基礎体温は、朝目覚めて体を動かす前など、安静な状態で測る体温です。月経や体調と一緒に記録すると、変化を相談する手がかりになります。ただし、グラフだけで排卵日や妊娠・流産の有無を確定することはできません。毎日の測定を全員に必須とする案内でもありません。
グラフは、単独の診断に使いません
| グラフの見え方 | 考える際の注意 |
|---|---|
| 低めの時期から、高めの時期へ | 排卵のある周期でみられる傾向。排卵の正確な日時は決められない |
| 二つの時期がはっきりしない | 測定条件なども確認。これだけで無排卵と確定しない |
| 高めの時期が短い・不規則 | 月経歴や症状と合わせて相談。グラフだけで黄体機能の診断や処方を決めない |
| 一日だけ上がる・下がる | 一日の変化で着床や妊娠の経過を判定しない |
低温相と高温相は、相対的な傾向です
月経から排卵前の時期には低め、排卵後にはプロゲステロンの作用で高めの体温になる傾向があります。JSCの解説も、月経と体調の関係を知る記録として基礎体温を紹介しています。
全員が同じ温度で、低温・高温が必ず十四日ずつになるという意味ではありません。JSC/HPSC Female Sportナビ:月経周期と基礎体温
記録する場合は婦人体温計を使い、舌の下で、製品の説明に沿って測ります。測定時刻や発熱、普段と違う生活条件なども記録できると、診察で説明しやすくなります。測れない日を推測で埋めたり、一日の上下を細かく診断に結びつけたりしなくて構いません。
排卵日を事前に正確に予測する検査ではありません
ASRMの2026年の見解は、排卵周期では通常二相性の記録になる一方、排卵があっても明瞭な二相を記録できない女性がいると説明しています。精度や負担、排卵に合わせて事前にタイミングを取る難しさから、特に月経歴が排卵のある周期と一致する場合には、日々の基礎体温を通常の不妊評価として一律には推奨していません。ASRM:基礎体温と排卵評価の限界
低い日を必ず排卵日としたり、二相性でないだけで妊娠できないと判断したりしないでください。受診時は、月経の日付や周期の変化、症状を中心に、記録があれば合わせて伝えます。
妊娠判定や、必要な受診を置き換えません
基礎体温だけで妊娠が順調か、着床したか、流産したかを判断しません。妊娠の可能性がある場合は、妊娠検査薬の説明や医療機関の指示に沿って確認します。出血や痛みなどの症状は、グラフの形とは別に相談してください。
強い腹痛や大量出血、失神など切迫した症状がある場合は、体温の変化を観察せず救急医療へ連絡します。月経の乱れや妊娠について困っている場合も、何周期分かのグラフがそろうまで受診できないということはありません。
続ける負担も含めて相談して構いません
記録が不安や睡眠の妨げになる場合や、勤務時間などで条件をそろえにくい場合は、そのことも伝えます。担当医から特定の目的で測定を依頼されている場合は、目的と必要な期間を確認してください。記録がないことを理由に自分を責める必要はありません。
AMH・FSH・甲状腺などの採血は別の評価で、グラフの読み方の基準値表ではありません。基礎体温の形から、それらの値や治療法、検査費用が自動的に決まるわけではありません。
出典と確認日
2026年10月27日に、JSCの測定・記録の採用節と保存ASRM2026の排卵評価の採用部分を確認しました。JSCのアスリート向け解説を、全員の診断基準に広げていません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。