HPV検査は感染を調べる検査、HPVワクチンは対象となる型の感染を予防する接種です。検査で陽性になった人のHPVを、ワクチンで取り除くことはできません。検査後に必要な確認と、これからの予防を分けて相談しましょう。
HPV検査・細胞診・ワクチンは、役割が異なります
| 方法 | 主な役割 |
|---|---|
| HPV検査 | 子宮頸部の検体で高リスク型HPVの感染を調べる |
| 子宮頸部の細胞診 | 採取した細胞に異常な変化がないか調べる |
| HPVワクチン | 対象となる型の感染と、それによる病気を予防する |
HPV陽性でも、がんと決まったわけではありません
HPV(ヒトパピローマウイルス)は皮膚や粘膜に感染するウイルスです。子宮頸がんに関係する高リスク型などがあります。感染しても全員ががんになるわけではありませんが、長く感染が続く場合は、細胞の変化を確認していくことが大切です。
住民検診のHPV検査単独法で陽性なら、同じ検体の残りを使った細胞診の結果と合わせて判定します。「要追跡精検」なら1年後のHPV検査、「要確定精検」なら速やかな専門医療機関での精密検査など、結果で次の対応が異なります。
本人の結果票の案内を確認してください。症状がある場合は、その時期を待たず婦人科へ相談します。がん情報サービス:HPV検査の判定とその後
9価ワクチンは、対象となる9種類の型を予防します
9価HPVワクチンは、子宮頸がんに関連する7種類と、尖圭コンジローマなどに関わる型を含む9種類を対象とします。すべてのHPV型を防ぐわけではなく、すでに成立した感染を排除する治療でもありません。接種していても、対象と間隔に沿って子宮頸がん検診を受ける必要があります。
初めての性交渉より前の接種が望ましいとされますが、接種するかどうかは年齢、接種歴、本人の状況に応じて医療者と相談します。ワクチンの効果を、本人が絶対に感染・発症しないという保証として受け取らないようにしましょう。PMDA:シルガード9の効能・効果と注意
副反応と、体調が変わった場合の連絡先を聞きます
接種した場所の痛み・腫れ、発熱などが起きることがあります。注射による痛みや緊張などで失神することもあり、転倒を避けるため接種後は医療機関の指示に従って休みます。接種前に、過去のアレルギー、持病、服薬、妊娠の可能性などを伝えてください。
接種後に気になる症状があれば、接種した医療機関やかかりつけ医へ相談します。呼吸が苦しい、意識が悪いなどの急な重い症状は、救急での対応が必要です。続く痛みやしびれなども我慢せず相談してください。
まれな重い副反応の可能性と、接種後に報告された症状の因果関係は分けて評価されます。厚生労働省:効果・副反応・相談先
2026年度の定期接種と、過去のキャッチアップを区別します
国の定期接種の対象は小学6年から高校1年相当の女子です。2026年4月から、定期接種で使うワクチンは9価です。接種回数や間隔は、初回接種の年齢や過去に使ったワクチンなどによって変わるため、記録を持って医療機関へ相談してください。
国のキャッチアップ接種の初回期限は2025年3月31日、対象者の残りの接種を公費で受ける経過措置は2026年3月末が期限で、この記事の確認時点では過ぎています。
過去の案内だけを見て、現在も同じ公費条件で受けられると判断しないでください。現在の定期接種、自治体独自の助成、任意接種の費用を区別して、お住まいの自治体へ確認します。厚生労働省:キャッチアップ接種と経過措置の期限
男性も接種を相談できますが、公費の条件は別です
男性にもHPVは感染します。9価ワクチンは男性への接種も可能で、添付文書上は9歳以上が対象です。ただし、承認された接種対象と、国の定期接種・自治体の費用助成の対象は同じではありません。本人の年齢や接種歴に合った方法・費用を医療機関へ相談してください。
自治体独自に男性の任意接種を助成する例があります。例えば目黒区は、区内に住民登録のある小学6年から高校1年相当の男性について、区内契約医療機関での接種を対象としています。
この条件を全国共通とは考えず、居住地の対象年齢・ワクチン・医療機関・申請方法を確認します。目黒区:男性へのHPVワクチン任意接種費用助成(地域の一例)
参考資料
2026年10月28日に資料を確認しました。接種を受けるか、必要な検査や費用の条件は本人の状況に合わせて相談してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。