妊活中の運動は、健康と日々の過ごしやすさのために、自分の体力に合わせて取り入れます。「この運動を何分すれば妊娠する」「卵子の質が必ず上がる」という方法ではありません。不妊治療中は卵巣の状態などによって調整が必要なため、一般向けの運動量をそのまま目標にしないでください。
今の状況から、始め方を選びます
| 状況 | 始め方・確認すること |
|---|---|
| 普段あまり運動しない | 歩く時間を少し増やすなど、短く続けられる活動から。久しぶりの運動や持病の不安は医師へ相談する |
| 運動習慣があり、治療上の制限がない | 体調と回復を見ながら続ける。妊娠のために急に負荷を上げない |
| 排卵誘発・採卵の前後など | 卵巣の状態に応じ、運動の種類・強さ・再開時期を治療施設に確認する |
| 治療中に腹痛・張りの悪化、嘔吐、尿の減少、息苦しさがある | 運動をやめ、治療施設や救急へ速やかに連絡する |
一般の健康目安を、妊娠率を上げる用量と混同しません
NHSは19〜64歳の一般成人について、中等度の有酸素運動を週150分以上、主な筋肉を使う活動を週二日以上などと案内しています。これは健康維持の目安で、妊活に特有の処方や、達成すれば妊娠しやすくなるという基準ではありません。
中等度の強さは、呼吸が少し速くなっても会話はできる程度が目安です。早歩きなど、自分に合う活動を分けて取り入れ、座り続ける時間にも休憩を入れます。運動が苦手な人が初日から目標量をこなす必要はありません。NHS:一般成人の身体活動の目安と強度
歩く・筋肉を動かす・気分を整える目的を分けます
散歩から無理のない早歩きへ調整する、日常の移動で体を動かすなど、継続しやすい方法を選びます。ヨガやストレッチを好む場合も、すべてが同じ有酸素運動量に換算できるわけではありません。筋力や柔軟性、気分転換など、自分の目的と負担に合わせて考えます。
「妊活用」の名称、高価なレッスン、汗の量だけで選ばず、指導者に治療中かどうかを伝えて相談してください。運動を始めるために、固定用量のビタミンD・CoQ10などのサプリを一式追加する必要がある、とは言えません。
卵巣が大きくなっているときは、負荷を個別に確認します
排卵誘発などの治療では、卵巣が大きくなったり、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起きたりする場合があります。RCOGは、OHSSで卵巣が大きく痛む場合、卵巣の損傷を避けるため激しい運動を避けるよう案内しています。治療中は、普段できる運動でも同じように続けてよいとは限りません。
担当施設には「今できる活動」「避ける動き」「いつ、どの状態になったら再開するか」「症状が出たときの連絡先」を聞きます。全員に同じ休止日数を当てはめたり、自己判断で寝たきりにしたりせず、軽い日常活動も含めて確認してください。RCOG:OHSSの症状と活動の注意
痛みや息苦しさを、運動不足のせいにしません
治療中の痛みがよくならない、嘔吐が始まった、尿が出にくい・少ない、胸痛や息苦しさがある場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。体を動かせばよくなると考えて続けたり、翌日の運動量を決めることだけで対処したりしません。
出典と確認日
2026年10月27日にNHSの一般成人向け身体活動の採用節と、保存済みRCOGのOHSS資料の症状・活動に関する節を確認しました。一般成人の健康目安と個別の不妊治療の指示を区別しています。妊娠率の改善を保証せず、本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。