39歳で卵子凍結を考えるとき、年齢が見通しに関わることは大切な情報です。一方、「39歳なら全員まだ間に合う」「最後の月だから必ず凍結すべき」と一律に結論づけることはできません。
将来いつ妊娠を希望するか、現在妊娠を目指しているか、検査・これまでの経過、採卵や保管と将来使用の負担を合わせて相談します。相談したからといって、必ず凍結を実施する必要はありません。
39歳で相談するときの確認点
| 確認したいこと | 診療で聞くポイント |
|---|---|
| 年齢が気になる | 凍結時の年齢が結果にどう関わるかと、本人の見通し・根拠の限界を聞く |
| AMH等の検査 | 卵巣に残る卵子の数の目安・刺激反応の材料。質や妊娠可否を判定するものではない |
| 何個凍結すればよいか | 全員の保証個数はない。期待する見通しと負担、追加採卵の判断を聞く |
| 今の妊娠希望もある | 卵子凍結だけでなく、現在の状況に応じた診療の目的・選択肢を相談する |
| 費用と助成が気になる | 採卵・保管と将来使用を分けて見積り、制度の年齢判定日と開始前の順序を確認する |
年齢は重要ですが、39歳だけの固定の確率は示せません
ASRMの2021年指針は、限られたデータでは、より若い年齢で計画的卵子凍結を行った場合に成績が良い傾向を説明しています。同時に、出生の見通しや、何個凍結すれば一定の確率で出生に至るかを一律に示す根拠は十分でないとしています。
年齢別の集団成績を、そのまま本人の一卵子当たりの率や目標数にすることはできません。「39歳は一個10〜15%」「10〜15個で十分」等の固定値や、胚の検査結果を採卵卵子の染色体率に読み替える説明は用いません。ASRM:計画的卵子凍結の成績と年齢・個数予測の限界(2021年)
AMHは、卵子の質や妊娠の可否を調べる検査ではありません
AMHや超音波での卵胞数等は、卵巣に残る卵子の数の目安や、刺激にどう反応しそうか、採卵の見通しを医師と考える材料です。高い値なら質が良い、低ければ妊娠できないという意味ではありません。
年齢・既往や検査と希望を合わせて、本人に必要な評価と方法を相談します。AMHの一つの数値だけで高刺激・低刺激を自動的に選んだり、毎月一定量低下するものとして次月の結果を決めたりしません。
凍結時と、将来妊娠するときの年齢・健康は別に考えます
卵子を凍結しても将来の妊娠・出生は保証されません。日本産科婦人科学会の説明は、妊娠時期が高年齢になることに伴う本人と赤ちゃんのリスクも知っておく必要があるとしています。凍結した卵子を使えば、将来のすべてのリスクがなくなるわけではありません。日本産科婦人科学会:ノンメディカルな卵子凍結の説明
いつまで保存・使用できるか、将来の健康評価や診療条件、連絡先や更新手続き、使用しない場合の取扱いも施設で確認します。国内全施設が39歳まで一律に認める・50歳まで使えるとは限りません。
今の妊娠希望と、将来に備える目的を分けて相談します
卵子凍結は将来の使用に備える方法です。現在妊娠を希望している場合や、月経・既往等に気がかりがある場合は、その診療も含めて相談します。パートナーがいることだけで胚凍結へ自動的に変更するものではありません。
行う・行わない、追加採卵をどこまで検討するか、いつ見直すかを、本人の希望と見通し・負担に合わせます。早めに情報を確かめることと、説明を受けずに急いで契約することは別です。
費用は、採卵から将来の使用まで分けて見積ります
診察・検査、薬、採卵と麻酔、凍結と初年度保管のどこまでが料金に含まれるかを施設へ確認します。追加採卵、翌年以降の保管更新、将来の融解・受精や培養・移植等は別の費用になる場合があります。
一回の採卵料金だけを総費用とせず、個数で変わる項目や、中止・延期、保管や移送・廃棄の費用と手続きも聞きます。未確認の全国料金相場や、全員の一回・数年間の合計額は示せません。
助成を使う場合は、医療行為の前に順序と年度を確認します
東京都の2026年度の制度では、本人の説明会参加、事業への協力申請と承認、登録施設や採卵時の年齢・継続住所等の条件があります。年齢は採卵日に18歳以上40歳未満であること等を確認し、年齢だけで対象と判断しないでください。
同年度の凍結実施に係る助成は上限20万円、翌年度以降は保管に係る調査回答時に一年ごと2万円を2028年度まで予定とされ、2026年度凍結分は最大24万円の案内です。
毎回採卵15万円・誰でも合計30万円ではありません。別の年度・自治体にそのまま適用せず、受診や投薬等を始める前に対象の順序を確認します。東京都:2026年度の卵子凍結への支援・対象と手続き
薬や採卵後の症状は、個別の連絡・対応を確認します
例えばFSH製剤の患者向ガイドには、お腹の張りや痛み、急な体重増加や尿量減少等への注意と、使用後もOHSSが現れる場合があることが記載されています。症状があるときは、安静や水分だけで様子を見ず診療先へ連絡し、薬ごとの中止・対応の指示を確認します。
強い痛み・息苦しさ等では救急へ助けを求めます。薬の量や予定を自己変更せず、異常時に中止・連絡が必要な場合も含め、本人の薬の説明書と診療先の指示を確認してください。PMDA:FSH製剤の患者向ガイドの注意(該当1〜6頁)
出典と確認日
2026年10月31日に、ASRM2021年指針・国内学会の説明、東京都2026年度の制度とPMDAの採用節を照合しました。制度の年齢条件を医学的な適否に読み替えず、未確認の体験談・医師発言や個人の確率を用いていません。
免責事項
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。本人の状態と希望に応じた判断は、診療先へ相談してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。