妊活を始めるとき、乳がん検診をいつ受けるか気になることがあります。まず、乳房の症状があるか、前回の結果が要精密検査ではないかを確認してください。妊活前に一度検査すれば、妊娠・授乳中の乳がんや治療を必ず避けられるわけではありません。
症状や前回の結果で、受診の目的を分けます
| 状況 | 確認する行動 |
|---|---|
| しこり、乳房のひきつれ、血の混じる乳頭分泌、ただれなど | 検診の予約を待たず、乳腺外科などで症状の診療を受ける |
| 検診結果が要精密検査 | 半年〜1年を自己判断で待たず、案内に従って精密検査を受ける |
| 自覚症状がなく、通常の検診を考えている | 年齢と前回の検診時期、妊娠の可能性などを伝えて受診方法を確認する |
症状のない人の検診は、40歳から2年ごとが基本です
国立がん研究センターの案内では、乳がん検診は40歳から2年に1度のマンモグラフィが基本です。検診には、死亡を防ぐ利益に加え、見逃し、がんではないのに精査が必要になること、過剰診断などの不利益もあります。若い人全員に妊活を理由として同じ検査を追加する説明はしません。
家族のがんの病歴や、病的な遺伝子変化が確認されている場合などは、通常の検診と別の方針が必要なことがあります。年齢だけで自分の検査方法を決めず、これまでの結果と家族の診断・年齢を伝え、専門の担当者と相談してください。国立がん研究センター:乳がん検診について
マンモグラフィと超音波は、役割と限界が違います
マンモグラフィは乳房を圧迫して撮影するX線検査で、小さな病変や微細な石灰化を見つけるために使います。乳腺が密な高濃度乳房では、病変が見つかりにくいことがあります。
超音波は放射線を使わず、しこりの性状などの評価に役立ちます。診療では目的に応じて組み合わせますが、症状のない人の検診で、全員が超音波を追加すればよりよい結果になるとは限りません。
「30代なら超音波だけ」「高濃度乳房ならマンモグラフィは不要」と自己判断しないでください。国立がん研究センター:乳がんの検査
妊娠の可能性・治療予定は予約前に伝えます
妊娠中、妊娠の可能性がある、授乳中の場合は、そのことを予約時と検査前に伝えます。不妊治療中なら、移植などの予定や使用薬も分かる範囲で伝え、検診を今受けるか、別の時期にするかを担当施設と相談します。
マンモグラフィはX線を使います。元の線量の単位や照射範囲をそろえないまま、胸部X線の何分の一という比較で安全を保証することはできません。気になる場合は、検査の必要性と方法を医師・検査担当者に聞いてください。
妊娠・授乳中にしこりなどがある場合は、検診を受けられる時期まで放置せず、乳腺外科で診療を受けます。国立がん研究センターは、妊娠中でも超音波検査が可能と説明しています。必要な検査の選択を、検診の受け入れ条件と同じには扱いません。
要精検は、がんの確定でも、経過観察の指示でもありません
要精密検査は、追加の検査で確認する必要があるという結果です。がんと確定したわけではありませんが、症状がなくても案内に従って受診してください。「カテゴリー3だから6か月〜1年待てばよい」と読み替えることはできません。
精密検査では、画像の追加撮影、超音波、細胞や組織の検査などを、所見に応じて行います。その評価後に医師から経過観察を指示された場合は、次の時期と症状が変わったときの連絡先を確認します。検診で異常なしでも、新しい症状があれば次の検診を待ちません。
予約時に確認するとよいこと
- 症状の有無、前回の検診結果、精密検査の指示
- 妊娠・授乳や不妊治療の予定、乳房の病歴・手術・埋め込み機器など
- 自治体や職場の検診対象、補助、本人負担と追加検査の費用
- 結果の通知方法、受け取る時期、精査を受ける先
検診費用は地域や補助の条件で異なり、無料や一定額とは限りません。症状の診療や精密検査は検診と目的・扱いが違うため、受診先に確認します。前回の結果や画像があれば、持参方法も聞いてください。
出典と確認日
2026年10月27日に、国立がん研究センターの乳がん検診(更新・確認日2024年9月20日)と乳がんの検査(同2023年7月5日)の採用部分を確認しました。検診と症状の診療、個人のリスクに応じた相談を区別しています。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。