
妊娠前に受けるべき検査(プレコンセプションチェック)を一覧で知りたい方へ。風疹抗体検査・甲状腺機能検査・性感染症検査など、妊娠前に確認しておきたい項目は多岐にわたります。検査を受けるタイミングは、妊娠を希望する3〜6か月前が目安とされています。本記事では、女性が受けるべき検査と男性側の検査を網羅的にまとめ、費用の目安や自治体の助成制度まで解説します。まずはご自身に必要な検査を把握するところから始めましょう。
この記事のポイント
- 妊娠前に受けておきたい検査は8項目以上。風疹抗体・甲状腺・性感染症・子宮がん検診が特に重要とされている
- 費用は自費で合計1万〜3万円程度が目安。自治体によっては無料〜助成ありの検査も多い
- 男性側の検査(精液検査・感染症検査)もパートナーと一緒に受けることが推奨されている
妊娠前検査(プレコンセプションチェック)とは何か
プレコンセプションチェックとは、妊娠前に母体の健康状態や感染症リスクを確認し、安全な妊娠・出産に備えるための検査群を指します。日本産科婦人科学会や厚生労働省も、妊娠を希望する段階での健康管理を推奨しています。
妊娠してから判明する疾患やリスク因子のなかには、事前に対処可能なものが少なくありません。たとえば風疹抗体が不十分な場合、妊娠前にワクチンを接種しておけば先天性風疹症候群のリスクを大幅に下げられるとされています。
受診の目安は妊娠希望の3〜6か月前。ワクチン接種後に避妊期間が必要なケースもあるため、早めの行動が望ましいでしょう。
妊娠前に受けるべき検査の一覧表
妊娠前に受けておきたい主な検査は以下の通りです。すべてを一度に受ける必要はなく、かかりつけ医と相談して優先度を決めましょう。
検査名 | 目的 | 費用目安(自費) | 受診科 |
|---|---|---|---|
風疹抗体検査 | 先天性風疹症候群の予防 | 無料〜3,000円(自治体助成あり) | 婦人科・内科 |
甲状腺機能検査(TSH・FT4) | 甲状腺疾患による流産・早産リスクの評価 | 3,000〜5,000円 | 婦人科・内科・内分泌科 |
性感染症検査(クラミジア・梅毒・HIV等) | 母子感染・不妊原因の早期発見 | 3,000〜8,000円 | 婦人科・泌尿器科 |
子宮がん検診(子宮頸がん) | 子宮頸がんの早期発見 | 無料〜2,000円(自治体検診) | 婦人科 |
血液検査(貧血・血液型・血糖値) | 貧血・糖尿病・Rh不適合の確認 | 2,000〜5,000円 | 婦人科・内科 |
B型肝炎・C型肝炎検査 | 母子感染の予防 | 2,000〜4,000円 | 婦人科・内科 |
超音波検査(経腟エコー) | 子宮筋腫・卵巣嚢腫など器質的異常の確認 | 2,000〜5,000円 | 婦人科 |
歯科検診 | 歯周病による早産・低体重児リスクの評価 | 無料〜3,000円(自治体助成あり) | 歯科 |
上記の合計費用は、自費の場合おおむね1万〜3万円程度。自治体の助成制度を活用すれば、大幅に抑えられる場合があります。
風疹抗体検査の重要性と流れ
風疹抗体検査は、妊娠前検査のなかで最も優先度が高い項目の一つです。妊娠初期に風疹に感染すると、胎児に先天性風疹症候群(難聴・心疾患・白内障など)が発生するリスクがあるとされています。
検査の流れ
- 採血でHI抗体価を測定(結果は数日〜1週間程度)
- 抗体価が8倍未満の場合、MRワクチン(麻疹風疹混合)の接種が推奨される
- ワクチン接種後は約2か月間の避妊が必要
費用と助成制度
多くの自治体では、妊娠を希望する女性やそのパートナーに対して風疹抗体検査を無料で実施しています。ワクチン接種費用も一部〜全額助成の対象となっている自治体が多いため、お住まいの市区町村のホームページを確認しましょう。
