胚移植後に胸が張る、眠い、少量の出血がある、あるいは何も感じない。こうした違いだけでは、着床したか、妊娠が続くかは判断できません。移植した胚の段階や治療周期、使用する薬も異なります。日別の症状表へ自分を当てはめるより、指定された判定と、気になる症状の連絡を優先してください。
強い痛みや息苦しさがあるときは、判定日を待ちません
強い・悪化する腹痛、大量の出血、めまい・失神、発熱、急な腹部の張りなどは治療施設へ連絡してください。片側の下腹部痛や肩先の痛みも、異所性妊娠などの確認が必要になることがあります。
息苦しい、胸が痛い、意識が遠のく、尿が極端に少ないなど、重い症状や急な悪化がある場合は救急受診が必要です。動けない、意識や呼吸に異常がある場合は119番へ。採卵・排卵誘発を受けた時期や薬も伝えてください。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などを含め、原因の判断は医療機関が行います。
少量の茶色い出血だから安全、移植後何日目だから待てる、という判断はできません。出血の開始時刻、量、痛み、薬をメモし、治療施設から受けた連絡基準に従って相談しましょう。
症状と着床を結び付ける日程表は、個人の判定には使えません
胚移植には初期胚・胚盤胞、採卵周期の移植・凍結融解胚移植などの違いがあります。「移植後3〜7日が着床」「この日の出血は着床の可能性が高い」と一つの日程にまとめることはできません。移植日を起点にした日数と、排卵日を起点にしたDPOも別の数え方です。
胸の張り、眠気、腹部の違和感などは、使用するホルモン製剤の影響などでも起こります。ただし、個々の症状の原因をすべて薬の副作用と決めることもできません。症状がある人とない人の双方で、結果の確認には検査が必要です。
出血の色や量で「着床出血」と見分けようとしない
移植後の出血には複数の原因があり、色、量、続いた日数だけで着床・月経・流産などを区別できません。出血があっても自己判断で治療失敗と決めず、予定された判定を受けてください。出血に痛みが伴う、量が増える、体調が悪い場合は早めに連絡します。
判定前の検査と薬について確認すること
妊娠判定の日と方法は治療施設が指定します。早い尿検査では妊娠していても陰性になることがあり、hCGを含む注射の影響で陽性になることもあります。注射後や移植後の一律の日数で、薬の影響が消えたとは判断できません。
市販品には使用開始日が異なるものがあります。国内のチェックワンSは生理予定日のおおむね1週間後、チェックワンファストは生理予定日当日からという案内で、同じ日には使えません。治療中は購入した製品の説明書に加え、施設の判定指示を確認してください。尿検査の陽性だけで妊娠の場所や経過までは確認できません。
症状が消えた、出血した、自宅検査が陰性だった、という理由だけで黄体ホルモンなどの処方薬を中止・増減しないでください。飲み忘れや副作用が心配なときは、薬名と使用状況を治療施設・薬剤師へ伝えます。重い症状は通常の判定予約を待たず相談します。
判定日までの不安を少し整理する
検索や体験談の確認が負担になるなら、見る時間を区切る、症状の記録を連絡用にまとめる、聞きたいことを一つずつメモする方法があります。不安を感じたことを治療結果の責任と結び付ける必要はありません。眠れない、生活がつらいときは、治療施設に利用できる相談先を聞いて構いません。
活動や仕事、運動の範囲は、採卵後の状態や治療施設の指示を確認してください。「冷やさなければ着床する」「特定の行動をすれば結果が分かる」といった方法で判定を置き換えることはできません。
参考にした資料
海外の資料は症状・検査の限界を説明するための参考です。施設固有の判定日や服薬期間を、日本のすべての治療へ当てはめていません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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