妊娠15週に出血や腹痛があっても、それだけで流産とは判断できません。一方、週数だけで安全と言い切ることもできません。日本では妊娠22週未満に妊娠が終了することを流産といい、12週以降22週未満は後期流産に区分されます。気になる症状は、自己判断で待たず、かかりつけの産婦人科へ連絡してください。
出血・腹痛・水が流れる感覚があるときは連絡します
出血、続く腹痛や張り、水のようなものが流れる感覚、発熱、悪臭のある分泌物などがある場合は、かかりつけへ速やかに相談してください。「茶色で少量だから様子見」「熱が決まった温度より低いから待てる」と、自分だけで決めないでください。
大量の出血、強い・悪化する痛み、意識が遠のく、動けないなどの重い症状では救急受診が必要です。呼吸・意識に異常がある場合は119番へ。連絡時には妊娠週数、症状の開始時刻、出血の量、痛む場所、発熱や水様の分泌物の有無を伝えます。
「15週なら約1%」という数字で自分の経過を判定しない
流産の割合は、どの集団を、妊娠のどの時点から、どの期間まで調べたかによって変わります。年齢や既往歴、現在の診察結果も異なるため、出典や分母の不明な週数別の表を個人の確率として使うことはできません。
「安定期」という言葉は、症状を無視してよいという意味ではありません。出血や痛みがあるときは、その日の体調と診察で確認します。反対に、症状がないことや、まだ胎動を感じないことだけで流産と判断することもできません。
胎動を感じ始める時期には個人差があり、NHSの一般向け案内では妊娠16〜24週とされています。15週で感じないことを診断の基準にはできません。すでに感じていた動きの変化などが心配な場合も、自己流の回数判定や家庭用機器で済ませず、産婦人科へ相談してください。
頸管が短いと言われたら、数値以外の条件も聞きます
子宮頸管の状態、以前の流産・早産や手術の経過、出血、感染、破水の有無などによって、評価や治療は変わります。頸管長の一つの値だけで、必ず流産する、必ず縫縮術をする、と決まるものではありません。
RCOGの現行案内でも、状況に応じて縫縮術、薬、経過の観察などの選択肢を話し合い、感染や出血、陣痛・破水がある場合には手術を勧めないことがあると説明しています。英国の対象基準や薬の用法を国内一律の指示として使わず、担当医に自分の所見と方針を確認してください。
仕事や日常生活の調整、次の診察時期、症状が変わったときの連絡先も聞いておくと役立ちます。自己判断の薬や安静だけで、すべての流産を防げるわけではありません。
流産と診断された場合は、方法と支援を一つずつ確認する
妊娠15週の流産への対応は、初期の流産と同じ説明だけでは決められません。診断と体の状態を確認したうえで、入院や子宮収縮を促す処置などを含め、医療機関から説明を受けます。方法、痛みへの対応、予想される経過、追加処置の可能性、退院後の連絡・再診を確認してください。
入院日数や次の妊娠までの待機期間を、すべての人に一律には示せません。原因や行った処置、体調、本人の希望に応じて相談します。気持ちの回復を急ぐ必要はなく、パートナーを含め利用できる心理相談や支援について聞いて構いません。
医学上の区分と、届出・休業・給付の条件は別です
日本の医学上の「流産」は22週未満ですが、妊娠12週以降の流産でも死産届の対象になります。死産の届出に関する規程では、死産後7日以内の届出が定められています。診断書等、届出や火葬に必要な手続きは、医療機関と自治体へ確認してください。
妊娠4か月以降の流産・死産を経験した女性労働者には、原則8週間の産後休業の規定があります。6週間経過後の例外には本人の請求と医師の判断が必要です。健康保険の出産育児一時金や出産手当金は、それぞれ加入・給与等の条件があり、休業の規定とは別に確認します。
参考にした資料

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。