不育症で凝固系や血栓性素因の検査を勧められたら、「どの項目を、何のために測るか」を確認しましょう。検査には複数の種類があり、血栓症を防ぐための評価と、流産などとの関連を調べる評価は同じではありません。すべての不妊・不育症の人に、同じ一式を必須とするものではありません。
国内提言では、検査を選んで行います
| 検査の例 | 国内提言2025での考え方 |
|---|---|
| プロテインS | 不育症との関連を示すデータと限界を踏まえた選択的検査。測定する項目・方法を確認する |
| 第XII因子凝固活性 | 関連について議論があり、選択的検査に位置付ける |
| プロテインC・アンチトロンビン | 不育症全員のスクリーニングとして広げず、血栓症の既往・家族歴などから検討する |
| 抗リン脂質抗体 | 上記の因子と同じ検査ではない。妊娠・血栓症の経過と抗体の検査を合わせてAPSを評価する |
「不育症管理に関する提言2025」は、先天性の血栓性素因を一律に調べない海外の考え方も紹介したうえで、日本人のデータを踏まえて選択的検査を整理しています。
海外で一律に勧めないという記載だけで国内の個別の必要性を否定したり、反対に国内で選択的だから全員に必要としたりはできません。こども家庭庁公開:不育症管理に関する提言2025、PDF23〜25頁(冊子22〜24頁)
検査の異常は、そのまま流産の原因ではありません
検査値と流産などの関連が示されること、原因が確定すること、その結果に対する治療で出産の可能性が上がることは別です。国内提言にも、研究の結果が一致しないことや、少数例のデータなどの限界が示されています。個人の結果を、研究の割合だけで予測しないでください。
結果が出たら、採血した時期、使っている薬、持病や血栓症の経過、過去の妊娠について説明します。再確認が必要か、どの検査と合わせて解釈するかを聞いてください。「低い項目が一つあれば同じ薬」という判断にはできません。
過去の血栓症や家族歴を伝えてください
自分や家族に血栓症の経験がある、診断された病気や検査異常がある場合は、妊娠前から相談できます。以前の検査票や診療情報があれば持参し、産婦人科と必要な専門科で、妊娠時の管理も含めて検討します。
今、急な胸痛・息苦しさ、片脚の強い腫れや痛みなどがある場合は、検査予約を待たず医療機関に相談してください。急な呼吸困難、失神など切迫した状態は119へ助けを求めます。記事だけで血栓症かどうかを判定することはできません。
抗凝固薬などは、診断と目的を確認して使います
アスピリンやヘパリンなどは、全員共通の流産予防薬ではありません。診断や経過から使う目的、期待する利益、出血などの不利益、妊娠・処置に合わせた予定を相談します。自己判断で開始・増量・中止しないでください。
着床不成功と不育症の診療も分けます。ASRMの2026年の着床不成功の文書は、その状況で抗凝固療法を一律に使う根拠は不十分としています。持病の治療や、診断されたAPSへの管理まで否定する説明ではありません。ASRM:着床不成功における血栓性素因・抗凝固療法
追加検査を受ける前の質問
- 正式な項目名と、今回測る理由。血栓症の評価か、不育症の評価か
- 自分の場合、陽性・低値などが出たら治療がどう変わるか
- 結果を確かめるための再検査や、過去の結果の利用が必要か
- 費用、保険・自費の範囲、説明日と妊娠した場合の連絡方法
検査の数を増やす前に、得られる情報と次の判断を確認することが大切です。一般不妊検査の費用や月経周期の一覧を、そのまま今回の検査の所要期間・保険条件には使いません。
出典と確認日
2026年10月27日に国内提言2025の74頁中23〜25頁の本文・画像と、ASRM2026の採用節を確認しました。血栓を疑う症状は確認済みRCOGの術後回復案内も参照しています。全原典の読了や本記事の個別の医師監修ではありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。