
卵子凍結を検討する際、5年・10年保存を続けた場合の総コストがいくらになるのかを正確に把握しておくことが重要です。費用の全体像を試算します。
この記事のポイント
- 卵子凍結の初期費用・年間保存費用の目安
- 5年・10年保存した場合の総額シミュレーション
- 東京都など自治体の助成金制度(最大30万円程度)
- 卵子凍結を解凍・移植する際の追加費用
卵子凍結の年間コストを正確に計算するための全体像
卵子凍結の費用は「初期費用(採卵・凍結)」と「年間保存費用」の2種類に分かれます。初期費用は採卵1周期あたり20〜40万円程度(自費診療)が一般的です。年間保存費用は施設によって異なりますが5〜10万円程度が目安です。5年保存で総額45〜90万円、10年保存で70〜140万円程度が目安の費用感となります。
費用の内訳と目安
費用の種類 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
初診・検査費用 | AMH検査・ホルモン検査・超音波検査 | 1万〜3万円 |
採卵費用(排卵誘発含む) | 排卵誘発剤・採卵手術・培養 | 15万〜30万円 |
凍結費用(1回目) | 卵子の凍結処理・保管容器 | 3万〜8万円 |
年間保存費用 | 液体窒素タンクでの保存維持 | 5万〜10万円/年 |
解凍・移植費用 | 卵子解凍・受精・培養・移植 | 30万〜50万円(自費) |
診療内容:5年・10年保存の総額シミュレーション
保存期間 | 初期費用(採卵1回) | 保存費用(年7万円) | 合計目安 |
|---|---|---|---|
1年後に解凍使用 | 25万円 | 7万円 | 32万円+移植費 |
5年保存 | 25万円 | 35万円(7万×5) | 60万円+移植費 |
10年保存 | 25万円 | 70万円(7万×10) | 95万円+移植費 |
解凍・移植時には30〜50万円程度が別途かかります(自費の場合)。不妊治療として保険適用の要件を満たす場合は費用が下がる可能性があります。
口コミ・経験者の声
卵子凍結を経験した方からは「35歳前後で凍結しておいたことで仕事や生活に集中できた」という声がある一方で「結局使わないまま廃棄することになりコストが勿体なかった」という体験談もあります。凍結時の年齢・採卵個数・保存期間の見通しを総合的に考慮して判断することが重要です。
費用目安と自治体の助成金制度
東京都は2023年度から社会的卵子凍結に対して最大30万円の助成金制度を開始しました(所得制限あり、対象年齢あり)。大阪府・神奈川県など他の自治体でも独自の助成を設けているところが増えています。助成金の要件・上限額は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の最新情報を確認してください。
受診する際のポイント
費用対効果を考えるうえで重要なのは①いつ(何歳で)使う予定か、②何個凍結できるか(AMH値・年齢による)、③廃棄した場合のコスト許容範囲の3点です。一般的に採卵する年齢が若いほど質の高い卵子を得られやすく妊娠に至る可能性も高まるとされています。複数回の採卵が必要になる場合は費用も増加します。
アクセス・相談窓口
卵子凍結を実施しているクリニックは不妊治療専門施設や生殖補助医療(ART)認定施設です。都道府県の不妊専門相談センターでも情報提供・相談を受け付けています。助成金の申請窓口はお住まいの都道府県・市区町村の担当課です。
よくある質問(FAQ)
Q. 社会的卵子凍結は保険適用されますか?
A. 現時点では社会的卵子凍結(疾患以外を理由とする凍結)は保険適用外(自費診療)です。ただし自治体の助成金が利用できる場合があります。
Q. 凍結した卵子の使用期限はありますか?
A. 法的な使用期限はありませんが施設ごとに保存上限年齢(例:50歳まで)を設けているケースが多いです。事前に確認してください。
Q. 卵子凍結に適した年齢はいつですか?
A. 一般的に35歳以下が質・数のバランスが良いとされています。38歳以降になると採卵数・卵子の質が低下するリスクが高まります。
Q. 採卵は1回で十分ですか?
A. 目標とする凍結卵子数(一般的に10〜15個が目安)に達しない場合、複数回の採卵が必要になることがあります。その分費用も増加します。
Q. 卵子を使わずに廃棄する場合の費用は?
A. 廃棄手続きに費用はかかりません(施設によって異なる場合あり)。廃棄を決定した時点で保存契約を終了することで以降の年間保存費用は発生しなくなります。
まとめ
卵子凍結の5年保存での総額目安は60万円前後、10年保存では95万円前後です(採卵1回・年間保存費7万円の場合)。解凍・移植時にはさらに30〜50万円程度が必要です。東京都など一部自治体では最大30万円程度の助成金が受けられます。費用を正確に把握した上で使用するタイミングの見通しや採卵個数の目標を主治医と相談しながら計画することをお勧めします。
【免責事項】本記事の費用はあくまで目安です。助成金制度の詳細は変更される場合があります。実際の費用・手続きは医療機関および各自治体にご確認ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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