
胚盤胞移植(はいばんほういしょく)は体外受精において受精卵を5〜6日間培養し、胚盤胞(Blastocyst)の段階まで発育させてから移植する方法です。初期胚(Day2-3)移植に比べて着床率が高く、近年の不妊治療では主流となっています。この記事では、胚盤胞移植の特徴・成功率・Day5とDay6の違い・費用をわかりやすく解説します。(情報取得日:2026-05-02)
この記事のポイント |
|---|
胚盤胞移植の特徴とDay5・Day6の違い(成功率への影響) |
初期胚移植との選択基準と、胚盤胞まで培養できない場合のリスク |
移植当日の流れ・費用の目安(保険適用の範囲) |
胚盤胞移植とは何か
胚盤胞移植とは、体外受精(または顕微授精)で得た受精卵を5〜6日間培養し、胚盤胞(内細胞塊と栄養外胚葉が分化した状態)まで成長させてから子宮内に移植する方法です。胚盤胞まで発育できた胚は生存能力が高いと判断できるため、移植あたりの着床率が初期胚より高くなります。
比較項目 | 初期胚移植(Day2-3) | 胚盤胞移植(Day5-6) |
|---|---|---|
培養日数 | 受精後2〜3日 | 受精後5〜6日 |
移植あたりの着床率(目安) | 20〜35% | 40〜60% |
胚の選別 | 形態評価 | 形態+発育速度で選別可能 |
メリット | 胚を無駄にしにくい | 着床率が高い |
デメリット | 着床率が低め | 胚盤胞まで育たない場合がある |
Day5とDay6の違い
胚盤胞移植では受精後5日目(Day5)に移植するケースが最も多く、成功率も高い傾向があります。Day6(6日目)に成長した胚盤胞は成長スピードがやや遅く、一般的にDay5より妊娠率がやや低いとされています(日本産婦人科学会ARTデータ)。ただしDay6の胚でも十分に着床・妊娠する例は多くあり、移植を諦める必要はありません。
- Day5胚盤胞:妊娠率が最も高い(凍結胚では胚盤胞全体で40〜55%程度)
- Day6胚盤胞:Day5より10〜15%ポイント低い傾向
- Day7胚盤胞:施設によっては凍結・移植対象になることもあるが、さらに低率
診療内容の特徴
胚盤胞移植当日の流れは比較的シンプルです。
- 移植前:子宮内膜の厚さを超音波で確認(8mm以上が目安)
- 移植当日:外来処置で実施(入院不要)、所要時間は10〜20分程度
- 処置内容:カテーテルで胚盤胞を子宮腔内に注入。麻酔不要なことが多い
- 移植後:15〜30分安静後に帰宅可能。激しい運動・性行為を数日控える
- 判定日:移植後10〜12日後に血清hCG測定で着床確認
口コミ・評判の傾向
胚盤胞移植を経験した方からは「初期胚より胚盤胞のほうが成功した」「Day5の胚は質が良いと説明された」という声が多く見られます。一方「すべての胚が胚盤胞まで育たなかったため、移植できる胚がゼロになった」という経験を持つ方もいます。胚盤胞培養は淘汰のリスクを伴うため、担当医と十分相談した上で選択することが大切です。口コミは個人の体験であり、結果には個人差があります。
費用の目安
診療内容 | 費用目安 |
|---|---|
新鮮胚盤胞移植(保険適用) | 3割負担で2〜4万円程度/回 |
凍結胚盤胞移植(保険適用) | 3割負担で2〜3万円程度/回 |
胚盤胞凍結保存(年間) | 自費3〜5万円程度 |
PGT-A(着床前検査、自費) | 1胚あたり5〜10万円程度 |
※2022年4月より体外受精・胚移植に保険適用が拡大されています。年齢・回数制限あり。詳細はクリニックに確認してください。
受診時のポイント
- 胚盤胞培養にするか初期胚移植にするかは、得られた胚の数・質・患者の年齢を考慮して決める
- 胚が少ない場合(1〜2個)は、胚盤胞培養で全滅するリスクを踏まえて担当医と相談する
- 移植当日は膀胱を適度に充満させて来院するよう指示されることが多い
- 移植後の安静・生活制限について、クリニックの具体的な指示を確認する
アクセス情報
胚盤胞移植は体外受精を実施している不妊治療専門クリニックで受けることができます。日本産婦人科学会・日本生殖医学会の認定施設を探すことをお勧めします。
- 日本産婦人科学会 ART施設検索:https://www.jsog.or.jp/
- 日本生殖医学会 認定医検索:https://www.jsrm.or.jp/
よくある質問
Q. 胚盤胞まで育たなかった場合はどうなりますか? |
|---|
A. 胚盤胞まで発育しなかった場合は移植できる胚がなくなります。初期胚(Day2-3)での移植を早期に切り替える選択肢もあるため、事前に担当医と方針を確認してください。 |
Q. 胚盤胞のグレードは妊娠率にどう影響しますか? |
A. ガードナー分類(1〜6の段階評価×ICM・TE評価)が一般的に使われます。ただしグレードが低くても妊娠する例もあり、グレードだけで判断できません。 |
Q. 移植は痛いですか? |
A. 多くの方は軽い違和感または生理痛程度の不快感を感じる程度です。麻酔なしで行われることがほとんどで、処置後すぐに日常生活に戻れます。 |
Q. 着床したかどうかはいつわかりますか? |
A. 移植後10〜12日後の血清hCG測定で確認します。その後、妊娠5〜6週頃に経腟超音波で胎嚢を確認します。 |
Q. 胚盤胞移植で多胎妊娠になりやすいですか? |
A. 日本では原則として1個の胚盤胞を移植するため(単一胚移植)、多胎のリスクは低減されています。ただし卵子の分割(一卵性双胎)のリスクは残ります。 |
まとめ
胚盤胞移植は初期胚移植に比べて着床率が高く、現在の不妊治療の標準的な移植方法です。Day5の胚盤胞が最も成功率が高く、Day6は若干低い傾向があります。一方で胚盤胞培養には「全滅リスク」もあるため、胚の数や質・年齢を考慮した上で担当医と移植方針を相談することが重要です。保険適用範囲内での治療が可能かどうかも確認してください。
※本記事は一般的な医療情報を提供するものであり、個々の診断・治療を保証するものではありません。症状や治療方針については必ず担当医にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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