、必要な相談を先延ばしにする必要はありません。
診察では、仕事内容を具体的に伝える
復帰予定を相談するときは、「仕事はできますか」だけでなく、実際の勤務を伝えると調整内容が具体的になります。
- 長時間の立位、重い物を運ぶ作業、休憩やトイレを取りやすいか。
- 通勤の長さや混雑、夜勤・残業・出張などの予定。
- 出血・腹痛・疲れやすさなど、現在の症状。
- 眠れない、気分が落ち込む、集中しにくいなど、気持ちの負担。
必要な休業期間、短時間勤務や休憩などの配慮、再診日と見直し時期を確認します。復帰した後につらさが増した場合も、最初に決めた予定を我慢して続けず、医療機関と職場へ再相談してください。
職場への連絡は、必要な調整から伝えてもよい
話すことが負担な場合は、まず人事・労務担当や直属の上司など、手続きに必要な相手を決めます。例えば「治療後のため、医師から○日まで休業の指導があります。復帰後の勤務についても相談したいです」と伝える方法があります。詳細を誰まで共有するかも、担当者と相談してください。
母健連絡カードなどの書類、休暇・休職の扱い、賃金や申請の窓口を確認します。休業できる制度と、休業中に賃金・給付があるかは別なので、給与や給付を一律に保証するものではありません。
体の回復と、気持ちの回復は同じ速度とは限らない
診察を指示されている場合は、予定どおりに受診して経過を確認します。出血や痛みなどが強い・悪化する場合は、復職日まで待たず、治療を受けた医療機関へ相談してください。
流産・死産後に気持ちが落ち込むことは自然な反応です。体が動くようになっても、職場で妊娠や赤ちゃんの話を聞くことがつらいなど、心の負担が残ることがあります。医療機関の心理相談、自治体などのグリーフケアについて、担当医や相談窓口へ尋ねることもできます。
復帰前に確認する4点
- 産後休業に当たるか、医師からどのような休業・勤務調整の指導があるか。
- 再診日、症状が変わったときの連絡先。
- 職場へ提出する書類と、休業・賃金・給付の相談先。
- 復帰後に難しい作業、必要な休憩、体調を見直す日。
休暇の制度については、流産後の休暇・産後休業の確認点も参照してください。
参照した公的情報
2026年10月23日確認。雇用されて働く方の制度を中心に説明しています。個別の適用や手続きは職場・医療機関などへ確認してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。