妊活中に漢方薬を考えるときは、冷えや月経の症状など何に対して使うのか、製品名と処方の目的を医師・薬剤師に確認してください。「体質改善すれば妊娠できる」「どの漢方でも排卵誘発薬と安全に併用できる」とは案内できません。必要な不妊の評価や治療を先延ばしにしないことも大切です。
服用前に確認すること
| 確認項目 | 相談したい内容 |
|---|---|
| 使う目的 | どの症状・診断への処方か、製剤の適応、評価する変化 |
| 製品名と併用 | 処方薬・市販薬・サプリをすべて伝え、生薬の重複などを確認する |
| 妊娠・授乳 | 妊娠の可能性や治療の予定、授乳を伝え、薬ごとに判断を受ける |
| 経過と副作用 | 再診・必要な検査、改善しない場合と異常時の連絡先を決める |
症状への処方と、妊娠・出産への効果は区別します
漢方は、同じ症状名でも体質や全身の状態などを考えて選択されます。添付文書に不妊症などの適応がある製剤でも、すべての人の妊娠率を一定に上げるという意味ではありません。細胞や動物の研究を、そのまま人の着床率・出産率の証明にしないことが大切です。
例えばツムラ当帰芍薬散の医療用製剤は、一定の体質・症状を前提に不妊症や月経不順などの適応があります。一方、妊娠中は有益性と危険性を判断し、改善がない場合には継続投与を避けるよう示しています。製品ごとの条件を確認してください。PMDA:ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)添付文書
ASRMの自然妊娠に関する2022年の見解でも、排卵障害がない女性でハーブなどが妊娠しやすさを改善する証拠は乏しいとしています。これは特定の国内漢方処方や、不妊治療中の全状況を一律に評価した指針ではありません。
漢方の一括した成功率や、OHSSを防ぐという保証には使えません。ASRM:自然妊娠に向けた相談の指針
自然由来でも、副作用や生薬の重複があります
日本東洋医学会は、漢方でも副作用が起こり、薬物性の肝障害や肺炎、偽アルドステロン症などに注意が必要と説明しています。すべての漢方で同じ頻度・同じ副作用があるという意味ではありません。日本東洋医学会:漢方の副作用
甘草を含む薬では、偽アルドステロン症によって血圧上昇や低カリウム血症が起こる場合があります。重い場合は脱力や不整脈につながることもあります。複数の薬に同じ生薬が入っていないか、市販の漢方も含めて確認してください。日本内分泌学会:偽アルドステロン症
新たなむくみや強いだるさ、発疹、咳・息切れなど異常があれば、我慢して飲み続けず処方元へ連絡します。強い呼吸困難など切迫した状態は救急医療へ連絡してください。診断を受ける前に、別の漢方を追加して対処しないでください。
製品と妊娠の状況を、担当者間で共有します
不妊治療と別の医療機関で漢方を処方される場合は、双方に薬の一覧を伝えます。妊娠の可能性がある、妊娠が分かった、授乳している場合も必ず相談してください。薬ごとの指示が必要で、全員に開始・継続・中止を一律に勧めるものではありません。
市販品と医療用製剤は、同じ処方名でも製品や用量を確認します。「医療用のほうが必ず妊活に有効」「市販は少量だから安全」とは判断しません。購入前に成分・一日量・注意事項を薬剤師に見せてください。
評価する期間と費用は個別に確認します
すべての漢方に「三周期飲めば効く」「三か月は副作用があっても継続」という共通ルールはありません。改善がない場合の方針、再診と検査を確認します。費用は薬や期間、診察・調剤などの内訳、保険の条件によって異なります。一律の月額や、不妊目的なら全製剤が保険という表は使っていません。
出典と確認日
2026年10月27日にPMDA添付文書2023年12月版、日本東洋医学会、日本内分泌学会2026年9月8日記事、保存ASRM2022の採用部分を確認しました。本記事の個別の医師・薬剤師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。