厚生労働省の「風しんの追加的対策」では、1962年4月2日〜1979年4月1日生まれの男性を対象に、無料の抗体検査とワクチン接種が実施されています。該当する場合はパートナーにも受検をすすめるとよいでしょう。
甲状腺機能検査で確認すべきこと
甲状腺ホルモンの異常は、不妊・流産・早産のリスク因子として知られています。日本甲状腺学会のガイドラインでも、妊娠前および妊娠初期のスクリーニングが推奨されている項目です。
検査項目と基準値の目安
項目 | 概要 | 妊娠前の管理目標 |
|---|---|---|
TSH(甲状腺刺激ホルモン) | 甲状腺機能の中枢制御を反映 | 2.5 mIU/L以下が望ましいとされる |
FT4(遊離サイロキシン) | 甲状腺から分泌されるホルモン量を反映 | 基準範囲内 |
抗TPO抗体 | 橋本病などの自己免疫性甲状腺疾患の指標 | 陽性の場合は経過観察が必要 |
異常が見つかった場合
甲状腺機能低下症(橋本病など)が判明した場合、レボチロキシン(チラーヂンS)による補充療法で妊娠前にTSH値をコントロールすることが一般的です。バセドウ病が見つかった場合は、治療の安定後に妊娠を計画することが推奨されています。
いずれも内分泌科や婦人科で経過をみながら対応できるため、数値に異常があっても過度な心配は不要です。
性感染症検査と子宮がん検診の詳細
性感染症(STI)は無症状のまま進行するケースが多く、妊娠前に検査しておかないと母子感染や不妊の原因となる可能性があります。子宮頸がん検診も、妊娠中の治療選択肢が限られるため事前に受けておくことが大切です。
性感染症検査の主な項目
- クラミジア:無症状の感染者が多く、卵管閉塞による不妊の原因になり得る。尿検査またはおりもの検査で判定
- 梅毒:近年、国内の感染報告数が増加傾向。母子感染(先天梅毒)を防ぐために採血で確認
- HIV:母子感染予防のために妊娠前の検査が推奨されている。採血で判定
- B型肝炎:出産時の母子感染リスクがあり、HBs抗原検査で確認
子宮頸がん検診
20歳以上の女性は2年に1回の子宮頸がん検診が推奨されています。細胞診(パップテスト)で異常が見つかった場合、コルポスコピーや組織診による精密検査に進みます。妊娠前に異常を把握できれば、治療の選択肢が広がるメリットがあります。
自治体の検診制度を利用すれば、自己負担なし〜数百円で受けられる場合がほとんど。最近受けていない方は、この機会にまとめて受診するのが効率的でしょう。
男性が受けるべき妊娠前検査
妊娠前の検査は女性だけのものではありません。WHO(世界保健機関)の報告によると、不妊の原因の約半数に男性側の因子が関与しているとされています。パートナーと一緒に検査を受けることが妊娠への近道です。
男性向けの主な検査
検査名 | 目的 | 費用目安 |
|---|---|---|
風疹抗体検査 | パートナーへの感染予防 | 無料(自治体助成対象の場合) |
性感染症検査(クラミジア・梅毒・HIV等) | パートナーへの感染予防・不妊因子の排除 | 3,000〜8,000円 |
精液検査 | 精子の数・運動率・形態の評価 | 3,000〜5,000円 |
精液検査の受け方
精液検査は泌尿器科や不妊専門クリニックで受けられます。2〜7日間の禁欲期間をおいて採取するのが一般的です。検査結果は1回だけでは変動が大きいため、異常値が出た場合は再検査を受けることが推奨されています。
「男性が婦人科に行きにくい」という声は少なくありませんが、泌尿器科でも対応可能。郵送型の精液検査キットも市販されており、まずはスクリーニングとして活用する方法もあります。
検査費用と自治体の助成制度
妊娠前検査の多くは保険適用外(自費)となりますが、自治体の助成制度や国の事業を利用すれば経済的負担を抑えられます。まずはお住まいの自治体の制度を確認しましょう。
主な助成制度
- 風疹抗体検査・ワクチン接種:ほとんどの自治体で無料〜一部助成。対象年齢や条件は自治体により異なる
