TESE(精巣内精子採取術)は、精巣の組織から精子を探して回収する外科的な方法です。今回がどの方法で、入院・外来のどの計画か、麻酔や本人の体調を含めて術前に確認してください。本稿では全施設・全患者に共通の入院日数を示しません。
「TESE」という名前だけで、手術の範囲、帰宅できる条件や術後の経過が同じと考えないようにします。予約した仕事や移動に合わせて予定を自己判断で短くせず、今回の指示を確認します。
入院・退院と帰宅後を、別に確認します
| 予定・心配 | 術前に確認したいこと |
|---|---|
| 自分の病態と方法 | 閉塞性・非閉塞性などの診断、今回行う手術と選ぶ理由 |
| 入院か外来か | 施設の今回の計画、予定の泊数、変更・延長が必要な場合 |
| 当日と退院 | 麻酔や飲食・服薬、退院の条件、付き添いと帰宅・運転 |
| 帰宅後 | 傷や入浴・運動、性生活や仕事再開の指示、症状の連絡先 |
| 結果と再診 | 精子回収の結果、保存等の扱い、検査やその後の説明時期 |
TESEの手法と、病態を分けて説明を受けます
日本泌尿器科学会の2024年版ガイドラインCQ9は、精巣組織を採る従来のTESEと、顕微鏡を用いて観察して精細管を採るmicro-TESEを区別しています。
非閉塞性無精子症(NOA)ではmicro-TESEを推奨する一方、合併症への注意も示しています。日本泌尿器科学会:2024年版CQ9・精子採取の手法
精子の通り道が閉塞する場合と、造精機能の問題がある場合等で評価や選ぶ手法は異なります。「無精子症と言われたから全員同じ手術」と決めず、本人の診断、何を確認して方法を選ぶかを医療者へ聞けます。ここでは全員に同じ遺伝子・ホルモン検査セットを勧めるものでもありません。
退院できることと、全て回復したことは別です
飲食や服薬、創部のケア、入浴や運動・仕事と性生活の再開、運転等は今回の処置・麻酔に応じた指示を確認します。全員が無痛、一〜二日で必ず軽快、退院の翌日から全て通常通り、という保証にはしません。
予定より休養が必要な場合や、仕事への説明の範囲も相談できます。通院や手術のために治療の詳細を全員へ共有する義務とせず、本人が伝えたい範囲と必要な手続きを確認してください。
術後の症状と、長い経過の検査も確認します
CQ9の合併症の節は、血腫、血流の問題、炎症、テストステロン低下等の報告と、術後のホルモンや症状のモニタリングの必要性を説明しています。micro-TESEでも合併症がゼロになるわけではなく、退院したら再診や検査は不要という意味ではありません。
いつどの検査を行うか、症状が出た場合はどこへ連絡するかを確認します。掲載研究の平均の回復期間を、本人がその月まで待ってよい期限にはしません。ホルモンの数値を見て自己判断で薬を始めたり増減したりせず、担当医と相談してください。
急に陰嚢が強く痛む、腫れや発熱・出血等がある場合は、予定の再診日まで待たず医療機関へ連絡してください。日本泌尿器科学会の一般向け案内も、急な陰嚢の痛みには早い診断・治療が重要な原因があると説明しています。
「手術後だから正常」「水分と安静でよい」と自己判断せず、急な強い症状は緊急の医療へつなぎます。日本泌尿器科学会:陰嚢内が痛いとき
精子を回収できたことと、妊娠・出生を分けます
精子採取率は、対象の手術等で精子を得られた割合で、妊娠した割合や出生した割合ではありません。回収できた場合も、その状態や扱い、保存・顕微授精等の今後の連携を別に確認します。
回収できなかった場合も、自動的に一定期間後の再手術と決めません。今回分かったこと、未確定のこと、次の選択肢と負担を相談できます。結果がつらい場合も、全てを理解してからでなく支援を求められます。こども家庭庁:不妊・不育症の相談窓口
手術・入院と、その後の費用を分けて聞けます
治療の保険適用と自己負担は、病名・治療内容・適用条件によって異なります。高額療養費も診療月・年齢・所得区分等で上限が変わり、先進医療の技術料など保険外の費用は対象になりません。
治療施設には保険・自費の内訳を、加入先の健康保険には自分の上限と申請方法を確認してください。協会けんぽ:高額療養費の対象・診療月別の上限
手術と麻酔、予定の入院日数と延長、検査や再診、精子の処理・凍結保存と更新、顕微授精等が、どの見積もりに含まれるかを聞けます。泊数・回数・保存の単位と期間、保険・自費の内訳や追加費用を確認し、施設未確認の料金や助成額を共通に決めないようにします。
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出典と確認日
2026年10月31日に保存原典の採用節を照合しました。中心となる原典は日本泌尿器科学会の男性不妊症診療ガイドライン2024年版で、今回の確認日を臨床改訂年にしていません。個別の手術・処方、施設の料金や入院期間、本人の妊娠率等を確認したものではありません。本記事の個別の医師監修はありません。
免責事項
一般的な情報提供です。診断や手術、体調と今後の方針は医療機関、費用・給付は受診先と加入先等へ確認してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。