エストラジオール(E2)基準値|年齢別の正常範囲と高い・低い場合の意味
2026/4/11

エストラジオール(E2)はエストロゲン(卵胞ホルモン)の主要な形態で、月経周期の調節や卵胞発育に不可欠なホルモンです。この記事では、エストラジオールの基準値、年齢・時期別の正常範囲、高い・低い場合の意味を解説します。
📋 この記事の目次
この記事のポイント
- E2は月経周期の時期によって大きく変動する
- 卵胞期初期は20〜80 pg/mL、排卵前は200〜400 pg/mL
- 閉経後は10 pg/mL以下に低下する
エストラジオール(E2)の基準値
時期 | E2基準値(pg/mL) |
|---|---|
卵胞期初期(月経中) | 20〜80 |
卵胞期後期 | 100〜300 |
排卵直前(LHサージ時) | 200〜400 |
黄体期 | 100〜250 |
閉経後 | 10以下 |
妊娠初期 | 1,000〜5,000 |
妊娠後期 | 10,000〜30,000 |
E2が高い場合に考えられること
- 卵巣過剰刺激症候群(OHSS):排卵誘発中にE2が急上昇した場合
- エストロゲン産生腫瘍:卵巣腫瘍の可能性
- 肝機能障害:エストロゲンの代謝が低下
- 肥満:脂肪組織でのエストロゲン変換が増加
E2が低い場合に考えられること
- 卵巣機能低下:AMH低値と合わせて卵巣予備能の低下を示唆
- 早発卵巣不全(POI):40歳未満で閉経に近い状態
- 視床下部性無月経:過度なストレスやダイエットが原因
- 下垂体機能低下症:FSH・LHの分泌不足
不妊治療におけるE2の役割
卵胞モニタリング
体外受精の排卵誘発中は、E2値で卵胞の成熟度を評価します。成熟卵胞1個あたりE2は約200〜300 pg/mLとされ、採卵のタイミング決定に重要な指標です。
凍結胚移植前のホルモン補充
ホルモン補充周期では、エストラジオール製剤で子宮内膜を十分に厚くしてから胚移植を行います。E2値と内膜の厚さを確認しながら移植日を決定します。
よくある質問(FAQ)
Q. E2はいつ測定すべきですか?
A. 目的によって異なります。基礎的な評価は月経3日目頃(卵胞期初期)に行います。排卵誘発中は経時的に測定します。
Q. E2とLH・FSHの関係は?
A. E2が上昇すると下垂体へのフィードバックでFSHが低下し、一定レベルを超えるとLHサージが誘発されて排卵が起こります。3つのホルモンは密接に連動しています。
Q. 閉経が近いとE2はどうなりますか?
A. 閉経前はE2が不安定に変動し、閉経後は10 pg/mL以下に低下します。更年期症状の有無とE2値を合わせて閉経の判断材料とします。
⚠ 免責事項
この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療の代わりとなるものではありません。症状や治療については必ず担当医にご相談ください。
参考文献・出典
- 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編 2023」
- Fritz MA, Speroff L. "Clinical Gynecologic Endocrinology and Infertility." 8th ed. 2019
最終更新日:2026年4月11日|医師監修
この記事を書いた人
EggLink編集部
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