流産を経験すると、自分の行動や気持ちに原因があったのではと考えることがあります。早期流産では、赤ちゃんの染色体の問題が主な原因と考えられていますが、一人ひとりの原因を特定できないことも多くあります。ストレスを感じたことだけを理由に、自分を責める必要はありません。
出血や痛みがある場合は、原因探しより受診を優先します
| 気になる状況 | 対応・相談すること |
|---|---|
| 妊娠の可能性があり、出血や腹痛がある | 診療先へ連絡する。出血だけで流産とは断定しない |
| 強い腹痛、大量の出血、失神・強いふらつきがある | 救急の診療を受ける。移動が難しいときは119へ |
| 症状がなく、妊娠が続いているか不安 | 症状の有無だけで判断せず、予定された診察を受ける |
| 流産の原因を知りたい | 診断の経過と、検査でわかること・限界を医師に尋ねる |
| 流産や死産を繰り返している | 不育症の評価と、検査・支援を相談する。相談に回数制限はない |
初期の出血がすべて流産というわけではありません。異所性妊娠など、急いで確認が必要な場合もあります。妊娠検査の線が薄い、出血が少ないといったことだけで安全とは判断せず、症状や検査日、治療薬を医師へ伝えてください。RCOG:早期流産の症状と診断、NHS:異所性妊娠の症状
早期流産では、染色体の問題が多いと考えられています
国内では妊娠22週を迎える前に妊娠が終わることを流産といいます。妊娠初期の流産についてRCOGは、個別の理由はわからないことが多く、主な原因として赤ちゃんの染色体の問題を挙げています。妊娠が育つ過程で必要な遺伝情報の変化があると、発育が続かないことがあります。
ただし、検査をしていない個人について「必ず染色体が原因」とは言えません。染色体という言葉だけで、ご本人やパートナーに遺伝する病気があると決めることもできません。必要な検査や結果の説明を診療先で相談します。こども家庭庁:流産・不育症の説明、RCOG:早期流産が起きる理由
リスク要因と、その人の原因は同じではありません
年齢や糖尿病などの病気、喫煙、過度の飲酒、体重の状態などは流産のリスクに関わります。しかし、ある要因があることだけで、今回の流産がそのためだったと証明されるわけではありません。過去の行動を振り返って自分や相手を責める説明には使わないでください。
RCOGは、ストレスや妊娠中の性交が流産を起こすという証拠はないとしています。生活や仕事の調整が必要かは、症状や持病、担当医の指示に応じて相談します。気持ちを落ち着かせられなかったことを、治療の失敗と捉える必要はありません。
診断には超音波などを使い、経過確認が必要な場合があります
流産が疑われる場合は、超音波や必要に応じた血液検査などで評価します。時期が早いと一度の診察で確定できず、再診で確認することもあります。つわり、基礎体温、一つのhCG値だけで自己診断しないでください。
診断を確認してから、待機・処置などの選択肢と、予想される経過、緊急連絡先を相談します。妊娠の場所が確認されていない段階で「自然に終わるはず」と受診をやめないことも大切です。すでに処置や治療を受けていても、強い痛み、出血の増加、発熱や体調悪化などは診療先へ連絡してください。
繰り返す場合は、不育症の評価を相談します
こども家庭庁は、2回以上の流産や死産の既往を不育症として説明しています。妊娠反応のみ陽性で、超音波で胎嚢が確認されないまま終わる生化学的妊娠は、その流産回数には含めていません。ただし、これは相談や心の支援を受けられる回数の条件ではありません。
不育症では、抗リン脂質抗体や子宮の形などの評価を検討する場合がありますが、検査しても原因がはっきりしないことがあります。妊娠・流産の経過や持病に応じて、何を調べ、結果が治療にどう役立つかを尋ねてください。AMH、卵管造影や追加の免疫・内膜検査を、全員に同じセットで行うという意味ではありません。
体と心の回復は、急がず相談できます
悲しみ方や回復にかかる時間は、人によって違います。パートナーもつらさを感じることがあります。日常生活に支障がある、眠れない、気持ちを一人で抱えられないときは、産婦人科や身近な医療・相談窓口を頼ってください。原因がわからなくても支援を受けられます。
次の妊娠を考える時期は、出血や体調、行った治療、診察結果と気持ちを踏まえて相談します。次回必ず妊娠・出産できるという保証や、全員一律の待機期間はこの記事では示していません。検査・治療の費用は目的や保険・自費等の条件が異なるため、項目ごとの説明を確認してください。
出典と確認日
2026年10月30日に、こども家庭庁の不育症説明、RCOG早期流産(2026年10月更新)の採用節を確認し、同日確認済みのNHSの急ぎ症状の資料を再利用しました。個々の原因の診断、引用研究全体の評価、個別の医師監修は行っていません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。