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胚移植の年齢別妊娠率の読み方|2024年全国ARTと新鮮・凍結胚

2026/4/19

更新:2026/10/27

胚移植の見通しを考えるときは、年齢だけでなく、「何を成功とし、何を分母にした割合か」を確かめることが大切です。着床率、妊娠率、生産率は同じ指標ではありません。全国の集計は相談の材料になりますが、その数字を個人の確率として保証することはできません。

2024年全国ARTの年齢別妊娠率

日本産科婦人科学会が2026年9月3日に掲載した「2024年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績」の年齢別表から、4つの年齢を抜粋しました。以下は妊娠周期数を移植周期数で割った「妊娠率/総ET」です。年齢帯を独自にまとめた推定値ではありません。

年齢妊娠率/総ET
(妊娠周期数/移植周期数)
30歳53.4%(5,917/11,081)
35歳47.6%(9,733/20,465)
40歳35.2%(7,758/22,046)
43歳20.8%(2,193/10,556)

出典:日本産科婦人科学会・2024年ARTデータブック8頁。掲載日の確認は学会の公開ページによります。対象は2024年の登録治療であり、2026年に行った治療の結果ではありません。

移植周期を分母とするため、移植に進まなかった治療を含む割合とは異なり、同じ人の複数周期が含まれる集計と一人の累積成績も区別します。

着床率・妊娠率・生産率は、名前と分母を確認します

「着床率」という言葉で示された数字でも、胎嚢数を胚数で割るのか、妊娠した周期を移植周期で割るのかでは意味が違います。このページの表は、学会の列名に合わせた妊娠率です。妊娠の成立と、その後に赤ちゃんが生まれる結果を同じには扱いません。

学会の年齢別表には「生産率/総治療」もありますが、上の「妊娠率/総ET」とは分母が違います。数字だけを並べて差を流産の割合と考えたり、妊娠率を出産率と呼んだりしないでください。施設の成績でも、集計年、結果の定義、対象、追跡期間を確認します。

新鮮胚と凍結胚の成績は、単純な優劣ではありません

新鮮胚移植と凍結融解胚移植では、対象となる人、胚の発育段階、治療方針、移植できるまでの過程が違います。全国の別の集団の成績差だけで、「凍結すれば自分の妊娠率が必ず5〜10ポイント上がる」とは言えません。

採卵周期の体調、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスク、内膜の状態などを踏まえ、移植を後の周期にすることがあります。どちらを選ぶかは安全性も含めて相談します。凍結・融解や移植に進めない可能性、移植までの時間・費用も合わせて聞いてください。

年齢と胚のグレードだけで結果は決まりません

年齢と胚の状態は見通しを考える材料ですが、見た目のグレードだけで染色体の状態や出産を確定することはできません。HFEAは、胚の発育や形などから移植する胚を選ぶ一方、培養した胚がすべて移植可能になるわけではないと説明しています。HFEA:胚の選択

ほかの人の「同じ年齢・同じAA」という体験談から、自分も同じ確率とは判断できません。凍結した胚がある場合は、採卵時と移植時の年齢の違いも含め、その施設の統計がどの年齢を使っているか、自分の胚をどう評価しているかを確認します。

移植回数を重ねた割合にも、確認が必要です

累積妊娠率を見るときは、同じ人の何回までを追った数字か、治療を中断した人をどう扱ったか、採卵からか移植からかを確認します。一回の率から単純な計算をして、「3回受ければ必ず約80%」と個人へ当てはめることはできません。

結果が続かないときは、胚とこれまでの治療、子宮・卵管、移植方法などを担当医と振り返ります。全員が同じ回数で同じ追加検査を受けるのではなく、その検査が結果を改善する根拠と、受けない場合の方針を聞いてください。

ERAなどの追加検査・治療を、効果が確立した方法としません

NICEの2026年推奨は、胚移植への追加検査として、ERAなどの子宮内膜受容能検査を提供しないとしています。海外の推奨と日本の個別診療は同一ではありませんが、「着床のずれが分かれば妊娠率が上がる」という説明だけで選ばないための重要な情報です。NICE NG257:胚移植の追加検査

ほかの追加検査や治療も、何を調べるかだけでなく、出産という結果への利益、不利益、費用を確認します。年齢だけでPGT-Aや胚の貯蓄を全員に勧めたり、生活習慣やサプリで着床を保証したりすることはできません。

診察で確認したいこと

  • 示された率の対象年、分母と結果の定義
  • 自分に近い条件の成績と、推定できないこと
  • 新鮮・凍結の選択理由と安全性、移植できない可能性
  • 残っている胚と、次の治療・見直しの選択肢
  • 追加検査で何が変わるか、費用・不利益と代わりの方針

出典と確認日

2026年10月27日に、2024年ARTデータブックの年齢別表・図、学会の現行公開ページと、HFEA・NICE NG257の採用節を確認しました。全国成績と個人の予測、妊娠と出産を区別しています。本記事の個別の医師監修はありません。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。

公開:2026/4/19更新:2026/10/27