受精卵の染色体について説明を受けたときは、染色体の数の変化なのか、どの検査の結果なのかを確認します。体外受精で得た胚を調べるPGT-Aは、胚の染色体の数に過不足がないかを評価する検査です。すべての不妊検査の代わりでも、健康な子どもの出生を保証する検査でもありません。
説明を受けるときに確認したいこと
| 確認点 | 聞いておきたい内容 |
|---|---|
| 検査の目的 | PGT-Aを検討する理由と、自分が対象となるか |
| 分かる範囲 | 採取した細胞で何を調べ、何は分からないか |
| 結果の受け止め方 | モザイクや判定が難しい結果の説明と、移植の選択肢 |
| 負担と代替案 | 検査しない場合との比較、胚への影響、費用や治療予定 |
胚の評価と、染色体の検査は同じではありません
ASRMの2024年指針では、胚の見た目による評価と、染色体のコピー数を調べるPGT-Aを区別しています。胚の評価が良いことを、そのまま染色体の数に変化がない証明と受け取らず、検査の目的と方法の説明を受けてください。ASRM:PGT-Aの効果と限界
PGT-Aで得られる情報の範囲は限られています。妊娠後に必要な診察や検査の予定についても、別に相談します。
国内では対象条件を確認し、全員の必須検査にしません
日本産科婦人科学会の2025年9月8日改定通知では、反復する胚移植不成功、不育症に加え、女性が高年齢の不妊症の夫婦が対象に追加され、同時点では35歳以上が目安とされています。
反復不成功・流死産の項目では、夫婦の染色体構造異常がある場合の除外も示されています。年齢だけで全員に検査を勧めたり、検査を受けられると約束したりせず、対象と運用を実施施設に確認してください。
同通知は、期待できることと不利益を十分に説明する必要性も示しています。2025年時点の制度・運用を、そのまま現在の費用や保険適用の保証にはせず、採卵から検査・移植までの負担を確認します。
モザイクなどの結果は、専門家と意味を確認します
同じ胚の中に、染色体の構成が異なる細胞がある状態をモザイクといいます。ASRMは、検査で中間的なコピー数が出る理由には、モザイク以外の技術的要因などもあり、検査室の判定方法によって結果の扱いが変わり得ると説明しています。
一部の細胞の結果を、胚全体や将来の子どもの状態の完全な診断と扱わないでください。結果の分類、確かさ、選択肢や不確実性を、遺伝カウンセリングなどで確認します。結果の言葉だけで自分で移植や胚の扱いを決める必要はありません。
検査値の改善と、最終的な出生の見通しを分けて考えます
ASRMは、体外受精を受ける全員にPGT-Aを行う有用性は示されていないとしています。年齢や治療歴、得られる胚、どの期間・分母で評価するかで、検査を考える意味が変わります。移植一回あたりの数字と、採卵からの全体の見通しを混同しないでください。
検査のための細胞採取や凍結、判定の不確実性、移植に使える胚が得られない可能性なども確認します。自分の場合に期待する利益、負担、検査しない選択を含めて相談してください。
出典と確認日
2026年10月27日に、ASRM2024指針の採用節と、日本産科婦人科学会2025年9月8日改定通知の本文・二頁の画像を確認しました。全ガイドラインや個人の出生率を検証したものではありません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。