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PGT-SRとは|染色体構造異常がある場合の対象・流れと遺伝相談

2026/4/19

更新:2026/10/30

PGT-SRは、着床前胚染色体構造異常検査のことです。夫婦いずれかに均衡型転座等の染色体構造異常が確認されている場合等に、体外受精で得た胚の染色体の情報を調べ、移植について考えるために行います。採血で卵巣予備能やホルモンを測る一般の不妊検査とは、対象と目的が異なります。

PGT-SRを考えるときに確かめたいこと

気になる状況対応・確認すること
染色体構造異常があると言われた検査結果の原本を持ち、個別の内容とPGT-SRの適応を遺伝相談で確認する
妊娠・流産の経験がまだない既往の有無だけで対象外と決めず、学会の対象条件と個人の状況を確認する
すべての病気や染色体の情報がわかると思っている検査目的・技術的限界、開示される情報とわからないことを尋ねる
結果が出たら、すぐ移植を決めるべきか迷う結果と選択肢の説明・臨床遺伝専門医との相談を受けて考える
検査費用や通院の負担が心配採卵・胚の検査・保管・移植等の内訳と、中止・追加時の費用を確認する

国内の対象は、学会の細則と個別の評価で確認します

日本産科婦人科学会の細則は、夫婦のいずれかの染色体構造異常(均衡型染色体転座等)が確認されている不育症または不妊症の夫婦を対象とし、妊娠既往や流死産既往の有無は問わないとしています。本法の施設承認を得た施設で実施されます。日本産科婦人科学会:PGT-SR細則(PDF・印刷80〜83頁)

染色体の結果をもとに、その構造異常の個別性やこれまでの経過・希望を踏まえて相談します。流産を何回か経験するまで情報を受けられない、染色体に何か変化があれば全員が同じ検査対象、という自己判断はしないでください。

PGT-A(胚の染色体異数性を調べる検査)とPGT-SRは別の細則で定められています。他のPGTの適応や成績を、そのままPGT-SRと自分の状況へ当てはめないことも大切です。

検査前と結果判明後に、臨床遺伝専門医へ相談します

PGT-SRでは、実施前と、胚の染色体検査結果がわかって移植を行う前のそれぞれで、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングが必要とされています。検査の一般論だけでなく、染色体構造の個別性、過去の妊娠・分娩や社会的背景等を踏まえ、夫婦の意思決定を支援する相談です。

期待できることと不確実性、負担、実施する場合・しない場合の選択肢について説明を受けます。実施には文書による説明と同意が必要です。どちらか一方を責めるための結果ではなく、本人たちが理解し、希望や迷いを伝えながら考えるために使います。学会の見解・細則:説明同意と遺伝相談(印刷73〜75・81〜82頁)

流れは、体外受精で得た胚から細胞を採取して解析します

適応の確認、検査前の相談・説明同意を経て、卵巣刺激や採卵等を行います。学会の細則では、生検する細胞は原則として胚盤胞の栄養外胚葉細胞とし、採取した細胞のDNAを増幅して染色体の数的・構造的な異常を解析するとしています。

採卵で得た卵子がすべて検査に進める、必ず移植できる胚が得られる、という保証ではありません。検査に進む条件、結果が出ない場合や移植を見送る場合の対応も確認します。処置や解析、結果の説明・次の診療までに必要な期間は、自分の治療先へ尋ねてください。

結果の分類と、わからないことを確認します

細則では、常染色体が正倍数性(均衡型転座を含む)とされた胚、モザイクとされた胚、数的・構造的な異常とされた胚、判定不能の胚という分類での説明が示されています。判定の意味や検出限界・不確実性について、実際の結果をもとに説明を受けます。学会PGT-SR細則:解析・分類・開示の範囲(印刷82頁)

正倍数性の分類に均衡型転座を含み、その胚の均衡型転座の有無の情報は開示しないとされています。「正常」とだけ受け取り、構造異常の情報もすべてわかったと解釈しないでください。性染色体の解析結果も原則非開示であり、例外の場合の説明には専門的な判断が関わります。性別を選ぶ目的の検査ではありません。

遺伝情報を網羅的に調べる検査ではなく、結果だけで全ての病気がないことや妊娠・出産を保証するものではありません。期待できる成績は、移植あたりなのか採卵からの経過全体なのか、対象や期間も含めて説明を受けてください。移植の判断は、結果についての相談を経て夫婦の自律的な意思に基づいて行います。

料金・今後の管理も、相談時に確認します

PGT-SRの検査費だけでなく、診察・遺伝相談、薬、採卵・麻酔、培養、細胞採取・解析、凍結や保管、移植等について、どこまでが見積もりに含まれるかを確認します。胚数により増える費用、追加・中止・再検査等の条件も尋ねてください。一般の採血・精液検査の費用や保険条件で代用しないようにします。

結果の保存や開示の範囲、次の診療、妊娠後に必要な管理・相談についても質問できます。説明が難しい、迷いがある、負担が大きいと感じた場合は、そのことを相談相手へ伝え、理解と希望を確かめながら進めてください。

出典と確認日

2026年10月30日に日本産科婦人科学会誌2026年1月号の見解(2022年1月9日発表)とPGT-SR細則(2025年6月28日改定)の採用頁を確認しました。雑誌の発行時期と見解・細則の改定日を区別し、個別の適応・解釈は実施施設と臨床遺伝専門医へご相談ください。

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EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/10/30