- プレコンセプションケア検査費助成:東京都や一部自治体で、妊娠前検査にかかる費用の助成事業を実施。上限額は1万〜2万円程度
- 子宮頸がん検診:20歳以上の女性を対象に、2年に1回無料〜数百円で受診可能
- 特定健康診査(特定健診):40歳以上が対象だが、血液検査・血糖値・脂質検査が含まれ、妊娠前の健康チェックとしても活用できる
費用を抑えるためのポイント
- 自治体のホームページで「プレコンセプションケア」「妊娠前検査 助成」を検索する
- 風疹抗体検査は自治体窓口で無料クーポンが発行される場合がある
- 婦人科でまとめて検査を依頼すると、個別に受けるより費用が抑えられることが多い
- 会社の健康診断結果で代用できる項目(貧血・血糖値など)がないか確認する
よくある質問
Q. 妊娠前検査はいつ頃受けるのがベストですか?
妊娠を希望する3〜6か月前が目安とされています。風疹ワクチン接種後は約2か月の避妊期間が必要なため、余裕をもったスケジュールが望ましいでしょう。
Q. どこの病院で受けられますか?
婦人科・産婦人科で多くの項目をまとめて受けられます。「ブライダルチェック」や「プレコンセプションチェック」の名称でセットメニューを提供しているクリニックもあるため、事前に問い合わせるとスムーズです。
Q. ブライダルチェックとプレコンセプションチェックの違いは?
明確な定義の違いはありませんが、ブライダルチェックは結婚前の健康診断として広く行われ、プレコンセプションチェックは妊娠を具体的に計画している方向けの検査を指すことが多いとされています。内容はクリニックによって異なります。
Q. 検査で異常が見つかったらどうなりますか?
異常が見つかった場合は、妊娠前に治療や対処を行うことが可能です。たとえば甲状腺機能低下症であれば内服薬でコントロールし、クラミジア感染であれば抗菌薬で治療してから妊娠を計画するのが一般的な流れとなります。
Q. 男性も検査を受けるべきですか?
受けることが推奨されています。不妊原因の約半数に男性因子が関わっているとされており、風疹抗体検査は母子の安全のためにもパートナーの受検が望まれます。精液検査も含め、カップルで受診する方が増えています。
Q. 保険は適用されますか?
妊娠前の検査は原則として自費診療です。ただし、甲状腺疾患や性感染症など、疾患の疑いがあって医師が検査を指示した場合は保険適用となることがあります。自治体の助成制度も併用できるため、窓口で確認しましょう。
Q. 検査結果が出るまでどのくらいかかりますか?
血液検査は1週間前後、子宮頸がん検診の細胞診は2週間程度が一般的です。クリニックによって即日対応の検査項目もあるため、急ぎの場合は予約時に確認することをおすすめします。
まとめ
妊娠前に受けるべき検査は、風疹抗体・甲状腺機能・性感染症・子宮がん検診を中心に8項目以上にわたります。妊娠を希望する3〜6か月前の受診が望ましく、男性パートナーも一緒に受けることで妊娠・出産のリスクをより広くカバーできるでしょう。
費用は自費で1万〜3万円程度が目安ですが、自治体の助成制度を活用すれば負担を軽減できます。まずはお住まいの市区町村の助成情報を確認し、かかりつけの婦人科に相談してみてください。
本記事の内容はあくまで一般的な情報であり、個別の判断は必ず主治医にご相談ください。
妊娠前検査の受診を検討中の方へ
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の治療法を推奨するものではありません。症状や治療については、必ず担当医にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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