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精子運動率が低いと言われたら|参照値・再検査と治療の相談

2026/4/19

更新:2026/11/3

精液検査で精子運動率が低いと言われても、一つの数値だけで妊娠の可能性や原因、必要な治療法が決まるわけではありません。検査票全体と採取条件、体調や病歴を持参して、男性不妊を診る泌尿器科等へ相談してください。

生活習慣を整えることと、原因の評価を進めることは並行できます。サプリを数か月試してから受診しなければならない、という順番ではありません。

結果を聞いた後の確認事項

状況・確認すること対応や相談のポイント
運動率が低いと言われた前進運動率か総運動率か、検査票の項目と参照範囲を確認します
初めての検査だった採取条件・体調・薬を伝え、必要な再検査と診察の予定を聞きます
動く精子がほぼないと言われた精子の数や生存性等の評価を確認し、数値だけでICSI・TESEを決めません
サプリを始めたい成分・含有量と期待する結果を伝え、診療を遅らせず必要性を相談します
男性ホルモンを勧められた現在・将来の妊娠希望を処方医に伝え、治療の目的と選択を確認します
妊娠を希望して期間が経っている本人の検査とパートナーの評価を並行し、二人の状況から方針を相談します

前進運動率と総運動率は、同じ数値ではありません

前進運動率(PR)は前へ進む精子の割合、総運動率(PR+NP)は前進する精子と、動いていても前へ進まない精子を合わせた割合です。「運動率」という略称だけで、別の項目を比較しないでください。

EAUの現掲載指針が紹介するWHO第6版・2021年の下側参照値は、前進運動率30%、総運動率42%です。これは参照集団の分布に基づく値であり、下回ったら妊娠できない、上回れば妊娠できるという合否の境界ではありません。EAU:精液の検査項目と参照値の意味

濃度、精液量、総精子数等のほかの結果、本人とパートナーの状況を合わせて解釈します。「前進運動率30%未満」という条件だけで、病名・重症度と治療法を自己判断しないでください。

採取の条件と再検査の必要性を聞きます

こども家庭庁の説明も、精液の状態は体調や禁欲期間等で変動するとしています。採りこぼし、採取から提出までの時間、発熱等の体調、処方薬やサプリを含む使用中のものを伝えます。次の採取方法は検査施設の指示で確認してください。こども家庭庁:男性不妊の検査と問診

EAU指針は、初回の精液所見が異常だった場合に繰り返し検査するよう勧めています。本人が一律に2〜3回受ければ診断が済むという意味ではありません。再検査の時期や、その前に必要な診察は医師と相談します。

低い原因は、運動率だけから特定できません

問診や診察では、精巣や精索静脈瘤等の状態、感染症や手術の既往、薬、生活の状況を確認します。必要に応じて、ホルモンや超音波、遺伝学的検査等を検討しますが、全員が同じ検査一式を受けるわけではありません。

「原因の30〜40%はこれ」「多くは遺伝と関係ない」と、一般の割合から本人の原因や子どもへの影響を決め付けないでください。遺伝学的な評価が必要な場合は、その目的と分かる範囲について説明を受けます。

生活を整えることと、妊娠・出産への効果を分けます

禁煙、過度な飲酒を減らすこと、本人の状態に合う運動や体重管理は、一般の健康と妊娠前のケアのために相談できます。精液所見に良い変化があることと、本人が一定期間で妊娠・出産に至ることは同じではありません。

「全員1日2杯以下なら安全」「週3〜5回の運動や3〜6か月の生活改善で必ず数値が上がる」という共通の処方にはしません。治療が必要な原因の評価や、パートナーの年齢等を踏まえた相談を、その期間だけ先延ばしにしないでください。EAU:生活習慣と男性不妊の管理

サプリは、特定の成分・量を全員に勧められるものではありません

EAU指針は、抗酸化サプリの研究結果には違いがあり、研究の質や妊娠・出産の結果について不確実性があると説明しています。原因不明の男性不妊に、抗酸化薬等を一律に使うことも勧めていません。

L-カルニチン1〜3g、CoQ10 200〜600mg等の量を、この記事から本人の用量として選ぶことはできません。「安全性が高いから毎日使えばよい」と一括りにせず、製品の成分・含有量、薬や病歴とともに医師・薬剤師へ必要性を相談します。全員に無効と断定するものでもありません。

低テストステロンの治療と、男性不妊の治療を混同しません

ホルモンの値が低いという理由だけで、自分で男性ホルモンを補えばよいとは判断しないでください。EAUは、男性不妊の治療のためにテストステロン療法を使わないよう勧めています。現在だけでなく将来の妊娠希望も、処方前に伝えることが大切です。EAU:妊娠希望がある人とテストステロン療法

一方、原因に応じて別のホルモン治療等を検討する場合はあります。すでに処方されている薬を自己中止・変更せず、目的、妊娠への影響と選択肢を処方医に確認してください。

IUI・IVF・ICSI等は、運動率の区分だけで選びません

「前進運動率20〜30%なら人工授精、10%未満なら顕微授精」といった表だけで方針を決めることはできません。精子の数や動き、生存性、これまでの妊娠・治療、パートナーの状態や本人たちの希望も踏まえて相談します。

動いていない精子が多い状態と、精子が見つからない状態も別です。「ほぼ動かないから精巣から採取する」と飛躍せず、必要な評価の説明を受けます。いずれの方法も妊娠・出産を保証するものではありません。

受診時には、検査票と本人が気にしていることを持参します

過去の結果、採取日と条件、体調・病歴、処方薬・サプリ、妊娠を希望した期間をまとめます。費用は診察、再検査、追加検査や治療の内訳と、本人の診療での保険の扱いを確認してください。

検査の結果は本人の価値や責任を示すものではありません。結果をどう伝えるか、通院や治療をどこまで進めるかについても相談し、パートナーと必要な支えを考えられます。

原典と確認日

2026年11月3日に参考資料を確認しました。EAUの現掲載男性不妊指針、2026年版の序文・テストステロンに関する採用節、こども家庭庁の2026年1月更新の男性不妊説明を確認しました。

参照値は2021年版に基づく値として区別し、全2026年研究・全薬剤や国内施設の料金を監査したものではありません。参考資料の改訂日とは別です。個別の医師監修はありません。

免責事項

一般的な情報です。診断や治療の判断は、医師等の医療者へ相談してください。緊急性のある症状では予定の受診日を待たずに連絡してください。

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公開:2026/4/19更新:2026/11/3