フーナーテスト(性交後検査・ヒューナーテスト)は、排卵期の性交後に子宮頸管の粘液を採り、その中に動く精子がいるかなどを顕微鏡で観察する検査です。精液そのものを調べる精液検査とは異なります。国内で行う施設はありますが、すべての不妊評価で必須という検査ではありません。
提案されたとき・結果が気になったときに確認すること
| 状況 | 相談するポイント |
|---|---|
| 検査を提案された | 今回何を確認するのか、結果で方針がどう変わるか、行わない選択はあるかを聞く |
| 検査のための性交・来院が負担 | 時刻や日程を無理に合わせず施設に連絡し、別の日や進め方を相談する |
| 結果が「不良」だった | 検査条件を確認し、再検査の必要性とほかの所見を合わせて説明を受ける。不妊の確定やすぐにARTが必要とは決めない |
| 結果が「良好」だった | 卵管、排卵、受精や着床など、ほかの機能や妊娠を保証するものではないと確認する |
何を見る検査で、何が分からないのでしょうか
検査では、膣内に射精された精子が頸管粘液の中に入って動いているかを観察します。採られた粘液の所見であり、卵管の中まで精子が届いたこと、受精したこと、将来妊娠することを直接確かめる検査ではありません。
慶應義塾大学病院KOMPASの2026年5月25日更新の説明にも、排卵日近くの頸管粘液が増えるころに行う性交後検査が掲載されています。ただし、同院の受診手順や検査間隔を、すべての施設の共通基準にはしません。慶應義塾大学病院:性交後検査の説明
ASRM・NICEは、日常的な実施を勧めていません
ASRM2026は、判定の主観性、再現性の乏しさ、患者の負担、診療方針を変えることが少ないこと、妊娠できないことの予測にならないことから、不妊評価でのフーナーテストを勧めていません。
NICE NG257の現行指針も、妊娠率の予測価値がないとして日常的な実施をしないよう求めています。ASRM2026:頸管因子と性交後検査、NICE:1.18.1
国内の実施例があることと、海外指針が検査を日常的に行うことを支持していないことは区別します。予定された検査を無断で取りやめるのではなく、自分の場合にどのような意義があり、結果が診療にどう役立つかを確認してください。「検査しないと治療を始められない」と一律に考える必要はありません。
準備と当日の流れは、受ける施設の指示で確認します
排卵期の予測、性交から採取までの時間、来院日時などを施設から確認します。慶應の説明には3〜12時間後の来院という方法が載っていますが、全員に共通の時間指定ではありません。自分の施設の説明と異なる場合、どちらかを自己選択せず質問します。
当日は、必要な同意・診察のうえで粘液を採取し、顕微鏡で観察します。痛みへの不安、出血、性交が難しい事情や希望しないことも伝えて構いません。検査のために無理をすることを条件にせず、延期やほかの評価方法を相談してください。
「不良」は、体質の相性や不妊の確定ではありません
結果は、排卵期や採取・判定などの条件も踏まえて解釈します。一回の所見から「精子が死んでいる」「二人の相性が悪い」「抗精子抗体がある」「自然妊娠できない」と自己診断しません。再検査を提案された場合も、繰り返す目的と、結果によって判断が変わるかを聞きます。
抗精子抗体などの追加検査や人工授精・体外受精を、フーナー不良だけで全員に勧めるものではありません。年齢、妊娠しにくい期間、排卵・卵管・精液などの評価、本人たちの希望を合わせて方針を相談します。
「良好」でも、ほかの評価が不要とは限りません
頸管粘液中で動く精子が観察されても、精液検査の全項目や卵管の通り、卵子・胚の状態、着床を確認したことにはなりません。必要な評価は診療の条件で決めます。AMH・FSH・プロゲステロン・TSHに固定の共通正常値を並べた表で、すべて問題なしと自己判定することも避けてください。
ASRMは、問診や年齢などに合わせ、侵襲の少ない方法から必要な評価を進めると説明しています。AMHや染色体、免疫・凝固系検査まで、全員に一式で必要という意味ではありません。
費用・再検査と、早い受診の相談
費用は、今回の診療が保険診療か自由診療か、ほかの診察・検査を伴うか、再検査を行うかなどで確認します。基本検査一式が全員1〜3万円で1〜2周期以内に終わる、と約束はできません。
妊娠しにくさの評価は、既知の原因がなく避妊のない定期的な性交がある場合、ASRMでは女性35歳未満で12か月、35歳以上で6か月を目安としています。40歳を超える場合や、月経不順・既知の病気などがある場合は早く相談します。これはフーナーテストを必ず受ける期限でも、相談を遅らせる条件でもありません。
出典と確認日
2026年10月26日にASRM2026、NICE NG257の性交後検査・評価の採用箇所と、慶應義塾大学病院の検査方法の説明を確認しました。国内全施設の方針や料金を確認したものではなく、医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。