胚移植後に眠くなっても、その症状だけで着床や妊娠の成否は判断できません。治療に使う薬の影響なども考えられますが、強い眠気をすべて「妊娠のよいサイン」「薬だから問題ない」と決めつけず、生活への影響と一緒に担当院へ伝えましょう。
眠気の有無や強さで、妊娠の結果はわからない
移植後には、眠気のほか、胸の張り・吐き気・お腹の違和感などが気になることがあります。これらは薬の影響などでも生じるため、症状の組み合わせや出始めた日から、着床した日を判断することはできません。眠くないことも、妊娠していない証拠にはなりません。
症状の記録は体調の相談には役立ちますが、妊娠の判定は担当院が指定した方法と日程で行います。自宅検査や症状だけで、その後の受診を省かないでください。
薬の名前・成分・使い方を確認する
不妊治療で使う薬は、成分も投与方法も一つではありません。たとえばデュファストン錠(ジドロゲステロン)のPMDA添付文書には、眠気・浮動性めまいなどが頻度不明の副作用として記載されています。頻度不明は「必ず起こる」「よく起こる」という意味ではありません。
注射・腟剤・内服という使い方だけで、眠気の強さを順位づけたり、すべて同じホルモン・代謝物の作用だと説明したりはできません。自分が使っている製品の説明書と処方時の案内を確認しましょう。
眠気対策のために、薬の時刻や量を自分で変えない
薬の使用時刻を就寝前へまとめる、注射を夜に変更する、腟剤へ替える、1回分を減らす、といった変更は、担当医・薬剤師に確認してから行います。薬が原因かもしれない場合も、治療の目的や他の症状を含めて相談してください。
使い忘れた分を一度に追加することや、眠気を打ち消す目的で市販薬・サプリメントを加えることも、自己判断では行わないでください。副作用時の中止・受診について個別の指示がある場合は、その内容を確認します。
運転や危険な作業に影響するなら、無理をしない
眠気やめまいで集中できない、うとうとしてしまう場合は、自動車の運転や危険を伴う作業を避け、安全な移動方法や休憩を確保してください。仕事への影響がある場合も、症状と作業内容を担当院へ伝えます。
休息をとることと、妊娠率を上げるために寝続けることは別です。眠気を我慢して普段どおりに動く必要はありませんが、移植後の長いベッド上安静が妊娠率を改善するとはいえません。活動について特別な指示があれば、その理由と期間を確認しましょう。
いつもの眠気と、意識がおかしい状態を分ける
呼びかけへの反応が悪い、意識が遠のく、強い息苦しさや胸の痛みがあるなどの場合は、単なる眠気として様子を見ず119番へ連絡してください。本人が運転して受診しないでください。
移植前後の強い腹痛・増える出血・発熱で具合が悪い、腹部の張りが増える・尿が少ないなどの症状も、速やかに医療機関へ伝えます。薬の影響か、採卵後の合併症など別の問題かを、このページや症状だけで見分けることはできません。
相談するときのメモ
- 移植日、採卵日、眠気が始まった時期と変化
- 実際の薬の名前・量・使用方法・使用時刻
- 市販薬、サプリメントなど併用しているもの
- 睡眠の状況、運転・通勤・仕事への影響
- めまい・痛み・出血・発熱など、ほかに気になる症状
記録が全部そろうまで相談を待つ必要はありません。症状がつらい場合や、薬の使い方がわからない場合は、処方元へわかる範囲を伝えてください。
確認した資料
- PMDA:デュファストン錠5mg・2025年1月添付文書(11.2 副作用など)
- Homerton Healthcare NHS:移植後の症状と薬、安静の考え方
- Cambridge University Hospitals:移植後の薬と連絡が必要な症状(2026年2月承認)
- NHS:IVFの合併症と緊急受診の症状
2026年10月23日に関連箇所を確認。製剤間の副作用の強さや共通の服用時刻を示すものではありません。変更の可否は処方医・薬剤師へ確認してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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