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ホルモン補充周期の胚移植|薬を使った移植方法

2026/4/22

ホルモン補充周期の胚移植|薬を使った移植方法

胚移植の方法には「ホルモン補充周期」と「自然周期」の2種類があります。その中でも多くのクリニックで採用されているホルモン補充周期は、外から薬でホルモンを補充して子宮内膜を整え、計画的に移植できる方法です。この記事では、ホルモン補充周期の仕組み・使用薬・スケジュール・費用について解説します。

この記事でわかること

  • ホルモン補充周期の基本的な仕組み
  • 使用する薬の種類と役割
  • 一般的なスケジュールの流れ
  • 自然周期との比較
  • 費用目安と保険適用

ホルモン補充周期とは——基本の仕組み

ホルモン補充周期(HRT周期)とは、排卵を薬で抑制したうえで、エストロゲンとプロゲステロンを外から補充して子宮内膜を整え、胚移植に最適なタイミングを人工的に作り出す方法です。自分の卵巣が排卵しなくても実施できるため、排卵障害のある方にも対応できます。

  • エストロゲン補充:子宮内膜を厚くする
  • プロゲステロン補充:内膜を着床に適した状態(分泌期)に変換する
  • GnRHアゴニスト(ブセレリン等)の使用:必要に応じて自己排卵を抑制し、周期をコントロールする

使用する主な薬と投与方法

ホルモン補充周期では複数の薬を組み合わせて使用します。施設や個人の状況によって使用薬は異なります。

薬の種類

主な製品例

投与方法

目的

エストロゲン製剤

エストラーナ®テープ、プロギノーバ®錠

貼付・内服

子宮内膜を増殖させる

プロゲステロン製剤

ルテウム®膣座薬、ウトロゲスタン®

膣内投与

内膜を分泌期に変換

GnRHアゴニスト

ブセレリン点鼻薬

点鼻

自己排卵を抑制

hCG製剤

注射(施設により使用)

注射

黄体機能の補助

エストラーナ®テープは腹部・臀部などに貼付します。貼り替えは1〜2日ごとが多く、貼り忘れや剥がれに注意が必要です。

一般的なスケジュールの流れ

ホルモン補充周期の標準的なスケジュールを示します。施設や個人の状況によって日数が異なる場合があります。

  1. 月経1〜3日目(周期スタート):基礎ホルモン検査・超音波検査。問題なければエストロゲン補充を開始
  2. 月経2〜14日目(内膜増殖期):エストロゲン製剤を継続。週1〜2回の診察で内膜の厚さを確認(目標:8mm以上)
  3. プロゲステロン開始日(移植5〜6日前):プロゲステロン製剤(膣座薬等)を開始。この日を「P0」とカウント
  4. P5またはP6(胚盤胞の場合):移植当日。内膜の厚さ・形態を超音波で最終確認後、融解した胚を移植
  5. 移植後2週間:エストロゲン+プロゲステロンを継続。判定日に血液検査(hCG値測定)
  6. 妊娠確認後:妊娠継続中は薬の継続が必要(妊娠8〜12週頃まで補充を続けることが多い)

ホルモン補充周期と自然周期の比較

どちらの方法が優れているかというよりも、患者の状況に応じて適した方法が異なります。

比較項目

ホルモン補充周期

自然周期

適している方

排卵障害・卵巣機能低下・スケジュール管理が必要な方

規則的な排卵がある方

使用薬

複数の薬が必要

少ない(または不要)

移植日の調整

比較的自由に計画できる

排卵日に左右される

妊娠率

研究によって差異あり(大きな差はないとされる)

同左

費用

薬代が多くかかる

薬代が少ない

副作用・注意点

ホルモン補充周期で使用する薬には、いくつかの副作用や注意点があります。

  • エストロゲン製剤:乳房の張り・むくみ・血栓リスク(長期大量使用時)・テープのかぶれ
  • プロゲステロン膣座薬:おりもの増加・膣内の不快感・挿入忘れによるホルモン不足
  • 全体として:だるさ・眠気・気分の変動を感じる方もいる

薬の使用中に強い症状(胸の痛み・脚のむくみ・激しい頭痛等)がある場合は速やかにクリニックに連絡してください。

費用目安と保険適用

2022年の不妊治療保険適用拡大により、胚移植に関連するホルモン補充は保険診療の対象になりました。

  • 保険適用:凍結融解胚移植(胚盤胞・初期胚とも)、関連薬剤は多くが保険適用
  • 自費になる場合:先進医療オプションを追加する場合など
  • 1周期の費用目安(自己負担3割の場合):診察・薬・移植費用合計でおよそ5万〜8万円程度(施設・状況により異なる)

保険診療では年齢・回数の上限制限があります(40歳未満:通算6回、40〜42歳:通算3回)。

よくある質問(FAQ)

テープを貼り忘れた場合はどうすればよいですか?

気づいた時点でできるだけ早く貼り直してください。次の貼り替え時刻が近い場合は担当クリニックに連絡して指示を仰いでください。貼り忘れが続くとエストロゲン値が低下し、内膜が薄くなる可能性があります。

膣座薬が脱落した場合はどうすればよいですか?

座薬が完全に脱落した場合、プロゲステロンの補充が不足する可能性があります。状況によりますが、担当医に連絡して指示を確認してください。就寝前の投与や、入浴後に挿入するなどして脱落を防ぐ工夫も有効です。

内膜の厚さが移植前日に8mmに達しない場合はどうなりますか?

内膜が薄い場合、クリニックの判断によってはエストロゲン量を増やす・移植を次周期に延期するなどの対応が取られることがあります。8mmは一つの目安ですが、5〜6mm台でも良好な妊娠例はあります。

妊娠した後、薬はいつまで続けますか?

妊娠が確認された場合も、胎盤が十分に機能するまで(一般的に妊娠8〜12週頃まで)ホルモン補充を継続します。自己判断で薬を中断すると流産リスクが高まる可能性があるため、担当医の指示に従ってください。

ホルモン補充周期で移植を繰り返すことへの体への負担はありますか?

一般的には適切な量・期間での使用であれば、繰り返しの周期でも大きな蓄積的な負担はないとされています。ただし長期間の繰り返しは精神的・身体的疲労につながるため、担当医と治療の継続方針を定期的に確認することをおすすめします。

まとめ

ホルモン補充周期の胚移植は、薬でホルモン環境を整え、計画的に移植タイミングを作れる方法です。

  • 排卵障害・卵巣機能低下の方にも対応できる
  • エストロゲン+プロゲステロンを組み合わせて使用する
  • 薬の使い忘れ・脱落に注意が必要
  • 2022年の保険適用拡大により多くの費用が3割負担になった

薬の種類・スケジュールはクリニックによって異なります。疑問点や不安は診察時に遠慮なく確認し、正しい方法で治療を継続してください。

次のステップ・受診のご案内

ホルモン補充周期について詳しく聞きたい方や、現在の治療法を見直したい方は担当クリニックへご相談ください。

免責事項

この記事は医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療方針の決定を行うものではありません。具体的な症状や治療については、必ず担当医師にご相談ください。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、医学的知見の更新により変更になる場合があります。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/22更新:2026/5/2