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体外受精妊娠の流産リスク|自然妊娠との比較

2026/4/22

体外受精妊娠の流産リスク|自然妊娠との比較

体外受精妊娠の流産リスク|自然妊娠との比較と対策

「体外受精だから流産しやすいのでは?」という不安を持つ方は少なくありません。実際には、体外受精そのものが流産率を高めるわけではなく、年齢・胚の質・子宮の状態など複数の要因が重なって流産リスクが決まります。この記事では、体外受精妊娠の流産リスクを自然妊娠と比較しながら、流産率を下げるための現在の技術や対策を医学的根拠に基づいて解説します。

この記事のポイント

  • 体外受精妊娠の流産率は自然妊娠と大きく変わらない——違いはむしろ年齢・胚の質
  • 着床前遺伝子検査(PGT-A)が流産リスク低減に果たす役割
  • 反復流産・不育症患者が体外受精を選ぶメリットと注意点

体外受精と自然妊娠の流産率比較

日本産科婦人科学会のARTデータブックによると、体外受精(ART)の臨床的妊娠あたりの流産率は約20〜30%で推移しており、自然妊娠の流産率(10〜20%)より高い数値が示されています。ただし、この差は主にART治療を受ける患者層の年齢が高いことによります。

年齢補正後の流産率比較

妊娠の種類

30代前半

35〜39歳

40歳以上

自然妊娠(参考値)

約12〜15%

約20〜25%

約35〜50%以上

体外受精(凍結融解胚移植)

約15〜20%

約25〜30%

約40〜50%以上

体外受精 + PGT-A

約5〜10%

約8〜12%

約10〜15%

PGT-A(着床前染色体異数性検査)を実施した場合、年齢に関わらず流産率が大幅に低下します。

体外受精で流産リスクが「見かけ上高い」理由

体外受精の流産率が自然妊娠より統計上高く見える理由は複数あります。一方で、体外受精には流産リスクを低減できる側面もあります。

見かけ上リスクが高い理由

  • 患者年齢が高い:ART治療を受ける女性の平均年齢は30代後半〜40代が多く、卵子の染色体異常率が自然妊娠群より高い
  • 妊娠の早期確認:血中hCGで妊娠を極早期に確認するため、自然妊娠では気づかない化学流産も統計に含まれる
  • 不育症・反復流産患者の集積:繰り返し流産した経験のある方がARTを選択するため

体外受精が流産リスク低減に役立つ側面

  • 良好な受精卵(胚盤胞)を選択して移植できる
  • PGT-Aで染色体正常胚を確認してから移植できる
  • 子宮内膜の状態を整えて最適タイミングで移植できる

PGT-A(着床前染色体異数性検査)の有効性と限界

PGT-Aは、移植前に胚の染色体数を検査し、染色体正常胚のみを移植する技術です。反復流産(2回以上)の患者では、日本産科婦人科学会の特別臨床研究として実施が認められています。

PGT-Aの適応と効果

項目

内容

主な適応

反復体外受精不成功(2回以上)、反復流産(2回以上)

流産率の低下効果

正常胚移植後の流産率:約5〜15%(非PGT-Aと比較し大幅低下)

着床率への影響

移植あたりの着床率は向上するが、検査で移植できる胚が減る場合も

費用目安

1周期あたり約10〜20万円程度(自費)

限界

染色体以外(構造異常・胚の質)の問題は評価できない

PGT-Aは「妊娠できる保証」ではなく、あくまで流産リスクの高い胚を移植前に避けるための検査です。

凍結融解胚移植の流産率——新鮮胚移植との比較

日本では現在、凍結融解胚移植(FET)が主流となっており、新鮮胚移植と比べて流産率が低い傾向があります。これは子宮内膜が採卵による影響を受けない状態で移植できること、また充分に成長した胚盤胞を選択できることが主な理由です。

  • 新鮮胚移植:採卵周期に移植。子宮内膜が卵巣刺激の影響を受けやすい
  • 凍結融解胚移植:内膜をホルモン補充または自然周期で整えてから移植。流産率がやや低い
  • 日本のARTデータでは、凍結融解胚の出産率が新鮮胚を上回っている

反復流産(不育症)患者と体外受精

自然妊娠で繰り返し流産している場合(不育症)、体外受精への転換を検討する意義はあります。ただし、不育症の原因(抗リン脂質抗体症候群・子宮形態異常等)は体外受精で解決できません。まずは不育症の原因検索と治療を優先し、必要に応じてPGT-AつきのART治療を検討します。

不育症における治療の優先順位

  1. 不育症検査(抗リン脂質抗体・凝固異常・染色体・子宮形態)
  2. 原因に応じた治療(アスピリン・ヘパリン療法等)
  3. 原因が特定できない反復流産(原因不明不育症)→ PGT-A付きART治療を検討

よくある質問(FAQ)

Q1. 体外受精の方が自然妊娠より流産しやすいですか?

年齢を揃えて比較した場合、体外受精そのものが流産リスクを上げるわけではありません。統計上の流産率の差は、ART治療を受ける患者の年齢層が高いことや、早期妊娠確認による化学流産の計上によるものが大きいです。

Q2. PGT-Aを受ければ流産しなくなりますか?

流産リスクを大幅に下げることができますが、完全にゼロにはなりません。染色体正常胚でも流産する場合があります(母体側の要因・胚の構造異常等)。また、移植できる胚が減ってしまう場合もあります。

Q3. 胚盤胞移植と初期胚移植では流産率に差がありますか?

一般的に胚盤胞(5日目)まで培養した胚の方が、生存能力の高い胚が選ばれているため、移植あたりの流産率は低い傾向があります。ただし全ての胚が胚盤胞まで成長するわけではありません。

Q4. 体外受精で流産した後、次の移植はいつから可能ですか?

身体的には次の月経後から移植可能なことが多いですが、心理的な回復も重要です。担当医と身体・精神の両面で相談しながら次のタイミングを決めてください。一般的には1〜2回月経を待つケースが多いです。

Q5. 化学流産は「流産」としてカウントされますか?

妊娠検査薬や血中hCGで陽性を確認したが、超音波で胎嚢が確認される前に終了したものを化学流産(生化学的妊娠)と呼びます。日本産科婦人科学会の不育症の診断基準では、化学流産は「流産回数」に含めないことが一般的です。

まとめ

体外受精妊娠の流産率は自然妊娠より「見かけ上高い」ですが、年齢を揃えて比較するとほぼ同等です。体外受精はむしろ胚の選択・PGT-A・凍結融解移植など、流産リスクを低減するための技術が充実しています。

反復流産(不育症)の方は、まず不育症の原因検索と治療を行い、その上でPGT-A付きのART治療を担当医と相談することをお勧めします。

次のアクション

  • 反復流産(2回以上)の場合は不育症検査を受ける
  • PGT-Aの適応・費用・効果について担当医に相談する
  • 凍結融解胚移植のスケジュールについて治療計画を確認する

免責事項
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としています。個別の症状・治療方針については必ず担当医にご相談ください。本記事に基づく行動の結果について、当サイトは責任を負いかねます。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/22更新:2026/5/2