
(情報取得日:2026年5月2日)PESA(経皮的精巣上体精子吸引術)は、精巣上体に針を刺して精子を採取する低侵襲な処置です。本記事では、PESAの概要・適応・TESAや他の精子採取法との違い・費用について解説します。
この記事のポイント
- PESAの手技・適応・採取できる精子の特徴
- TESA・MESA・TESEとの違いと選択基準
- PESAにかかる費用と受診できる医療機関
PESAの基本情報
PESAは「Percutaneous Epididymal Sperm Aspiration(経皮的精巣上体精子吸引術)」の略です。局所麻酔下で精巣上体に細い針を刺して精子を吸引採取します。外来での実施が可能で、手術に比べて侵襲が低い点が特徴です。
項目 | 内容 |
|---|---|
正式名称 | 経皮的精巣上体精子吸引術(Percutaneous Epididymal Sperm Aspiration) |
採取部位 | 精巣上体(副睾丸) |
麻酔の種類 | 局所麻酔 |
入院の要否 | 不要(外来・日帰り) |
処置時間目安 | 15〜30分程度 |
主な適応 | 閉塞性無精子症(精管閉塞・精管欠損など) |
PESAと他の精子採取法との違い
精子採取法はPESA・TESA・MESA・TESEと複数あり、それぞれ採取部位・侵襲度・精子数が異なります。適切な方法は原因と状態によって専門医が選択します。
- PESA:精巣上体を針で吸引。最小侵襲。閉塞性無精子症が主な適応。精子数が少ない場合あり
- TESA:精巣を針で吸引。PESAより少し侵襲が高い。精子と精巣組織が混在した状態で採取
- MESA:顕微鏡下で精巣上体を切開して採取。PESAより侵襲が高いが精子回収量が多い
- TESE/Micro-TESE:精巣を切開して組織を直接採取。非閉塞性無精子症への対応も可能
PESA経験者・関係者に見られる傾向
PESAは主に閉塞性無精子症の男性が対象です。精管がない(先天性両側精管欠損:CBAVD)や精管閉塞のある男性では、PESAによる精子採取から顕微授精(ICSI)へ進む流れが一般的です。
- CBVADでは遺伝子検査(CFTR遺伝子)を事前に推奨される場合がある
- 一度の処置で精子が採取できない場合は、MESAやTESEへの移行が検討される
- 採取した精子を凍結し、女性パートナーの採卵周期に合わせてICSIを実施するケースが一般的
費用の目安
PESAの費用は施設・保険適用状況によって異なります。
項目 | 費用目安 | 保険適用 |
|---|---|---|
PESA処置費用 | 3万〜12万円程度(自費) | 条件により適用あり |
精子凍結保存(1周期) | 1万〜3万円程度 | 条件により適用あり |
CFTR遺伝子検査(CBVADの疑い) | 3万〜8万円程度 | 条件により適用あり |
※2022年保険適用拡大後、条件を満たす不妊治療は保険適用になっています。詳細は受診先にご確認ください。
受診・相談時のポイント
- PESAの適応判断には精液検査・ホルモン検査・画像検査(精巣エコーなど)の結果が必要
- CBVADが疑われる場合は、遺伝子検査の結果を踏まえてカップルカウンセリングを受けることを推奨
- PESA前に「採取できなかった場合の次の選択肢」を医師と確認しておく
- 女性パートナーの卵巣刺激スケジュールと精子採取のタイミングを事前に調整する
PESAを受けられる医療機関へのアクセス
医療機関の種類 | 特徴 |
|---|---|
泌尿器科(男性不妊専門) | PESA・MESA・TESEを専門的に実施する施設あり |
生殖医療専門クリニック | 女性側のICSIと連携しやすい。施設によって処置可能 |
大学病院 | 複雑な閉塞ケースや遺伝子検査に対応可能 |
よくある質問(FAQ)
Q1. PESAは痛みを感じますか?
局所麻酔で行うため、処置中の痛みは最小限です。麻酔後の穿刺時に軽い圧迫感を感じる方もいます。処置後は陰嚢の違和感や軽い腫れが数日続くことがあります。
Q2. PESAで精子が採取できない確率はどのくらいですか?
閉塞性無精子症では精子採取成功率は比較的高いですが、精巣上体の状態によって異なります。採取できない場合はMESAやTESEへの移行が検討されます。
Q3. PESAを繰り返し受けることはできますか?
複数回の処置が必要になる場合もあります。ただし精巣上体への繰り返しの穿刺は瘢痕形成などのリスクがあるため、医師の判断に従ってください。
Q4. PESAで採取した精子の質はICSIに使えますか?
精巣上体精子は成熟精子に比べて運動能力が低いことがありますが、ICSIでは直接卵子に注入するため受精は可能です。ICSI成功率は女性側の状態にも依存します。
Q5. 先天性両側精管欠損(CBVAD)の場合、子どもに遺伝しますか?
CBVADはCFTR遺伝子の変異と関連することがあります。CFTR遺伝子変異を持つ男性の子どもにも影響が出る場合があるため、事前に遺伝カウンセリングを受けることが推奨されています。
まとめ
PESAは閉塞性無精子症の男性に対する低侵襲な精子採取法です。外来で実施できる手軽さがありますが、精子が採取できない場合やCBVADのように遺伝的背景が関係するケースでは追加の検査・処置が必要になることがあります。適切な方法を選択するためには、まず泌尿器科または生殖医療専門クリニックでの詳細な検査と専門医への相談が重要です。
【免責事項】本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。治療の選択は必ず担当医師とご相談ください。費用・保険適用状況は2026年5月時点の情報です。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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