EggLink

中隔子宮と妊娠・流産|診断と手術を相談するポイント

2026/4/19

更新:2026/10/26

中隔子宮は、子宮の内側に中隔と呼ばれる仕切りが残っている、生まれつきの形態です。診断された方が全員妊娠できない、必ず流産する、手術をすれば出産できる、ということではありません。診断の確かさと妊娠・流産の経過を合わせて、治療の必要性を相談します。

診断とこれまでの経過で、相談内容が変わります

今の状況相談したい内容
検査で子宮の形を指摘された内側と外側の形をどう確認したか、中隔子宮以外との区別、追加検査の必要性
不妊治療を受けている他の不妊要因も踏まえ、手術で出生が増えるかの不確実性と本人の希望
流産を繰り返している流産の評価と、子宮鏡による中隔の手術を選択肢として相談する
手術後・これから妊娠を目指す手術の記録、術後の確認、治療再開の時期、妊娠後に産科へ伝える内容

まず子宮の内側と外側を評価します

子宮の形には中隔子宮のほかにも種類があり、診断によって治療の考え方が異なります。画像の一部だけを見て「ハート型ならこの病気」と自己判断しないでください。

ASRMの2024年指針は、子宮の形態を評価する非侵襲的な検査の第一選択として、3D経腟超音波(必要に応じて生理食塩水を使う方法を含む)を勧めています。

MRIなどが役立つ場合もありますが、どの検査を使うかは所見と診療先の経験に応じて決めます。子宮鏡や卵管造影は内側の情報が得られても、外側の形を十分に区別できないことがあるため、検査の目的と限界を確認します。

検査ごとに感度90〜100%などの一律の数字を置いたり、MRIを全員の必須検査としたりはしません。ASRM:中隔子宮の診断・治療指針2024

不妊との関係と、流産との関係は分けて考えます

同指針は、中隔子宮と流産や産科合併症との関連を説明することを勧めています。一方、中隔子宮が不妊の原因になるかは、十分な根拠がなく結論を出せないとしています。妊娠しにくい場合も、子宮の形だけに原因を絞らず、年齢、排卵、卵管、精液など他の評価を含めて相談します。

本人の流産率や生児獲得率を、一般表の固定値から予測することはできません。研究の診断基準、対象者、不妊・流産の既往などによって条件が違います。また、中隔をすべて「線維性で血流が乏しい」と説明するのも不正確で、筋組織を多く含むこともあります。形態だけで、過去の流産の原因が確定するわけではありません。

手術は、効果の限界と本人の希望を含めて相談します

子宮鏡で中隔に切開を加えて内側の形を整える手術が選択肢になります。手術の方法、麻酔、日帰りか入院か、休養の必要性、費用は施設と個別の状態で確認してください。全員20〜40分・翌日復帰・自己負担3〜6万円と共通化しません。

流産を繰り返している方には、ASRMは本人との共同意思決定のもとで手術を選択肢として提示することを勧めています。手術の利益だけでなく、出血、感染、子宮壁の損傷や癒着などのリスクと、手術をせず経過を見る場合も含めて説明を受けます。

不妊だけがある場合は、手術が出生を増やすかの根拠は確実ではありません。全員に手術を強く勧めるのではなく、他の治療、本人の希望、負担を合わせて選びます。まだ妊娠を試みていない方への予防的な手術にも、十分な根拠はありません。中隔が子宮腔の50%以上かどうかなど、大きさだけを明確な手術適応にはしません。

術後の薬・検査・再開予定を確認します

術後の癒着予防としてエストロゲン、子宮内バルーン、IUDなどを全員に使うことを支持する十分な根拠はないと、ASRMは説明しています。すでに処方や処置がある場合は、自分の場合の目的と必要性を確認し、自己中止しないでください。

同指針では術後1〜2か月で不妊治療へ進めることを相談できるとしていますが、根拠の強さは限られます。実際の再開日は、手術内容と経過、追加の処置などを踏まえて担当医と決めます。「全員2〜3か月待つ」「1か月たてば必ず安全」のどちらも自己判断の基準にはしません。

子宮鏡後に出血が増える・止まらない、痛みが悪化する、発熱、悪臭のあるおりものなどがある場合は、予定の診察を待たず手術した医療機関へ早く連絡してください。NHS:子宮鏡後の注意と早い受診が必要な症状

妊娠が分かったら、手術歴を産科にも伝えます

手術後の妊娠では、いつどの方法で手術したか、子宮壁への損傷などがあったかを産科へ伝えます。ASRMは手術後の子宮破裂はまれとしつつ、報告が限られる点も示しています。手術名だけで安全や分娩方法を保証できるものではありません。

受診先が変わる場合は、画像・手術記録・経過の情報を引き継げるよう、紹介状などを相談してください。中隔子宮と別の子宮形態異常の手術を混同しないことも大切です。

出典と確認日

2026年10月26日にASRM2024の診断、妊娠・流産との関連、手術の適応、術後の癒着予防・妊娠再開・妊娠時リスクの節と、NHSの子宮鏡後の注意を確認しました。当メディアが3D超音波・MRIや手術を提供するという案内はしていません。医師による本記事の個別監修はありません。

目次に戻る
EggLink編集部のアイコン

この記事を書いた人

EggLink編集部

医療・婦人科専門メディア

公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。

公開:2026/4/19更新:2026/10/26