AMHの年齢別の数値を探すときは、平均値か中央値か、誰をどの方法で調べたデータかを確認します。ここでは、日本人女性417人の研究の中央値を紹介します。全国の女性の平均値、本人の正常範囲、妊娠できる・できないを決める表ではありません。
日本人女性417人の年齢別データ
2017年の原著論文のStudy 2は、2014〜2015年に国内三施設で集めた、20〜49歳の研究条件を満たす女性417人の分布です。正常月経などの参加条件があり、PCOS、子宮内膜症、卵巣手術歴、最近のホルモン治療などは除外されています。
測定法はElecsys AMH Plusです。Asadaら:日本人女性の年齢別AMH濃度と卵巣反応の研究(2017年、Table 5)
単位はng/mLです。四分位範囲は、その年齢層の中央50%に当たる値の範囲で、医学的な正常・異常の境界ではありません。
| 年齢 | 人数 | 中央値 | 四分位範囲 |
|---|---|---|---|
| 20–24 | 46 | 5.96 | 3.30–7.87 |
| 25–29 | 57 | 5.27 | 3.49–6.88 |
| 30–32 | 54 | 4.00 | 2.06–6.18 |
| 33–35 | 49 | 2.91 | 1.87–4.76 |
| 36–38 | 53 | 1.96 | 1.29–3.07 |
| 39–41 | 61 | 1.72 | 1.07–2.92 |
| 42–44 | 55 | 1.13 | 0.51–1.86 |
| 45–49 | 42 | 0.32 | 0.15–0.74 |
平均値は数値を合計して人数で割ったもの、中央値は順番に並べたときの中央の値です。上表は中央値であり、平均値として引用しません。研究はRoche Diagnosticsの資金提供を受け、著者の利益相反の申告があります。
同じ年齢でも幅があり、表の外が直ちに異常ではありません
表の四分位範囲は全員を含む範囲ではありません。また、参加条件や測定法がある一つの研究で、現在の日本のすべての女性の基準を示すものでもありません。自分の結果を比較するときは、検査した施設の方法、単位、年齢別資料と説明を確認してください。
ほかの研究や検査法の数値を混ぜて、一つの「正常値表」にしません。結果が表より低い・高いという理由だけで、病気や必要な治療を決めることもできません。
AMHは卵子の数の目安で、質や妊娠の可否ではありません
ASRMは、卵巣予備能を卵巣に残る卵子の数に関わる考え方とし、卵子の質とは区別しています。同じ年齢の女性でも個人差があることを説明しています。AMHはその予備能を間接的に考える情報の一つです。ASRM:卵巣予備能検査の意味と限界
AMHを使って「自分の卵巣は何歳」と確定したり、低いから妊娠できない、高いから妊娠しやすいと決めたりしません。採卵への反応の見通しと、自然妊娠や出生までの可能性は、別に説明を受けます。
結果と一緒に、何を相談すればよいか
- 今回のAMHを、何の判断に使うのか
- 検査法・単位と、参考にしている年齢別資料は何か
- 月経、手術・治療歴、今後の妊娠希望と合わせてどう考えるか
- 採卵を考える場合に、期待できる反応と限界は何か
- ほかの評価や再検査が必要なら、その理由は何か
結果用紙を持参し、自分の状況に合わせて相談します。平均値へ近づけるためだけにサプリや薬を追加したり、数値だけで治療を中断したりするものではありません。
出典と確認日
2026年10月27日に、2017年原著の対象・測定法・Table 5・利益相反の採用節と、保存ASRM2020の採用節を確認しました。数値は2014〜2015年の研究データで、2026年の新しい全国平均ではありません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。