産後に次の妊娠を希望するときは、現在の体調や授乳、前の妊娠・出産の経過、年齢、これまでの不妊治療について産婦人科へ相談できます。相談することと、すぐに妊娠を目指すことは別です。
出産から1年たっただけで「産後不妊」と決まるわけではありません。月経がない理由や妊娠しない背景は、授乳の状況や妊娠を試みた期間等も含めて確認します。休息や運動が十分でなかったことを、本人の不妊の原因と決め付けないでください。
受診で伝えたいこと
| 状況・確認すること | 対応や相談のポイント |
|---|---|
| 前の妊娠・出産 | 出産日、分娩方法、合併症や手術、産後の診察で受けた説明 |
| 現在の体調 | 痛みや出血などの症状、月経の再開・周期、授乳や使用薬 |
| 妊娠の希望 | 希望する時期、妊娠を試みた期間、避妊の有無、気掛かりなこと |
| 不妊治療の経過 | 以前の検査・治療、保存している胚等があればその情報 |
| 生活と支援 | 育児・仕事と通院の都合、休息や支援で困っていること |
出産からの月数を、全員の待機期間にしません
ASRMの2026年の不妊評価の文書は、原因が知られておらず定期的に避妊しない性交をしている場合の評価開始の目安を、女性が35歳未満なら12カ月、35歳以上なら6カ月としています。
40歳を超える場合は、より早い評価・治療が適することがあります。これは、全員が出産日からその期間を待たなければ相談できないという意味ではありません。ASRM:不妊評価の開始時期と早期評価を考える状態
月経不順や無月経、既知の不妊の原因、子宮・卵管・子宮内膜症の疑い、男性側の問題などがあれば、年齢や期間の目安まで待たず評価する考え方が示されています。授乳中の月経の変化も、自分で病気や正常と確定せず、経過を伝えて相談します。
以前に不妊治療を受けた人も、「一度出産できたので必ず自然に妊娠できる」「38歳未満なら全員1年待つ」とは決めません。必要に応じ、パートナーを含む評価や治療再開の計画を確認してください。
授乳中や月経前でも、妊娠する可能性があります
NHSは、授乳中や月経が戻る前でも、出産後3週間で妊娠する可能性があると案内しています。月経がないことを、そのまま妊娠しない保証にはできません。NHS:出産後の性交と避妊
一方、授乳や断乳から何カ月で必ず排卵が戻る、断乳すれば不妊が解消するといった共通の予定表は示していません。授乳の希望と体調、必要な検査・薬や治療について、産婦人科や治療先へ相談してください。記事だけで授乳を中止したり、薬を変えたりしないでください。
次の妊娠までの間隔は、出産の経過も含めて相談します
ACOGの妊娠間ケアの文書は、前の出産から次の妊娠までの間隔と健康上のリスクを相談すること、帝王切開の既往がある場合の注意を説明しています。年齢や妊娠の希望とともに、前の出産・手術の記録を医療者へ伝えてください。ACOG:妊娠間隔・不妊・帝王切開の既往に関する節
経腟分娩なら2〜3カ月、帝王切開なら半年で全員再開可能という一律の許可にはしません。また、相談に行く日と、避妊をやめる日や治療を始める日を同じにしないでください。次の妊娠を目指すまでの避妊も、本人の状況に合う方法を相談できます。
検査やサプリメントを、一律の予防策にしません
全員が同じ時期にAMHやMRIを受ければ不妊を予防できる、特定の栄養素や骨盤底の運動で卵子の質が戻る、といった効果は示していません。検査の目的と結果で変わる方針、薬や栄養補助を必要とする理由を医療者へ確認します。
産後の痛み、出血、体調や気持ちのつらさがある場合は、次の妊娠の相談と一緒に伝えられます。症状が強い場合は次の予定まで待たず相談してください。休息や育児の支援を求めることに、妊娠できるかという結果を条件にする必要はありません。
希望と通院の負担を、受診前に整理します
まず相談したいことを一つ決め、前の治療・出産の記録と使用薬が分かるものを準備します。初回に何を持参するか、子ども連れの受診や通院日程、検査・治療の費用と授乳中の対応は利用先へ確認してください。
次の妊娠を急ぐ気持ちと体の回復への不安の両方を伝え、今回何を評価し、いつ次の方針を決めるかを相談できます。全員同じ再開日や、必ず妊娠できる予防法を決めるための受診ではありません。
原典と確認日
2026年11月2日に原典の採用節を照合して改稿しました。保存済みASRM2026不妊評価の開始時期・早期評価の節と、NHSの産後の性交・避妊の採用節を実読しました。
ACOG2019は検索返却にある妊娠間隔・不妊・帝王切開の節を照合した範囲で、保存HTMLの外枠を臨床本文としていません。海外の目安を日本の全員の妊娠許可日・待機義務にはしていません。
原典の改訂日とは別です。個別の医師監修はありません。
免責事項
一般的な情報です。本人の症状、薬や予防接種、妊娠・授乳中の対応は、担当する医師・薬剤師等に相談してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。