ERPeakは、子宮内膜の遺伝子の働き(発現)を調べ、胚移植の時期を検討するための子宮内膜受容能検査です。ERAも同じ目的で使われる別の検査ですが、提供元や解析・判定の仕組みが異なります。名前が似ていても、結果や推奨される時刻をそのまま置き換えるものではありません。
受容能を調べることと、検査に合わせて移植すれば出生が増えることは別の問題です。誰にどの程度の利益が期待できるか、負担や費用と併せて担当医に確認しましょう。
ERPeakとERAは、目的が近い別の検査です
| 検査 | 提供元と主な目的 |
|---|---|
| ERPeak | CooperSurgical。内膜の受容能から移植時期を検討 |
| ERA | Igenomix。内膜の受容能から移植時期を検討 |
| いずれも | 結果だけで着床・出生を保証するものではない |
提供元の説明は、何を調べる製品かを知る資料です。解析する遺伝子の数や結果の細かさ、再採取の少なさなどだけで、本人の出生への利益が他の検査より大きいとはいえません。CooperSurgical:ERPeak製品説明、Igenomix:ERAの案内
卵巣機能・胚・精子や、子宮の病変をすべて調べる検査ではありません
子宮内膜受容能検査は、内膜の検体を採り、その時点の遺伝子発現などから受容能を評価します。卵巣予備能をみるAMH、卵管の通過性、胚の染色体、精液の状態をまとめて調べる検査ではありません。
子宮鏡などで病変をみる検査、慢性子宮内膜炎の評価、子宮内の細菌叢を調べる検査とも目的が異なります。「原因不明といわれる前に全員必須」「正常なら不成功の原因はすべて除外」と考えず、これまでの評価と今回の目的を確認しましょう。
効果の根拠は、検査の種類と対象者・研究の方法で読み分けます
英国HFEAは、ERAなどの受容能検査について、ほとんどの患者で出生の可能性を高めるための評価を赤とし、治療効果を下げる可能性を挙げています。これは全員の検査結果や、日本の保険・承認を判定するものではありません。
また、ERAの研究をERPeakそのものの検証と読み替えることもできません。HFEA:子宮内膜受容能検査の評価
ERPeakについては、2026年の日本の前向きコホート研究で、反復着床不成功の人に出生率の改善が報告されています。一方、反復不成功でない人には利益が確認されませんでした。
検査を受けるかを無作為に割り付けた研究ではなく、背景を統計的に調整しても、測定していない違いの影響は残ります。Oharaら:ERPeakによる移植時期調整の前向きコホート研究(2026年)
この報告から、全員が受けるべき、ERAより優れている、本人も同じ確率で妊娠する、とは結論できません。研究の対象が自分とどう違うか、受けない場合の治療方針、追加検査をする理由を聞きましょう。
採取周期と薬の日時を、施設の指示で確認します
検査では、ホルモン補充周期などの条件を整えて子宮内膜を採取します。薬を始めた日時や採取の時刻が解釈に関わるため、薬の名前・量・回数と時刻、採取日、忘れた場合の連絡方法を確認してください。研究論文の薬の量や採取時刻を、自分の指示として使わないようにします。
全員が月経何日目に採ればよい、自然周期とホルモン補充周期で同じ予定を使える、と決まってはいません。検査した周期と次の移植で薬や周期の条件が変わる場合は、結果をどう使うかを相談します。
内膜の採取では、腹部のけいれんや痛み、出血などがあり、まれに感染・子宮穿孔のリスクもあります。必要な検体が採れず再採取となる場合もあります。痛みの経験や不安を伝え、対応方法と途中で止める相談、処置後の注意・連絡先を確認しましょう。
採取後に痛みや出血が増える、発熱や悪臭のおりものなどがある場合は、結果説明の日まで待たず連絡・受診してください。
結果は、次の移植の条件と合わせて説明を受けます
受容期、その前・後、判定できない結果などがあり、結果に基づいて移植時期を検討します。受容期という結果でも、胚移植が必ず成功する意味ではありません。ずれが示されても、それだけでこれまでの不成功や流産の原因が特定されたわけではありません。
結果が出るまでの期間、どの薬の開始から数える時刻なのか、次の周期に結果をどう反映するかを確認します。自己判断で黄体ホルモンの時間を変えたり、中断・追加したりしないでください。
2026年の研究には受容能の時間的な変化を検討した報告もありますが、再検査の間隔にはさらに検証が必要です。「一度受ければ永久に同じ」「全員が同じ月数で再検査」とせず、時間の経過や治療条件、移植の経過から必要性を相談します。
先進医療の条件と、本人の総額を確認します
厚生労働省の一覧には、子宮内膜受容能検査の先進医療技術と実施医療機関が掲載されています。自分が受けるERPeakが対象となるかは、正式な技術名、適応、施設の届出、併用する治療などで確認します。
「受容能検査なら全員保険」「ERPeakはすべて完全自費」とはまとめられません。厚生労働省:先進医療Aの技術・実施医療機関
先進医療に係る費用は全額自己負担で、条件を満たす通常の保険診療部分は保険の扱いとなります。検査料だけでなく、採取、診察、薬、再採取や再検査の費用、移植までの予定を分けて聞きましょう。ERAとの価格差だけで、本人に合う検査は決まりません。厚生労働省:先進医療の費用
出典と確認日
2026年10月26日に提供元、HFEA、ERPeakの2026年研究、厚生労働省の説明を参照しました。製品の目的、研究の対象・限界、国内の費用条件を分けています。医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。