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オメガ3脂肪酸と着床率

2026/4/19

オメガ3脂肪酸と着床率

(情報取得日:2026年5月2日)「オメガ3脂肪酸を摂ると着床しやすくなる?」という関心が妊活・不妊治療中の方に広まっています。動物実験・観察研究の段階では、DHA・EPAが子宮内膜の炎症抑制・血流改善・プロスタグランジン産生調整に関与する可能性が示されています。ただし「着床率を確実に上げる」と断言するには大規模なヒトのランダム化比較試験(RCT)が不足しており、現時点のエビデンスは限定的です。この記事では正確な情報を整理します。

この記事のポイント

  • オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は子宮内膜の炎症抑制・血流改善への関与が研究で示されているが、ヒトでの着床率向上の直接的エビデンスは限定的
  • 食事からの摂取(週2〜3回の青魚・亜麻仁油・えごま油)が基本。サプリメントは過剰摂取に注意
  • 抗凝固薬服用中・採卵前後はサプリメント摂取の継続可否を担当医に確認する

基本情報

項目

内容

オメガ3脂肪酸の主な種類

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、ALA(α-リノレン酸)

主な食事由来源

青魚(サバ・イワシ・サンマ・マグロ)、亜麻仁油、えごま油、クルミ

妊娠中の推奨DHA摂取量

約200〜300mg/日(日本産科婦人科学会ガイドライン)

妊活期の推奨摂取方法

週2〜3回の青魚を基本に、不足分をサプリで補う

サプリメントの安全上限目安

EPA+DHA合計で2,000mg/日以下(日本人の食事摂取基準参考)

注意が必要なケース

ワーファリン服用中、出血傾向がある場合、採卵前後

オメガ3脂肪酸が着床に関係するメカニズム

現時点の研究で示されている可能性のある作用メカニズムを整理します。因果関係が確立されているものと、仮説・研究段階のものを区別して理解することが重要です。

  • 炎症性サイトカイン抑制:EPA・DHAはアラキドン酸カスケードを調整し、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α、IL-1βなど)の産生を抑制する。子宮内膜の慢性炎症が着床不全の一因となることが知られており、炎症抑制は着床環境の改善につながる可能性がある
  • 子宮・卵巣への血流改善:オメガ3脂肪酸は血管内皮機能を改善し、一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管を拡張する作用が研究されている。子宮・卵巣への血流増加が卵子の質・内膜の受容性を高める可能性がある
  • プロスタグランジン産生の調整:EPAはプロスタグランジンE3・I3の産生を促し、炎症性のPGE2を相対的に抑制する。過剰な子宮収縮を緩和し着床を助ける可能性がある
  • 抗酸化作用:DHA・EPAの抗酸化作用が卵子・精子・胚の酸化ストレス軽減に寄与するとされている(動物実験レベルの知見が中心)

食品からのオメガ3脂肪酸摂取量の目安

サプリメントよりも食事由来の摂取が基本です。以下の食品を意識的に取り入れましょう。

食品

DHA量(目安)

EPA量(目安)

推奨摂取頻度

サバ(水煮缶100g)

約1,600mg

約970mg

週2〜3回

イワシ(焼き100g)

約870mg

約780mg

週2〜3回

サンマ(焼き100g)

約1,400mg

約880mg

週1〜2回

亜麻仁油(大さじ1・14g)

ALA: 約7,200mg(※)

毎日(加熱せず使用)

えごま油(大さじ1・14g)

ALA: 約8,500mg(※)

毎日(加熱せず使用)

クルミ(30g)

ALA: 約2,600mg(※)

間食として毎日

※ALAはα-リノレン酸。体内でDHAに変換されますが変換効率は低いため(約5〜10%)、DHAを直接含む青魚との組み合わせが効果的です。

サプリメント選びのポイント

食事からの摂取が不十分な場合にサプリメントを補助的に活用することは選択肢の一つです。以下の点を参考に選んでください。

  • DHA・EPA含有量が明記されている製品を選ぶ(「フィッシュオイル」と書かれているだけのものは含有量が不明な場合がある)
  • GMP認定工場製造・第三者機関の品質試験済み製品を推奨
  • 水銀・PCB汚染リスクを低減するために精製・分子蒸留処理がされた製品が望ましい
  • 妊娠中は特に水銀含有リスクを考慮した製品を選ぶ(担当医に相談)

費用の目安

摂取方法

費用の目安(月額)

青魚中心の食事(週2〜3回)

食費として1,000〜3,000円程度の増加

亜麻仁油・えごま油(毎日)

800〜2,000円程度

市販DHA・EPAサプリメント

2,000〜6,000円程度

クリニック処方・推奨サプリ

3,000〜1万円程度

受診時のポイント

サプリメント摂取を開始・継続する際は担当医への相談が重要です。

  • ワーファリン(抗凝固薬)服用中:EPA・DHAは血液凝固を抑制する可能性があり、ワーファリンの効果に影響するリスクがある。必ず担当医に確認する
  • 採卵前後:出血リスク管理のため、採卵前1〜2週間はサプリメントを中止するよう指示するクリニックがある
  • 妊娠後:水銀含有リスクの少ない製品への切り替えや継続量について担当医に相談する

アクセス情報

オメガ3脂肪酸に関する栄養相談は以下で受けられます。

  • 不妊治療クリニックの栄養外来(一部クリニックで提供。予約制)
  • 管理栄養士による妊活栄養相談(対面・オンライン対応あり)
  • かかりつけ産婦人科での食事指導

よくある質問

  • Q. オメガ3を摂れば着床率は上がりますか?
    A. 「確実に上がる」という確立されたエビデンスはありません。子宮内膜の炎症抑制・血流改善を通じて着床環境を整える可能性は研究で示されており、妊活中の積極的な摂取は推奨されますが、治療の代替とはなりません。
  • Q. いつから摂取を始めるとよいですか?
    A. 体内の脂肪酸バランスが改善するまでには1〜3か月程度かかるとされています。妊活を始める数か月前から継続摂取することが望ましいです。
  • Q. 魚が苦手な場合はサプリで代用できますか?
    A. サプリメントで代用可能です。亜麻仁油・えごま油はサラダのドレッシングに使うなど、無理なく継続できる摂取方法を試してください。
  • Q. サバ缶を毎日食べても大丈夫ですか?
    A. サバ缶は水銀含有量が比較的低く毎日食べても問題は少ないですが、偏食にならないよう他の食材もバランスよく食べることを推奨します。
  • Q. 移植周期中も摂取を続けてよいですか?
    A. 採卵前後の出血リスク管理についてはクリニックに確認してください。移植周期中(黄体期)の継続は多くのクリニックで問題ないとされています。

まとめ

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は子宮内膜の炎症抑制・血流改善・プロスタグランジン産生調整を通じて着床環境を整える可能性が研究で示されています。ただし着床率を確実に上げるという断定的なエビデンスはなく、妊活中の食事の一環として位置づけてください。週2〜3回の青魚摂取を基本に、不足分はサプリメントで補いましょう。採卵前後や抗凝固薬服用中は担当医に相談してから摂取してください。

※本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。個別の医療判断については必ず担当医にご相談ください。掲載情報は2026年5月時点のものです。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2